外国人技能実習生と現場の人間がコミュニケーションをとっていないと困る

やっと出ましたね。新制度の中身っ!

JITCO - お知らせ

さて、

外国人技能実習生より、「必須作業じゃない仕事ばかりやらされている。お陰で腰が痛い」と連絡がありました。職種は溶接。溶接を2ヶ月近くやっておらずグラインダー作業ばかり。

これじゃあ…先日の読売新聞の『歪んだ外国人技能実習生制度』シリーズと同じじゃないか!?「殻剥き(牡蠣)ばかり八ヶ月」なんて御題目がでかでかと社会面を飾っていましたね。関連作業や周辺作業としては問題ないのですが、長期間必須作業をやらせないのは問題になります。配属してから4ヶ月。そのうちの半分以上がグラインダー作業だったら洒落になりません。

もちろん定期巡回はきちんと行っていて、実習生と企業担当者との面談も行っていました。日本語学習や実習嬢問題がないかなどをインタビューしていましたが、この件については完全に見落としていたんですね。企業担当者と、実習生共に「大丈夫ですよ。特に問題なくやっていますから」と回答していたのを鵜呑みにしすぎました。
優良企業さんですし、受入れ実績もあるので安心していました。

 

しかし、必須作業をやらせていないと通報があったからには確認しなければなりません。企業担当者によると、彼らにグラインダー作業だけをさせていることが確認できました。

「必須作業をさせないとコンプライアンス違反になる」

と伝えましたし、

「どっかの殻剥きしかさせていない水産業者と同じだぞお~!」

とも伝えておきました。
すぐに改善していただき、当該実習生を溶接現場に移しましたが、それなりの理由があって彼をグラインダー職場に貼り付けさせていたようです。

  • 仕事がガサツ。
  • 日本語が上手くないので、簡単かつ日本語を必要としない作業をやらせるしかなかった。

う~ん…。
完全なるコミュニケーション不足によるものですな。

 

実習生への指導

  1. 仕事を丁寧にやるように。真面目にやるだけでなく、工具の使い方、製品を大切に扱う。物をぞんざいに扱わないこと。
  2. 日本語を学習してドンドン積極的に日本人と話すこと。
  3. 他の実習生がどういう溶接をしているか、自分と他人の溶接部分を見て自分より優れている点は真似するように。
  4. その他、実作業における注意点を指導。

常日頃日本人職員とコミュニケーションを取っていないとこうなります。
お互いに言葉が通じないから言われた通りのことをやればいいと考えていた様子でした。

コミュニケーションが取れていて、日本人職員との関係が良ければ多少のミスをしてもひどく叱られることもないし、叱られてもそうそう頭にくることもありません。仕事しやすいんですよね。

企業担当者へ

  1. 彼がミスをした場合、その場でしっかり叱って欲しい。
  2. 彼の仕事ぶりに不満があったり、不手際があった場合我慢しない。怒りを溜め込んでから爆発しないように。
  3. 日本語が通じないからとコミュニケーションを絶たないように。
  4. 必須作業をやらせないのはコンプライアンス違反。

実習生が現場で私が彼らに注意していますが、2週間前、3週間前に起こったことを蒸し返しても、本人たちは自覚症状はありません。

ミスがあったらその場で注意する。

でないと、本人たちは何をどう間違ったかもわからないし、「何も指摘されていないから自分は悪くない」と思い込んでしまいます。
「実習生に直接言えないけど、私(才谷)には言える人」はまだマシです。遅ればせながら注意が出来るし、問題点も明確になります。困った人は私にも実習生にも言えず、巡回の折に

「ええ大丈夫ですよ。彼らはちゃんとやっていますよ。問題ありません」

で、ある日訪問すると、その人はカンカンに怒っているってわけです。抱え込んで溜め込んでしまうタイプです。実習生に問題があるのも確かですが、受入れたからには、現場仕事をやらせるだけでなく、わかるまでしっかり教えようとする姿勢が大切です。

現場の課長クラスでこの手の人が多いです。

「実習生の世話をするのが面倒、日本語が通じないから嫌だ。どうして社長は実習生を受入れているんだ…」

心の中では非難轟々でしょう。
ただし、会社は組織ですので受入れた以上は、上手く活用していくしかありません。社長さんもいきなり現場にぶち込むのではなく、実習生とはどんな人達で、どう接したら良いかを予め説明するなり、常日頃啓発していただけると助かります。

私ども監理団体の人間が現場の人に何度もこの手の話をしても、右耳から左耳へと抜けているかのように、記憶にとどまってくれません。ほんと、実習生受け入れ反対している人に説明しても聞いてくれないんですよね…。社長からガツッと言われるとすぐに聞いてくれるんですが。

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