「外国人技能実習制度の実態とは…!?」
「実態は奴隷制度である!」
「技能実習生たちはみんなひどい労働をさせられているんだ~!」

中国人強制連行?近い将来技能実習制度も強制連行制度と言われる可能性大
外国人技能実習機構と入管の統計を見る
確かに、技能実習制度を全く知らない人がテレビや新聞雑誌の報道を見れば、技能実習生を受け入れている企業はみんな同じ用にひどい扱いをしていると思われるかもしれません。
かばうわけではありませんが、悪徳企業は全体のほんのわずかに過ぎません。
令和2年度の外国人技能実習機構の調査結果を見ると実習実施者(受け入れ企業)で起こった違反件数は10,361件です。小さな違反がほとんどなため、大きな違反、つまり世間を賑わすような違反行為がどれだけあったのか判別できません。
危険な香りがするのはこの4点です。
在留カード・旅券を預かっていたもの 25件
貯蓄の契約をさせ,又は貯蓄金を管理する契約をしていたもの 8件
私生活の自由を不当に制限していたもの 8件
報酬の額が日本人と同等以上でなかったもの 7件
それでもマスコミが食いつくような事件性ではありません。
法務省の資料(平成30年)を見るとかなりドギツイ案件が眠っていそうです。
暴行・脅迫・監禁 4件
人権を著しく侵害する行為 3件
中でもこの2つが強烈ですね。マスコミが騒ぎ立てる案件が眠っていそうです。

悪徳な企業、監理団体とは付き合わない
技能実習生を受け入れている一部の悪徳企業のせいで、制度全体が真っ黒なものとして報道されています。私共の組合では上記のような悪徳案件はありません。そんな企業は即退場です。付き合いません。
悪意の無い賃金計算ミスなどはありましたが、技能実習法、入管法、労基法を大きく逸脱するような違反をしている企業さんはありません。
技能実習生は日本人と比べて低賃金なのか?
確かに日本人正社員と比べたら低いです。
しかし、近年最低賃金が上昇し続け技能実習生とパート、アルバイトとの賃金差がほとんどなくなりました。食品工場などでは1号実習生とパートアルバイトの賃金が同一となり、2号、3号となるとパートさんたちよりも多く時給をもらっている実習生は随分おります。
賃金の底上げがなされたことで、日本人職員との差が縮まっていますので、業種によっては一概に「技能実習生=低賃金」というわけではなくなってきました。
奴隷のような労働をさせているところは生き残れません。
曲がりなりにも技能実習法が制定され、監理団体と実習実施者への監視の目、締め付けが旧制度とは比べ物にならないほど厳しくなっております。企業や監理団体が生き残るためには法令遵守が鉄則です。非人道的、企業の法律違反を黙認し企業と結託するような監理団体は生き残れないし資格もありません。
日本人が住みたくない宿舎は、外国人も住みたくない
監理団体として実習実施者を選ばないと痛い目を見ます。
コロナで厳しい経営状況ですが、遵法精神の無い企業や受け入れ職種に合致しない企業と絶対に取引してはいけません。受け入れのための細かい条件はさておき、企業として最低限必要なのは「実習生を同じ仲間として受け入れる姿勢があるか」です。
技能実習生の宿舎 最近厳しくなったチェック項目 はしご、金庫

宿舎となる予定の建物を見てください。
日本人が到底住めないバラック同然の家屋、コンテナもどきの家、プレハブ、日本人であれば1年以上住まうことをためらうような住居はやめろということです。極端に古い、安い建物はいけません。