それにしても建設業の実習生たちは失踪しますね。
うちの組合でも失踪者が出ております。契約違反もせず、法律上問題ないとは言え、一日の移動時間3,4時間が給与に含まれないとなったら、日給いくらですか?時給900円でも4,5時間働いて3600~4500円。これじゃあ逃げますって^^;
移動時間について指摘すると「建設業の伝統だ。俺達だってこれでやってきたんだから文句言うな!」ですからね。話になりません。
外国人労働者に頼らざる負えない状況は今後ますます進んでいくのに、日本のしきたりに無理やり合わせるだけでは限界があります。組合もただ監理費がほしいからと受け入れても、1年も経たずに逃げられてしまっては返って赤字になってしまいます。
「失踪したら心配だなあ」
うちのアホ担当者のいつもの独り言です。
まさに三流仕事人の発想。
- 三流の仕事は心配していたトラブルが起こる。
- 二流の仕事は予期せぬトラブルが起こる。
- 一流の仕事は何も起こらない。
失踪してから大慌て。
警察、入管への届け出をして受入企業に謝罪して。
企業から監理費を返せと言われて、あたふた。
中国人、ベトナム人と出身国を変更しても失踪は減らない。
「そ、それならカンボジアなんていかがでせうか^^;?」
なんて言うのが精一杯。
失踪対策なんてできやしません。
で、この本を購入してみました。
何かの参考になるだろうと。
う~ん…。内容は制度の概要、法律の抜粋が60%以上を占めています。監理団体の方にとっては新鮮に映らない内容だと思います。不法就労防止策についてもっと具体的な手法を載せてほしかった。
それでも、外国人技能実習生のトラブル事例、不法就労に関する記載はまあまあ役に立つのではないかと思いました。
建設業で外国人技能実習生を受け入れるのなら読むべし!
外国人技能実習生制度を全く知らない企業さんがこの本を読むのは大賛成です。
制度の概要は良くまとまっているし、建設業でありがちなトラブル事例、法令が抜粋されているので、ネットで調べるよりも分かりやすいです。情報が凝縮されているので、そこは良いのかなと思います。
これから建設業での受け入れを始める会社さん(外国人技能実習生制度を全く知らない人向け)は是非とも一読して頂きたい一冊。
特に、P55のトラブル事例と不法就労の防止です。
- 処遇をめぐる問題。賃金は平等だが、評価は公平ではない現状に憤る実習生。そのための事前対応策。
- OJTに不満を持つ高学歴実習生。
- 懲罰として手当を引くことは絶対にNG。
- コミュニケーションギャップ。以心伝心なんて期待しない。
不法就労に関しては、外国人技能実習でなくても、ニセのパスポートや在留カードで身分を偽り就職活動をしている外国人はたくさんいます。オーバーステイ、資格外の活動をしている外国人。不法就労とは何かを説明しています。
そんなの常識だと思われますが、意外と知らない経営者って多いんですよね。
- 不法就労者と知らずに雇っていた。
- 入社前の面接で在留カードやパスポートをチェックせずに採用してしまった。
人柄や経歴(これも嘘ばかり)だけを見て、良さそうだからと採用してしまうと、罰せられる可能性すらあるのです。罰則規定も載っているので、建設業に関わらず外国人を雇用しようと考えている経営者は頭に入れておくべき内容です。
ある日入管や警察が来て、〇〇さんはいらっしゃいますか?
外国人従業員の方と面接したいんですが?
と、黒いスーツを着た屈強な男たち数人がやってきたら…嫌ですよね。
まとめ
外国人技能実習生制度をコンパクトにまとめてあって分かりやすい。
建設業が外国人技能実習生を受け入れるに当たっての注意点、法律、ルールが記載されている。
不法就労に関する法令、定義が載っている。
何度も書いていますが、外国人技能実習生制度をご存じない建設業者にはオススメ。必読書である。