ころころと外国人技能実習生の出身国を変える企業の特徴

2012年の夏くらいからですかね。当時、外国人技能実習生の圧倒的割合を占めていた中国人でしたが、尖閣諸島問題が浮上し日中関係が悪くなりました。これを潮に中国人実習生の受入人数が減り、それに取って代わったのがベトナムでした。中国から他国の実習生へとシフトしていった理由は、

  1. 当時の日中関係が非常に悪かったため
  2. 中国の労働者の賃金上昇、物価上昇
  3. 円安元高に向かっていったため

対日感情が悪化していたため、自分の子供が日本で実習するのに反対している親もいました。高いお金を派遣機関に支払って、中国国内よりやや多めの給与を稼ぐのはあまり旨味がない。国内でもそこそこ就職口がある…。状況でした。

このような状況下、多くの企業がベトナムに注目し実習生を受け入れました。
うちの団体でもベトナム人実習生を受け入れています。ただ、機械関係は全くありません。建築や農業など「中国の派遣機関が派遣したがらない職種」で受け入れがあるだけです。この企業さん達ちょいちょい受け入れ実習生の出身国を変えるんですよね。中国⇒ベトナム⇒中国。中国⇒ベトナム⇒インドネシア。

幾つかパターンがありますが、ちょっと問題が起こるとそれをすぐに「だから〇〇人はダメなんだ」という理由で変更したがります。

  • 日本語習得が遅い
  • 仕事ができない
  • 私生活でのトラブル
  • 失踪した

これらの事象の理由をすべて「○●人だから」という理由で一刀両断してしまうんですよね。中には出来る実習生もいるのですが、社長以下社員たちも彼らを色眼鏡でみますので実習生と社員の間に歪ができたまま。どんなタイプの企業(社長)がコロコロと出身国を変えるのでしょうか。
社風や社長の人間性により異なりますが、経験上下記のような企業が多いですね。

  1. 有限会社等の小規模な会社のワンマン社長
  2. 従業員3名程度。父ちゃん社長、母ちゃん経理、親戚1名
  3. DQN建築社長、個人農家
  4. とにかくケチ。何かというと減給、家賃を値上げしようとする
  5. 暴言、暴力をふるう女性の技能実習生に暴力を振るう事業主
  6. 実習生個人個人のポテンシャル頼みで、実習生に対する現場での指導を一切行わない
  7. 割増賃金を払いたがらない
  8. 会社から現場までの移動時間は無給

管理能力もなく、外国人を使うと賃金が安くなると思って受け入れたけれど「日本語ができないぞ!一体どんな教育をしているんだ!」と喚く社長さんもいます。高校でもたいして勉強して来なかったばかりの人です。勉強があまり好きではない人が多いですね。いくら母国で3~6ヶ月日本語を勉強したと言ってもたかが知れています。日本語レベルの低さをネタに監理団体に値引きを迫ります。

値引きをすれば腹の虫がおさまるんでしょうね。

「ベトナム人はダメだからインドネシアにしろ!」

と始まります。

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実習生のポテンシャル頼みの会社

実習生への技術的な指導をしない。ちょっと感の良い実習生っていますよね。仕事をすぐに覚えたり、日本語の覚えも早い。要するに筋の良い人です。こういった実習生が入ってこないと、仕事にならない職場です。別に複雑な仕事ではないのですが、社員も社長も揃いも揃ってDQNなので仕事を教えません。身体で覚えろってことなんでしょうけど、外国人相手にそんなことしていては雑用覚えるのだって2年位かかるかもしれませんよ!

私自身2年ほど建築関係のアルバイトをしていたことがあります。モルタル練ったり、ブロック運んだり、穴掘って土や砂利を一輪車で運んだり。確かに誰もろくすっぽ教えてくれたことはありませんでした。このような環境で実習生が3年間頑張るのはまさに苦行です。

で、ポテンシャルのやや高い人が入ってくると彼を標準的な実習生と見なしています。彼未満の人については「使えない奴」という烙印を押して、冷たくあたるわけです。意地悪をしたり、暴言を吐いたり、時には暴力を振るったり。中国の派遣機関が送り出すのを嫌がるのも無理ありませんよね。ベトナムとか東南アジアはガンガン送り込んでいますけど。これも時間の問題で派遣を拒否するかもしれません。

上記のような特徴をもつ企業さんの実習生は、とにかく失踪が多いですね!
ベトナム人はよく失踪すると言われています。確かに彼らは集団意識が強く、いつもニコニコして従順かと思いきや、集団で失踪したり、何の計画性もなくふっと失踪することがあります。ただ、○●人だからというよりも、その企業に問題が有るんですよね。そんな企業で働いていたら、他の国の実習生だって逃げ出すでしょうし、そもそも日本人職員が居着かないから外国人を雇っているわけだし^^;

従業員が内部告発するような受入企業は危険!

 

会社から現場までの移動時間は無給

これも鳶とかに多いですね^^;日給4000円未満なんてことはザラです。
中国の派遣機関が送り出すのを最初に辞めた職種は鳶でした。これじゃあ逃げますって。これを指摘すると、

「馬鹿野郎!これは建築業界の常識!しきたりだ!」

と言われます。
でもねえ…これも日本の建築の衰退の要因の一つだと思うんですよね。ましてや稼ぐ意識が日本人より強い外国人実習生にとっては、手取りが少ないのは致命的です。実習の意味がありません。

技能実習生の残業時間を確保しなければ募集困難…でも、36協定特別条項越えの残業にも注意!

実習生の出身国、派遣機関、監理団体を変更すれば問題が解決するわけではありません。自社の体質を変えていくのは、ワンマン企業に置いては社長以外にいませんからね。

また、監理団体さんもまっとうな受入れを考えるのであれば、上記のような企業は避けるべきですね。たとえ監理費をもらっていても、実習生がちょっと問題を起こすと血相変えて団体職員を呼び寄せる社長。揚げ足をとって監理費を安くしようと手ぐすね引いて待っていますから…この手の企業は。

訪問するたびに時間と金を削られます。ホワイトとはいかないまでも、常識的な経営者、人間味のある経営者、不正行為を行わない企業とお付き合いしたいものですね。

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