暴れる中国人技能実習生を強制帰国

歪んだ体制で実習生を受け入れていると、帰国間際にトラブルに発展することが多々ありました。以前、有給休暇を与えない企業に対し、有給休暇を与えるよう説得していました。有給休暇を帰国間際に買い取るから、休まない方が良いと、企業から技能実習生に言いつけていました。

長年続いていた因習。

因習打破には苦痛を伴います。企業からも実習生からも反対意見が来ましたし、実習生たちは反対する一方「体調不良で休んだのに有給休暇をもらえなかった」「企業担当者から今日は休めと言われたのに有給休暇ではなく欠勤になった」などと言われる始末。

 

帰国間際のダメ元で絡んでくるパターン

とにかく、有給買い取りは駄目。有給休暇を与えるよう説得しておりました。
企業がなかなか首を立てに振らない中、満期で帰国する実習生が5名おりました。彼らは突然帰国しないと言い始め大騒ぎしておりました。

「有給休暇を買い取れ!」
「(指の怪我)後遺障害なんだから金をよこせ!」
「腰痛は労災だっ!治療費を払え!」

帰国2,3日前は有給を与えて旅行に行ったり、買い物をしたりと帰国準備をさせていましたが、彼らは休日を利用して企業と直談判。

「才谷さん、すぐに来てくれ。実習生が揉めてる」

有給休暇の買い取りは不可能!であることを伝えました。

指の怪我は労災できちんと処理をしたし、後遺障害認定はされなかったことをもう一度伝えました。後遺障害云々については、私も付き添って医者の言質を取りました。これだって1年以上前の話ですよ。指は確かにまっすぐではありませんが、それでもよく見ればちょっと曲がっている程度。本人も後遺障害に該当しないと聞き理解していました。

腰痛に関しても同様です。
慢性的、疲労して腰痛になった場合は労災には認定されません。労災事故であると特定出来ないんですよね。腰にものがぶつかって痛めたわけではありません。レントゲン撮影で骨に異常もなかったし、しばらくして痛みも消えました。ちょっとぶり返して来たから言いがかりをつけて来ただけでした。

これらを何度も言い聞かせましたが、奴らはダメ元でゴネまくって来ました。
この企業、私が担当する前はゴネればどうにかなったようで、口封じのために帰国前のボーナスを多めに与えた時もあったそうです。

「研修生時代に残業をさせていたことをバラす!」とかなんとか…。

ゴネ得と思わせるな!不当な要求は断固拒否の姿勢で!

同じことを繰り返したくないので、彼らの主張を断固として拒否。

「入管へでも労基へでも、行きたいところにいけっ!」

と、一喝。

怯むことなく激昂し、

「だったら中国領事館に言いつけてやる!」

「おお!行って来い!」

会社の担当者も交えていたのですが、それすらお構いなしで大声で叫ぶ。ロッカーや棚に蹴りを入れて威嚇してきました。企業担当者はビビリ。私はもう一度一喝。

「警察を呼ぶぞ!器物破損だ。パトカーに乗って空港に行くかっ!?」

それでも口汚く罵り続ける実習生。

完全にチンピラですよ…。
有給を買い取れと何度も食い下がってきました。企業は有給こそ買い取らないまでも、今までの働きを感謝して10万円程度(個人によって金額は違う)を準備していました。

「君たちの言っていることはすべて不当な要求である。会社は君らの働きぶりに感謝しているし、ボーナスも準備している。これ以上騒ぎを大きくするのであれば、ボーナスも渡さないだろう」

結局彼らはおとなしくなり翌日帰国しました…。
文章にするとこんなもんですが、夜まで説得して非常に疲れましたよ。派遣機関の駐在は助けに来てくれないし。全部私一人で処理。
結構前の話ですが、この企業を担当してかなり自分も強く慣れました。因習打破には3年を要しました。今では非常に良い受入企業となってくれています。コンプライアンスもバッチリです。私が面接で選んだ実習生が中核となったので、おかしなこともしなくなりました。それまでは当組合は選抜試験に立ち会わず、派遣機関が勝手に選んでいました。実習生とのトラブル回避術!外国人技能実習生と採用時に実習生活での約束事を決めておけ!

有給休暇の買い取りは辞めましょう。技能実習生が企業の不正行為とわかりつつも、おかしな条件を快く飲んでいる場合は要注意です。実習生と企業のもたれ合いでことが進むかと思いきや、弱みに付け込んで帰国間際にゴネることがあります。監理団体も片目をつむって黙認していると3者でもタレあっているってことです。これではイザという時にガツン!と言えません。

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