外国人技能実習生の日本語能力を向上させるために

外国人技能実習生たちがどうして日本で実習をするのか。
面接で日本で実習したい理由を聞いてみると、

  1. 生活を改善したい。
  2. 子供の養育費。
  3. 家を購入したい。
  4. 日本の先進的技術を学びたい。
  5. 日本を旅行したい。
  6. 日本語を勉強したい。

1.~3.は本音です。4.に関しては本気でそう思っている人も多少はいます。ただ、5.以下は面接官に好印象を与えるための建前。だから5.6.を言われても基本的にスルーです。私の心には全く響きません。

とは言え、日本語能力を一定以上つけさせなければ実習に支障をきたしますし、私生活でちょっとしたことが起こってもすぐに通訳の手助けが必要になったりと、こちらの負担も増えてしまいます。また、技能移行試験基礎2級相当の合格に加え、基礎1級相当の技能試験の合格が義務付けられますから、本気で取り組まないと3年の実習を全うできません。
基本的に語学の上達は、本人たちがどう取り組むかです。
しかし、彼らのやる気に依存していてはなかなか上達しないどころか、勉強に取り組むことすらしません。日本語学習マインドに関しては、面接試験の採用時に説明しますが、これだけでは全然足りません。派遣機関での訓練中に刷り込んでもらうことです。

日本にやってきて1ヶ月程度はこのマインドは生きていますが、配属と同時に消えてしまいます。そこで、我々が宿題を課したり、日本語検定を受験させたりと無理やり日本語学習の環境を作っていくことです。



宿題に関しては以前書きました。

技能実習生の日本語教育。配属後にも日本語学習を継続させよう!

宿題をやる=日本語上達

ではありません。

多少上手くなることもありますが、日本語の宿題を課すことはあくまでもきっかけですね。
日本語に強制的に触れさせ、興味を持たせる。わからないことがあれば辞書で調べる癖をつけさせる。10人いたらまともに宿題をやり続けるのは3,4人ってところでしょうか。最初は少なめの教材を渡します。いきなり渡してもやる気が起きないでしょうから、まずは少量を渡して教材をやり終えた達成感を得てもらう。

それから日本語検定を受験させる。
私は日本語検定受験については強制させています。

実習生とのトラブル回避術!外国人技能実習生と採用時に実習生活での約束事を決めておけ!

日本語のドラマやニュースを視るようにも勧めています。
月に1回の巡回しかしない監理団体のやれることはたかが知れています。一番協力していただきたいのは、四六時中接している受入企業さんの協力が必要です。

  • 従業員の方になるべく実習生に話しかけてもらう
  • 宿舎にテレビを設置してもらう
  • 社員が参加するイベント、交流会に出席させていただく

昼休みなど、ちょっとした空き時間で結構ですから、従業員の方と実習生がお話をする。私から実習生たちには「日本人職員と話すように」言っていますが、やはり日本語が上手くないのと話しかける勇気が足りません。日本人職員の方から話しかけてもらえれば実習生たちも嬉しいし、「話しかけられたのに何も受け答えできなかった」と申し訳ない気分になります。そうすれば日本語を勉強しなくてはという気持ちになりますし、最大3年間実習していくのに、「言葉が聞き取れないから日本人を無視する」わけにはいかないでしょう。

言葉の話せない外国人に話しかけるのは面倒と思うかもしれません。しかし、どんなつまらないことでも構いませんので、ドンドン話しかけてあげてください。社長さんから実習生と話すように!と一言指示いただいている会社さんの実習生たちの日本語はそこそこ高いです。
テレビについてはできるだけ設置していただけると幸いです。

日本のテレビ番組は面白いですし、モニタリングなどのドキュメント、言葉がわからなくても視ているだけで楽しい番組があれば、嫌でも日本語は耳に入ってきます。ワンフレーズずつ、一単語ずつ覚えていきますし、ニュースは母国と日本の報道仕方が違います。特に中国に関しては、中国では放送できない内容を日本では視ることができます。時事問題にも詳しくなれば、日本人職員との会話のネタにもなります。



会社のイベントにも参加する。
忘年会、社員旅行などにも実習生は参加して欲しいですね。
酒を飲めば多弁になる人もいるし、打ち解けるには最高の場だと思います。

実習生に対しては日本人職員と良好な関係を築くよう伝えています。
多少仕事でポカをした時にも、普段仲が良ければ助けてくれることもあるだろうし、普段からのコミュニケーションは本当に大事です。

外国人実習生と交流することは日本人社員の成長にもつながります。
今後は外国人労働者が増えていくでしょう。実習生を管理、交流することによって外国人労働者の管理を学べますし、出身国によって風習や性格を肌で感じとることができます。外国人労働者の問題が起こっても臨機応変に対応できるようになります。外国人慣れしている従業員の方が多い職場は、監理団体にとっても安心です。

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