技能実習生、特定技能を問わず、外国人労働者の受入が増加しております。
日本人とは違い、外国人労働者の労働には様々な制限がありますので、トラブルの事例をもとに紹介していきます。
留学生の入社前研修事例
A社では、毎年4月の入社前の3月下旬に内定者に対して入社前研修を行っている。内定者には参加義務があり、研修時間には賃金が支払われる。留学生Bは3月10日に卒業済み、留学ビザの在留期限は残っている。留学生の在留資格で、1週間の入社前研修に参加した。
A社での研修は、資格外活動許可の範囲を超えていたこと。
在籍中のみ資格外活動が許可されている。卒業してしまっては、資格外活動許可の適用外となり不法就労となる。
対処方法
卒業後すぐに就労できるよう、卒業予定の2,3ヶ月前から資格変更の申請を行っておくこと。卒業見込証明書を添付し、申請する。
部署異動のトラブル
H社は貿易会社である。外国人従業員Jは「技術・人文知識・国際業務」で貿易事務として従事している。
職場内での人事異動があり、Jを単純労働が主体の倉庫勤務としようとした。
しかし、在留資格に該当しない労働であるため、倉庫勤務をさせた場合も違反となる。
入社直後の一定実務期間をどうするか?
企業によっては、採用後に一定期間の「実務研修」を設けています。例としては工場でのライン作業、テンポでの販売業務、物流倉庫での作業です。「技術・人文知識・国際業務」に該当しない業務でも、それが日本人新卒社員等に対しても同様に行われる研修の一環であって、在留期間中の活動を全体と捉えて、在留期間の大半を占めるようなものでなければ、その相当性を判断したうえで、上記の活動を「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で認められています。まずは入管局に相談するのがよいでしょう。
不法就労とならないように基本的なことを覚えておきましょう
- 在留期限が切れている。
- 在留資格を有していない。
- 観光等短期滞在で入国した人が就労する。
- 留学生、家族滞在が資格外活動許可を得ずに働く。
- 貿易事務で働く人が、工場のライン工として単純作業に従事する。
- 留学生が資格外活動として許可された週28時間を超えた場合。
外国人本人だけが処罰されるのではありません。
不法就労させたり、不法就労を斡旋した人は不法就労助長罪となります。3年以下の罰金、300万円以下の罰金。当該外国人が不法就労でることを知らなかったとしても、採用前に在留カードを確認しなかったなどの過失がある場合、処罰を免れません。
技能実習生、特定技能以外の外国人を正社員にする場合、我々のような監理団体や登録支援機関がないので、企業自身が見極めなければなりませんね。