労働関連法に関しては素人に毛が生えた程度の才谷大五郎です。
技能実習生の生活担当者が、人事総務の方でしたら労働法等に詳しい場合もありますが、必ずしも詳しい訳ではありません。
36協定、特別条項について全く知らない。「残業をやらせすぎるのはいけないの?」などという方もいらっしゃいます。
私もどちらかと言うと無知ですが…、技能実習生を管理していく上で雇用条件通知書の説明は必要です。なので、実習生や企業の担当者から質問される程度の内容についてはカバーしているつもりです。
実習生とのトラブル回避術!外国人技能実習生と採用時に実習生活での約束事を決めておけ!
残業は多すぎてはダメ!
時間外労働に関する協定届では特別条項として、1ヶ月42時間以上の残業が認められています。もちろん、労使の協議を経て、1ヶ月○十時間(ここでは80時間としましょう)、1年何百時間までにこれを延長することができる…と書いてあります。
残業の延長は年に6回までです。
きちんとした理由があれば、年に6ヶ月は42時間以上80時間以下の残業をしても良いということです。ざっくり言うと。
企業さんに対する監査を行う時、実習生の賃金台帳等を確認します。
その際に残業時間も確認し、42時間以上80時間以下であることも確認します。この時、
「ああ、この実習生は今年3回42時間を超えていますね。もう少し残業を控えて下さい」
なんて偉そうに言っちゃっているのですが^^;
そもそも1年に6回っていつからいつまでなの?
私が気になったことは2点ありました。
1.「年6回」って何月から何月までが範囲なのか?
これがわかりませんでした。特別条項の「年6回」の残業時間。
- 単純にその年の1月~12月までなのか?
- 一般的な4月~3月までの年度なのか?
- 企業が決算をする年度なのか?。例)3月始まり翌年の2月が〆となっている企業とか
- 36協定を労基署に提出した日から始まるのか?
考えてもしょうが無いので暇そうな地方の労基署に電話をかけて確認しました^^;
大きな都市の労基署ですと、受付番号が自動音声になっていて待たされるので、何か知りたいことがあったら小さな地方都市の労基署が良いです。
結論は4.協定書を労基署に提出した月から換算します。
ということは…1月始まりってことではない!
慌てて担当企業の協定書を見なおしてみると、幸いにも12月、1月に提出済みでした…。ふう~一安心。
そのため、5月に提出したら5月から1年間ってことです。
で、気になったのが…。昨年は3月に提出したのに、今年は5月に提出した場合、約2ヶ月の空白期間があります。その場合、提出が遅れたということで労基署から何か注意や指導を受けるのか?と聞いてみました。
労基署の人「いや。別に指導や注意なんてしませんよ。御存知の通り、労基署は忙しいし膨大な仕事量を抱えておりますから、いちいちその程度で注意なんてしません。ただ、もし未提出の期間に長時間労働をさせていることが分かったら指導はさせていだきます」
私「では、協定を結んでいない空白期間に残業なんて持っての他ですね!」
「ええ。まあ、原則はそうなんですが。先ほど言ったようにとにかく労基署はしこたま案件を抱えておりますから。もしバレたとしてもすぐにアクションは起こさないでしょうね。もし、空白期間中に残業をやらせていて、大きな労働災害が起こった時などは『この期間は協定届を出していませんね』と指導させて頂きますけど」
なるほど…何か大きなことが起こってからペナルティを取りに行く感じですね。忙しくてかまってられない。何か起こるまでは泳がせておく…みたいな。
2016-2017年版 図解わかる労働基準法
2.『年6回』は労働者個人個人
私が以前分からなかったこと…今では笑ってしまうほど当たり前で多くの人はすでにご存知のはずなのでスルーして下さい。
ある企業で実習生のAさん、Bさん、Cさんと居て、この内の一人、もしくは日本人スタッフが一人でも「年6回」の42時間を超える残業をしたら、その年はこの企業が残業できなくなると思っていました^^;
そうではありません。
- Aさんは今年42時間○時間以下の残業が2回(ヶ月)あった。
- Bさんは今年42時間○時間以下の残業が3回(ヶ月)あった。
- Cさんは今年6回あった。
Cさん以外はまだ残業できます。
この仕事を始めた当時は、個人単位ではなく企業単位で残業はダメだと思っていました。
労働関連法に関する疑問点があったら労基署に聞く。
入管法でわからないことがあったら入管、JITCOに聞く。
組合の人間に聞くのもいいですけど、知識の個人差があり過ぎるし、やはり専門家に聞いた方が信頼できます。