実習実施機関(受入企業)に中国人職員が在籍しているメリットとデメリット

 

中国人実習生の管理と言っても、監理団体は多くの企業を監理していますし、巡回は月に1回、その他の事務仕事もあるため同じ企業を月に2回以上回るのはしんどいです。事務所から受入企業の距離が近ければ時間もコストもかからないので可能ですが…大抵は遠方ですね。

四六時中管理をするのは企業さんです。生活指導員、現場の技能指導員。現場で仕事を教えるのは大変ですが、彼らも少しずつ日本語を覚え、先輩から通訳してもらったりしているうちに仕事を覚えていきます。むしろ生活指導員の方が大変です。社員(実習生含む)に関する事務仕事、実習生の宿舎の管理(水道光熱費から部屋の修繕まで)、休暇中にトラブルがあると気も休まりません。彼らと仕事以外のことを話さなければならない場面が多く、実習生の日本語レベルが低いとコミュニケーションに大きな支障がでます。実習生たちは、仕事の話はできても日常会話レベルが低いですから。

そこで、企業としては中国語を話せるスタッフがいてくれると心強いです。
日本人で中国語を話す人は、在日中国人よりも少ないですし、企業としても中国語のネイティブを雇用した方が安心なのでしょう。

監理団体にとって受入企業さんに実習生の母国語を話せるスタッフ(中国人、ベトナム人等)が在籍しているとどんなメリット、デメリットがあるのでしょうか。スタッフの方の性格や人事のポジションによって異なりますが、今回もあくまで私の経験(中国人実習生)を元に書いてみたいと思います。

 

メリット

生活面、仕事面でのトラブルが未然に抑えられる。
常に実習生のそばにいるので、実習生がどんな不満を持っているのか、どんな問題を抱えているのかがすぐにわかります。また実習生たちが母国語で相談できるのが何よりのメリットです。

「俺の残業時間はどうしてあいつよりも少ないんだ?」
「俺にも夜勤をやらせろ」

企業、現場の状況をよくわかっていますから、上記の質問にも上手く答えてくれるし彼らも納得します。

実習生たちは日本で稼いだお金を本国にいる家族へ送金します。
先輩たちがいれば難なくできますが、初めて国際送金する人たちは不安でいっぱいですし、やり方もわかりません。
ゴミの分別は予め勉強していますが、地域によって分別方法が若干違います。極稀にですが地域住民からクレームが来ます。
マイナンバーカードや年末調整の手続きなどの事務処理の通訳。

母国語を理解できるスタッフがいないとこれらの問題はだいたい解決してくれるので助かります。
ただ、それほど大きな問題でもなく面倒だけれども、私ができないことではありません。何より入国前に色々な約束事をしていますし、配属後も口を酸っぱくして同じことを繰り返し伝えています。受入企業のスタッフの対応に期待を持ちすぎるのは禁物です。手伝ってくれればラッキーという感覚でいてください。何事も自分で処理をして行く気持ちは忘れないで下さい。

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デメリット

実習生が同国人スタッフのいうことしか聞かない

「監理団体の人間なんてどうせ1ヶ月に1度しか来ない」色々口うるさく言うわりには何もしてくれないじゃないか…。と、思い込んでしまう実習生達も中にはいます。スタッフの人間性にもよりますが、監理団体を軽んじる人もいらっしゃいます。

 

遵法精神が希薄?

例えば、36協定の特別条項についてオーバーしてしまう。残業を減らして欲しい。労基のチェックも厳しくなっている…と、伝えてもそんなのお構い無しでさせてしまうケースがあります。

企業のスタッフ、実習生たちにも残業を控えるよう言いますが、「だってうちの●さん(中国人)は残業しても良いって言ってたよ。少しくらいオーバーしても構わないって」と言われたこともあります。まあ・・・こういうのもあれですが、いくら在日年数が多くても遵法精神は希薄です。所詮は母国ではない、腰掛け程度、将来的には中国へ帰るという気構えなのか、法律云々の話をしてもまともに取り合ってくれない人が多いです。

 

監理費を叩いてくる。値段の交渉、派遣機関を指定してくる

彼らの役割は通訳、生活面でのサポートが主なのですが、中には人事や総務の仕事に介入してくる人がいます。値段の交渉の権限が無いにもかかわらず「俺が面倒見ているんだから、その分監理費を安くしろ」とかね。こういった話はスルーするようにしていますが、あまりにもしつこいようだったら丁重に断り、割引できない理由を伝えましょう。

派遣機関の選定は慎重に。どんな派遣機関がおすすめですか?

そうすると、「実は今後実習生の受入を拡大していく。現在は毎年3名だけど、毎年10名受け入れるようにする」などなど…。眉唾です^^そもそもそんな受け入れられるスペックじゃないのに。こういったことを平気で言ってくる人が多いので、いちいち期待しないように。

派遣機関を指定した中国人担当者がいました。
彼は山東人で、現在実習しているのは吉林省の人間です。「同郷の人たちの方が管理しやすいから」というありがちな理由で変更を迫ってきます。別にそんなこと無いんですけどね^^;江蘇省と山東省なら話はわかりますが…東北地方と山東省ならそこまで大きな隔たりはありません。

それはあくまでも建前の理由。本当は自分にマージンをくれる派遣機関を探しだしただけです。ちょうどいい小遣い稼ぎですよね。あまりにも強いプッシュだったため、そのスタッフの上司(実習生担当窓口)に話したところ、「まあ、そういうことはあるかもしれないけど、管理しやすいのなら…聞いてあげてよ」とのこと。

ダメダメだあ…。

結局そのへんちくりんな派遣機関を利用。案の定スタッフのレベルは低い。実習生の候補者たちのレベルが低く、果たしてこれから日本に行くにあたって様々な約束事をきちんと理解できるのか…と不安になりました。その不安は的中。残業だ夜勤だと騒ぎ始め、入国前にあれだけ注意したけれど、件の中国人職員が「残業たんまりやらせてあげるから」と口約束。

火消しに回ったのは結局私ですからね。
しかも、そのスタッフは「細々したことは全部自分がやりますから」と言っておきながら、生活面でのサポートはほとんどしない。全部こちらに丸投げです。その方の上司も彼に対しては非常に甘く何故か強く言えない…。

中国人職員を雇用している企業の…彼らに対する信頼度ってどうして高いんですかね^^;?
日本人スタッフのそれよりも高い気がします。確かに日本人だらけの会社で頑張るのは大変ですし、何より中国人職員1人だけとなると、贔屓目に見たり、過大評価したり、やたらと信頼したり。

任せっきりにすると何をするのかわからない人たちですから…まあ、これ以上書くと批判になってしまうので控えます。

メリットが大きいかデメリットが大きいか…。その人の人間性によるところが多いのが実情です。とにかく、企業に実習生と同国人が居るからといって安心したり、仕事を任せっきりにしないことです。

実習生選抜のミスマッチをなくせっ!まともな派遣機関を選び募集条件を明確に。筆記試験もやりましょう

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