8月、うちの組合に対して外国人技能実習機構による定期検査が行われました。細かい指導を1つ、口頭での注意を1つ受けましたが、大きな問題もなく切り抜けました。
いや~…毎回毎回、機構の検査はヒヤヒヤものです。完璧にこなしたつもりでも、必ず死角を突いてくるんですよね。
今回の検査で実感したのは、監理団体が行う「定期監査報告」についてです。
監査報告書の様式は決まっております。
しかし、「監査実施概要」はあくまで参考様式であり、外国人技能実習機構への提出は不要です。
ついこの前まで私達もこの監査実施概要を使用していました。
しかし、この内容では非常に薄っぺらく、技能実習生、技能実習責任者及び技能実習指導員への質問内容が全く同じです。かさばるだけです。
中身を充実させることで、実習実施者の労働関連法の違反防止、トラブルの防止、問題点をいち早く見つけられるような「監査実施概要」に作り変えなければなりません。
うちの組合が作っているフォーマットをそのまま載せることはできませんが、追加した項目をピックアップしてみました。
1.労働基準監督署の調査
2.出入国在留管理庁の調査
3.技能実習責任者、技能実習指導員、生活指導員の変更の有無
4.役員変更の有無
5.特別教育、技能講習の有無
6.賃金の口座振込みに関する同意書
7.賃金の口座振込みに関する労使協定
8.賃金控除に関する労使協定
9.36協定
10.就業規則
11.有給休暇の管理簿
1.労働基準監督署の調査
2.出入国在留管理庁の調査
調査や検査があったのに、実習実施者が監理団体に報告しなかったケースが、過去にありました。特に労働基準監督署からの是正指導、是正勧告については、技能実習機構に報告する必要があります。是正指導等の内容が、技能実習生に係ること、かつ監理団体として把握していない問題であったら、すぐに臨時監査を行い報告します。※是正指導や勧告の内容について、すでに臨時監査等で報告済みであればその必要はありません。
外国人技能実習機構の検査を受けたのに、うちの組合に報告がなかったケースもありました^^;機構の検査があったかも確認した方がよいですね。
3.技能実習責任者、技能実習指導員、生活指導員の変更の有無
4.役員変更の有無
3.4.の変更は軽微変更届が必要です。監理団体が知らない間に責任者らが辞めていた…なんてことはよくあることです。監査の時は必ず確認しましょう。特に、役員の変更などは、実習実施者の担当者にとっては雲の上の話ということもあります。それ故に、毎度確認するようにしましょう。
5.特別教育、技能講習の有無
特に多いのが建築ですね。掘削機械の外部講習等。玉掛けの外部講習、他にはアーク溶接、グラインダーの特別教育。そもそも監査というか、入国前に企業に必要な取得資格を確認し、配属後すぐに取得するよう促すことが大事です。
6.賃金の口座振込みに関する同意書
7.賃金の口座振込みに関する労使協定
8.賃金控除に関する労使協定
9.36協定
10.就業規則
6.の賃金の口座振込に関する同意書は、企業と技能実習生個人が結ぶものです。
7.及び8.の賃金の口座振込に関する労使協定及び賃金控除に関する労使協定は、技能実習生個人ではなく社員代表が結びます。この2つの協定を技能実習生一人ひとりに結ばせている企業が過去ありました。結ぶ必要はありません。
9.の三六協定は、時間外労働時間の確認45時間(42時間)を超えていないか。80時間を超えていないかを確認します。企業の特別条項が90時間であっても、技能実習生に80時間以上の残業をさせるのは違反になりますので、特別条項が90時間であろうと100時間であろうと、技能実習生は80時間未満に抑えてください。
零細企業ですと就業規則すらないところがあります。社内でトラブルが起こった際、規則に則り対応しなければならないことがありますので、なければ作らせてください。
11.有給休暇の管理簿
「有給休暇の管理簿」は義務化されて数年が経ちましたが、まだまだ知らない企業はあります。監査時に有無の確認と周知徹底をしていきましょう。