傷害事件にまで発展させないための予防策

刃物などの凶器を使用した実習生同士の喧嘩。または素手での喧嘩。人間は感情の生き物なのでトラブルが起こって当然。外国人技能実習生は外国である日本に居住し大きなストレスを抱え、また集団生活をしているため同僚らとの軋轢が生じるのは避けられません。

ドアの開け閉めやパソコンの音、タバコの煙、部屋を汚す…など些細な事がきっかけとなって傷害事件へと発展してしまうケースは少なくありません。

喧嘩の種を早いうちに摘み取る!

技能実習生を孤立させない。私が思うに中国人技能実習生にかぎらず、中国人は全般的に日本人よりもコミュニケーション能力は遥かに高いです。集団生活の経験もあり、学校に入ってからは凄まじい競争。教師とよい人間関係を築けなかったり、賄賂をまともに払えないと良い成績がもらえない。親戚や信頼のおける友人を作っておかないと、将来就職をする時に力になってもらえない。家族の結束も強い。

その分、個人主義が強く、自分や身内以外には冷淡、不親切、他人はどうだって良いという考えが強いです。同僚とは付かず離れずの良い距離を取るのが非常に上手です。

しかし、外国で仕事をしていると小さなことでもトラブルに発展してしまいます。

孤立させない

概ね中国人はコミュニケーション上手ですが、下手な人もいれば自分勝手な人もいます。6人以下の少人数で孤立してしまうといつトラブルが起こってもおかしくありません。生活指導員が彼の悩みを聞く。巡回している監理団体の職員は必ず彼と個別面談を行うこと。

この時注意するのは孤立している人間だけでなく、全員と面談することです。そうでないと「あいつはまた会社や才谷にチクりを入れている」と思われてしまいます。最初は口をつぐんでしまうこともあるでしょう。でも、訪問のたびに彼とじっくり接すること。少しずつ話してくれるようになります。

 

宿舎での様子や生活ぶりを観察

仕事で問題がなくてもプライベートでトラブルが発生する。実習生同士のトラブルは勤務中ではなく、宿舎にいる時に起こることがほとんどです。

インフラが整っているか?

一部屋に何人も住まわせていないか。夜勤、昼勤の人間が同じ部屋に混在していないか。パソコンやテレビの音を大きくしすぎていないか。タバコを部屋の中で吸っていないか。掃除当番を決めて共用部分を掃除しているか。など。

生活基盤が出来ていないと人間の心は荒みます。特にきれい好きな実習生とそうでない人が一緒に住むとなったら、ストレスは溜まる一方です。掃除当番を決めて平等に掃除をする。掃除当番なども組合や企業の生活指導員が決めます。上記のポイントが原因で大喧嘩に発展したことは何度もあります。

一つ一つの問題は大したことがありませんが、半年が経ち、1年が経ち…我慢の限界を超えてしまうのも不思議ではありません。

組合の職員や生活指導員は部屋の様子を定期的に必ずチェックすること。組合は月1回の巡回時には必ずチェックするようにしましょう。

部屋割りが大事

配属したばかりの頃は誰が仲が良い悪いってわからないですよね。派遣前の講習、来日後の1ヶ月の講習で派遣機関や日本語学校の先生に彼らの人間関係を聞いても「みんな仲が良いですよ!」と言われることが多いと思います。

先程上述したように、中国人はコミュニケーション能力は高い方です。だいたいのことは折り合いをつけたり、我慢ができます。無駄に敵を作らないようにしていますので、部屋割りの問題は夜勤者と昼勤者を同室にしないことです。
寝ている時にテレビの音、ゲームの音、大きな物音を立てると休めませんからね。当たり前のことかもしれませんが、実習生たちには重ね重ね注意していくことです。

 

仲良くさせる

会社の食事会、飲み会などに技能実習生を誘うこと。日本語勉強会、会社主催の小旅行に参加させる。

中国人実習生は口喧嘩から凶器を振り回す喧嘩に発展しやすいな

実習生から事情を伺う

「誰と誰が不仲である」という話を聞くこともあるでしょう。噂やデタラメかもしれませんが、火のないところに煙は立たないもの。時間をかけて事実確認を行い。対象者との面談時間を多く持つようにしましょう。人間ですから喧嘩もします。ただ、監理団体や生活指導員としてできるだけ未然に防ぐための努力はしていくべきです。それだけでも喧嘩の発生はかなり抑えられます。

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