アマチュアブローカー

前回、専業ブローカーについて書きました。

今回は、アマチュアブローカーです。


食品関係のブローカー

文字通り、片手間にブローカーを行っている人達です。多くは中小、零細企業の経営者や幹部たちです。業種で言うと建築、食品関係の人間がブローカーとして活躍するケースが多いです。

技能実習事業に関わるブローカーってどんな連中なの?専業ブローカー

コンビニ弁当、調理パン、製パン、食肉、物流関係…。かつて一年の研修や実習でしか受入れられなかった職種に多かったです。現在、パン製造、惣菜職種が出来たため3年での受入れが可能となりました。

何故かはわかりませんが、食品関係のブローカーの活躍が目立っていました。私の周囲だけかも知れませんが…。

大手の食品製造会社の子会社、中堅企業の経営者、経営幹部の中で顔が効くものはブローカー稼業にも精を出します。経営者なり経営幹部が他社の経営幹部に技能実習生の活用を勧めたら、勧められた方も「▲さんが太鼓判を押してくれるなら」と、二つ返事で承諾してしまいます。見知らぬ監理団体がいくら営業しても駄目なのに、アマチュアブローカの鶴の一声ですね。

彼はもちろん条件をつけます。「監理団体はA組合、派遣機関はB社とするように」と。食品工場はそれなりの規模ですし、1号の枠が10名以上という企業もたくさんあります。

  1. 一度に紹介できる人数が多いため、キックバックがたくさんもらえる。
  2. 食品関係はどこも人手不足で悩んでいる。
  3. 外国人でもいいから安価な労働力がほしい。
  4. グループ系の企業が多い。

大きな収入源となり、濡れ手に粟。
アマチュアブローカーは美味しいと味をしめてしまうわけです。

食品工場は生産コストを抑えるのに躍起になっています。食の安全が第一なのは確かですが、1円でも抑えようとする姿は他業種と較べて鬼気迫る物があります。薄利多売、コンビニ業界の飽和、外食産業との競争。とにかくコスト削減ばかり考えています。

この業界にとってまさに技能実習生は天の助け。惣菜職種が解禁されて一気に技能実習生の受入れ人数が増えました。また、惣菜協会も大儲けしています。

アマチュアブローカーは会社勤めしながらも、顔が広いために技能実習生事業を紹介する機会も多い。
食品関係のアルバイト・パートの仕事は、基本的に技術なんて必要としません。流れ作業や簡単な作業ばかりです。温度調節、加熱処理だって殆どが機械任せです。ただ、人手が必要ですし、低賃金、3交代制など労働条件がキツめなので日本人の学生バイト、若いフリーターは定着しません。パートのおばさんが主戦力ですが、パート103万円の壁があるため、彼女たちにフルで働いてもらうにはいきません。そのため、パート方たちのシフトを組むのは非常に悩ましいと現場の担当者はいつも愚痴をこぼしております。

そこで外国人技能実習生の出番というわけです。何度も書いたとおり、夜勤、残業大歓迎です。正社員と同様にフルで働いてくれます。


士業のブローカー

職種を問わずにアマチュアブローカーとして活躍できるのは、行政書士や社労士などです。

特に行政書士は、技能実習生やその他の身分で来日してくる外国人のビザ申請を代行しております。多くの企業とのコネもあります。社労士も多くの企業と契約しているため、顔が広く、外国人技能実習生の活躍ぶりを知っていますし、外国人技能実習制度について学んでいる方も多くいらっしゃいます。

立ち上げたばかりの組合が、行政書士や社労士を訪ねて「どこか受入れ企業を紹介してくれないか?」と聞くこともよくあるそうです。

ブローカーに頼りたくなるほど、この事業の営業活動って難しいんですよ^^;

ブローカーに頼むのはいいけれど、ドツボにはまると実習受入れ職種対象外、ブラック企業などを受入れざるを得ない状況に陥ります。良い企業だけ紹介して貰えばいいじゃないかと思いますが、ブローカーにしてみれば「いつも良い企業ばかり紹介して上げているんだから、他の組合が受入れを嫌がる企業の一つや二つ引き受けろ!」ということでしょう。

普段お付き合いしている企業の社長から、ろくでもない企業を紹介された時って一番困るんですよね…。

「取り敢えず検討して、まずは会社を見させてもらいます」

職種不適合、社員が社会保険未加入、在留資格がはっきりしない外国人が在籍していた…なんてこともありお断りました。

また長くなってしまったので、後日、監理団体もどきのブローカーについて書かせていただきます。


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