ブローカーと一緒に技能実習生採用面接w

現在の組合に入社して間もない頃、中国で面接をしてこいと言われて行ってきました。もちろん一人ではなく、ブローカー先生とご一緒。

「Hさんにいろいろ学べよ!」

今でこそお笑い草ですが、当時は真面目に返事していましたからねえ…。
中国で面接を行いましたが、これと言ってメチャクチャなことは何もせず、簡単な算数問題と手先の器用さを図る作業、個人面接でした。

当時、一度に20名くらい採用しましたけど、50人以上集まりましたかね。午前9時から休憩を挟んで午後15時まで終わりました。ササッと面接。

合格者を発表して終了です。

現在、私は筆記試験を3種類、面接、場合によっては実技試験も行い、合格者にはたっぷりと技能実習とはなんぞやを語ります。そのため、全てを終えるのが夜遅くなることもしばしばです。

しかし、当時は合格者を決めてからは何もしません。

アフター5はマッサージ、食事とお決まりのコースです。

ブローカーの酔いが回ってくると、こちらに火の粉が飛んできます。

「お前のとこの組合、謝礼が少ないんだよ!」
「どーして俺が組合の仕事(巡回、トラブル処理)をするんだよ!」
「今回の面接の飛行機代とホテル代、それから出張手当全部よこせよ!」
「お前みたいなぺーぺー連れてきても役に立たんし、あのバカ(6年先輩)をよこせよ!」

こちらがこのブローカーに支払う報酬額のことを言われても、なんとも言えません。いったいいくらもらっているんですか?という質問にはいくら泥酔しても教えてくれませんでした。普段はニコニコ…というかニタニタしているブローカーでも、怒るとものすごく怖かった覚えがあります。どすが効いていて筋者じゃないかと感じる程でした。

確かに怪しげな本業を抱えていたそうですし、副業としてもかなり儲けていたようです。その分、荒々しいやり取りも陰であったのでしょう。技能実習生のブローカー業に関しても、「ブローカー界隈」で縄張りもあるようでしたし。

3回ほどこのブローカーと一緒に中国での面接に同席しました。
その度に上記のような愚痴を聞かされるのですが、それを見かねてなのか、派遣機関のスタッフから中国語で、

「この人が持ってくる仕事はほとんど儲からないんです。キックバックが高すぎるんですよ。ただ、受入人数がいつも10人以上なので応じているんです。薄利多売ってやつですよ。才谷さんは真面目に仕事しているのに大変ですよね。研修生に残業やらせちゃいけないのに、社長にはやれやれって言うんだから」

確かにブローカーにいろいろ文句を言われていましたが、これっぽっちも彼を恨んでいません。ブローカーの存在は否定しますが、彼にとっては生業の一つです。技能実習制度の枠外で儲けようとする嫌な輩ですが、監理団体が彼らを頼らなければよいわけです。

監理団体としてのモラルがない、節度が無い、技能実習制度が何たるかをわかっていない連中がブローカーをつけあがらせるのです。ブローカーの力に頼らなければ、彼らは食いっぱぐれます。味噌もクソもとにかく企業がほしい、リスクを犯しても人数を増やしたい。技能実習事業を始めたばかりで、どうしてもブローカーのちからが必要だと言う組合もあるでしょう。

でも、もうやめましょうよ。

法律はドンドン厳しくなっていきますし、法律やルールと言うのは、底辺にいる連中に合わせて改正されていきます。一部の不良企業や不良組合のおかげで制度を改正し、ますます厳しくなる、儲からなくなっていきます。

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