技能実習生が実習をしている間は昼勤だろうと夜勤だろうと技能実習指導員が現場に配置していなければなりません。実習生だけに仕事を任せて、日本人従業員が現場に一人もいないという状況は完全にNG。掟破りです。
しかし…夜勤帯ともなるとこれを平然と行っている企業もあるのです。
従業員数が多い企業であれば、比較的企業モラルがしっかりしていますが、従業員20人未満で家族経営ですともう大変です。実習生を受け入れているのは、
- 進んで夜勤、残業をしてくれるから。
- 滅多に休まないから。
等色々あると思います。
理由はどうあれ、夜勤帯の現場で絶対に実習生だけで作業させないようにしてください!
ぶっちゃけ、家族経営のワンマンは特に問題が多いです。実習生の待遇だけでなく、家族以外の従業員は使い捨て、長年勤めて実績のある人間に対しても薄給、出世させないなど問題あり。家族従業員は頻繁に有給を取るけれども、その他の職員には滅多に有給を取らせない。とったらネチネチと嫌味を言う。
仕事でトラブルがあったらミスを押し付けられる。まさにブラック企業の鑑ですよねw
そんな企業で実習生だけに夜勤をやらせて御覧なさい。
壁に耳あり障子に目ありで、すぐに労基にチクられること間違いなしです。実は…もう随分前ですが、私の担当している企業で実習生だけに夜勤をやらせて問題になったことがあります。このことが明るみに出たのは、日本人従業員がワンマン幹部たちと揉めた挙句退職、その後労基署に会社の不正を訴えたのです。
主に現場に関する危険因子(有機溶剤、配線等が危険であり、危険防止措置を行っていないこと)を労基に伝えていました。で、労基からの指導では直接実習生に関する事項はなかったのですが、聞き取り中に実習生だけにやらせていることが発覚。
口頭での注意はもちろんすぐに書面でも指導しました。
当然ここの部長も社長一族のDQN。
「おい!そんな法律あるなんて聞いてねえぞ!入管に報告するのかよ!黙ってりゃいいじゃねえか!」
「知らなかったじゃすまないんですよ。法律改正については書面でも口頭でも説明していますし、法令の抜粋まで渡して説明したじゃないですか。知っている知らないの問題じゃない。即報告しなきゃうちみたいな監理団体、他の企業さんにも迷惑がかかってしまうんですよ」
「絶対に報告するな!」
と脅されましたけど、するに決まっているじゃないですかw
ルールのわからない企業を守るために他の優良企業さんを犠牲にするなんてできるわけありません。天秤にかけるまでもありませんな。
文書はこんな感じです。
書面で企業へ指導です。
夜勤帯において技能実習指導員を配置する件(お願い)
平素より技能実習生事業にご高配を賜り、感謝申し上げます。
先般、●月●日貴社訪問の際、技能実習生の夜勤中、技能実習指導員を配置していない件について指導させていただきました。
技能実習生を受け入れ、実習を行うには、常時、現場にて実習指導員を配置することが義務付けられています。技能実習指導員の配置は、技能実習制度を活用する上での大前提であることはもちろん、万一、技能実習指導員が不在の中、実習生が労働災害、その他の事故が発生した場合、実習実施機関として技能実習生を受け入れるのは困難となります。
平成25年12月より、『技能実習生の入国・在留管理に関する指針』が改訂され、監理団体及び実習実施機関の正しい制度の運用を強く求められています。
今後は夜勤帯においても、技能実習指導員を配置して頂くよう、重ねてお願い申し上げます。
で、こちらが入管への報告第2報です。
DQN株式会社の夜勤帯の実習に関して(続報)
◎年●月○日、当組合職員がDQN株式会社を訪問し、〇〇部長に下記の通り確認・指導をしてまいりました。
・確認
現在、技能実習生に夜勤を廃止しました。別紙の時間帯で実習を行っております。シフト表の通り両方の時間帯で日本人の職員が配置されております。
・指導
今後、夜勤を行う際には必ず日本人の職員を配置するよう指導しました。
入管に確認しました。
「ぶっちゃけ・・・思い切り不正ですけど…企業とうちはどんな処分を受けるんでしょうか」
「まだわからないです。組合さんは大丈夫でしょうけど、企業さんはちょっとまずいよね…もしかしたら指導い所のことがあるかも」
とのことでした。結果、企業は入管より書面にて指導を受けていました。在留期間更新の際、1年ではなく6ヶ月ものの在留カードしかもらえないという…。企業にとっては恥ですし、イエロカードなんですけど、元々遵法精神のない企業なのであまり答えていませんでしたね。半年になるとこちらの事務手続きも増えるし面倒でしたね。
実習生だけに夜勤をやらせるのはご法度ですぞっ!