外国人実習生の賃金を強制貯金疑い 十和田の縫製会社書類送検
10/27(土) 10:28配信 デーリー東北新聞社
外国人技能実習生に対し、逃亡阻止を目的に賃金の一部を強制的に貯蓄させていたとして、十和田労働基準監督署は26日、労働基準法違反(強制貯金)の疑いで、青森県十和田市の婦人服縫製会社「昭和ドレストワダ研究社」と、同社社長の男性(74)を青森地検八戸支部に書類送検した。送検容疑は、2016年2月9日から17年8月23日までの間、ベトナム人技能実習生7人に対し、本人名義の銀行預金口座に賃金の一部計約28万円を強制的に貯蓄させ、預金通帳と印鑑を保管していた疑い。
7人のうち2人の分は、貯蓄した賃金を現金化して保管していた疑い。
1,2年前の話が今更記事になっているのでよく読んでみたら、すでにベトナム人技能実習生たちを受け入れておらず解決済みの話でした。デイリー東北もこの時期は暇だったのでしょうか。
縫製企業は問題だらけですね。中国派遣機関で働いている知人も未だに複数の企業に数百人送り込んでいます。金に敏いChina人が未だに賃金未払い、残業代未払いなど不正が横行する業界で働いていることが不思議でなりません。
さて、
強制貯金について
これは絶対にしちゃだめです!
もう10年近く前の話ですが、うちの組合が監理していた企業でも強制貯金をしていた企業がありました。失踪者もなく、賃金の遅配、未払いもない。強制貯金以外ではホワイト企業でしたし、技能実習生の質も悪くない。
実習生たちは「銀行までお金を取りに行くよりも楽だから」という理由で普通に預けていました。利子もあってないようなものですし、母国に送金したい時は企業の人が一緒に銀行まで付き添っておりました。
でも、これは絶対にいけません。一部の実習生が自分たちで管理したいと要望してきたので、企業には強制貯金は不正行為であることを伝えて、更にJITCOの巡回でも指導を受け各自貯金することになりました。
もう一社のケースは、会社が「共同なんたら金」という形で支払われる賃金の数十%を預かっておりました。実習生の殆どがこんな仕組みを利用しておりませんでした。利用している実習生は2人だけでしたね。無駄遣いしたくないことと安全安心であること、日本人からこの制度を聞いて理解した上で利用しているので2人ともN1、N2の所持者でした。
当時JITCOの巡回時に指摘されましたが、きちんとした制度であるので強制貯金扱いされませんでした。
縫製業界について先程の中国派遣機関の話を聞くと、
- 多くが九州、中国地方、四国など最低賃金が低い場所で働いている。
- 残業しても時給が300~500円しか払っていない。
- 居住環境も非常に悪い。一人あたりの居室が4.5平方メートルを満たしていない。
- 賃金の遅配、未払いは当たり前。
- 休日が殆ど無い。
まるで時代錯誤の女工哀史のような話が、時折ヤフーニュースに載っております。この手の記事を読んで左翼弁護士やジャーナリストたちが実習制度を廃止せよと叫んで10年以上が経ちました。技能実習制度が改正されたとはいえ、不正行為、人権侵害が大幅に減少した傾向はなく、制度が廃止されるどころか、「特定技能」なるより緩和された受け入れ制度が誕生しているのが現状です。
農業、縫製、建築、水産。ブラック企業の多い業界、失踪の多い職種の受け入れをやめることから始めないと、いくら特定技能だと言っても同じ轍を踏むことになります。