鬼門の技能移行試験 基礎2級と言えどもご油断召されるな!

 

「技能移行試験など合格させるための試験」

うちの組合ではそう言われてきました。ただ、県、検定員、職種によっては用意周到に望まないと受験者全員落第の危険があります。

技能実習生を受け入れるのが初めての企業で、尚且つ組合にとっても初めて受け入れる職種の場合は極めて注意が必要です。初回の受け入れでは、入国管理局が受入企業として相応しいかどうかをチェックします。すなわち技能実習受け入れ職種またはJITCO職種に相応しい設備が整っているか、職種に合致した作業を行っているのかを写真や文書で入国管理局に報告しなくてはなりません。

入国申請の時に様々な資料の提出を求められることがあります。

初めての職種なので組合も緊張しております。無事審査が通り実習生が入国できれば一安心です。しかし、ここで安心しきってはいけません。

入国して9~10ヶ月後に技能移行試験が立ちはだかります。

「受け入れ職種として問題ないし、入管の審査だって通ったから大丈夫だろう」

と、高をくくってしまうんです。

が、技能移行試験…基礎2級試験の内容を見てみると普段の作業と全く違う。
まあ、でもこれはどの職種でもあることでしょう。実際の作業と比べて基礎2級は時代錯誤もいいような内容ですからね。ところが、やっかいなのは試験に必要な設備が会社にないことです。

技能移行試験を合格させるための5つのやるべきこと

特に金属関係の検定試験は、器材が大型、重量のあるものが大多数なので受入企業が試験会場となることが多いです。

「試験会場である企業に機械設備がない」

こんなこともあるのです。幸い他の工場に機会があったとしても運搬がほぼ不可能、ならばその工場を試験会場にしても県外のため試験会場として認められない。職業能力開発協会は各都道府県にあり、実習生は実習している県内でのみ受験が可能。例えば、神奈川の工場に籍をおいている実習生がその他の県で試験を行うことはできない。

 

こうなると大慌てです。

lgf01a201408251000

 

どこで試験を行えば良いのか?

取引先の場所を借りるという手も思い浮かびますが…これは非現実的です。社長の兄弟が社長をやっているとかじゃないと…。

こんな時は職業訓練校、ポリテクセンター、ポリテクカレッジ等の公営施設を活用しましょう!機械関係、金属関係の基礎2級試験は実際の現場ではほとんど使われていない旧式の機械を使用します。こういった機械は上記のポリテクセンターなどにきちんと置いてあります。※都道府県、担当者によって対応が異なります。

普段からステルス戦闘機を乗り回しているのに、試験の時だけ零式戦闘機です!と、言われたって企業さんだって戸惑いますよね^^;

lgf01a201307290100

 

 工業包装基礎2級試験は超鬼門!

工業包装の実技試験は難しいです。問題の意味がなかなか理解できなくて実習生たちに説明するのが難しく、企業担当者も

「こんな試験…なんの意味があるんだ?現場での作業とかけ離れすぎている!?」

と、驚いておりました。
ガラス製品、金属の包装をしている企業さんです。
しかし、基礎2級試験しけんはダンボールを組み立てて、クラフト紙で包むという試験です。折り目が何cm、紙と紙の接触部分が何センチなど細かく決まっています。段ボール箱一つを包むのに1時間費やすという…やっていて非常に不可解な試験です。

筆記試験はなんとかなります。
実技試験は落伍者続出。うちの組合の実習生男性3名が受験しました。二人が実技試験で落ちました。日本語もできるし、事前に練習していたのですがやはり緊張していたのか…ダメでした。精鋭たちだったんですけどね。

練習が大変です。まず、資材がなかなか揃わないんです。クラフト紙と言っても厚さが特殊で販売しているところがないんですよ。練習に時間もお金もかかるし、指導員も未知の作業なので教えられないという…。現場に工業包装の技能士なんていませんからね^^;

クラフト紙同士を圧着させるのも慣れが必要です。
少しでも穴が空いたり、圧着ミスがあると大きく減点されてしまいます。

工業包装は事前に練習しまくって下さい。お金と時間をかけてしっかりやるべきです。ここで労を惜しんでしまうと無念の帰国となりますからね。どの職種も同じことがいえますが、特に工業包装は厳しいのです。

 

技能試験については受け入れ時にしっかりチェックしておきたいですね。
受け入れ時に、入管、JITCOの審査を通るための作業、器材を確認するだけでなく、資材、器材、機械…。技能移行試験に対応できるものかどうかをチェックしておきましょう!

タイトルとURLをコピーしました