先日、巡回を行っていたら、企業担当者より「外国人技能実習生からセクハラを受けている」という報告がありました。
China人技能実習生男性です。
「彼らがセクハラ?ありえない!」
と、すぐに思いなおして担当者の話を伺ってみると、はは~ん、なるほどと思いました。
- 挨拶の時に肩を叩いてくる。
- 腕を組んでくる。
- 背中を叩いて振り向いた瞬間にほっぺに指をさす。
触られた女性たちは40代以上のパートさんたちです。方や実習生たちは20代前半の若者たち。むむむ…。微妙な年の差ですが、確かに日本的な価値観でいうとセクハラに該当しますね。
セクハラの定義は非常に難しく、同じことをされても触ってきた相手によって反応が違います。例えば、福山雅治からシモネタを振られたり、「オッス!」と言われてほっぺたを突かれてもセクハラだと感じる人はほとんどいないでしょう。逆に出川哲朗やジミー大西に同じことをされたら、セクハラだと感じるのではないでしょうか。
まあ、うちの実習生は福山でも出川でもないのですが…。
China人は日本人と比べてスキンシップが激しいので、ちょっと戸惑うのも無理はありません。私がChinaに滞在していたとき、男女問わず上記3点のスキンシップがありました。初めは慣れずに、異性から腕を組まれたりすると「この娘ひょっとして…?」なんて初な19歳の頃は感じましたよ。
でも、これで誤解してしまうのはご法度。最近は多少減ったかもしれませんが、10数年前までは若いChina娘と日本の中高年男性が結婚するケースが目立っておりました。国際結婚斡旋等で知り合った場合は別として、China駐在中に若い娘と知り合ってゴールイン。ゴールかと思ったら地獄の始まりだったと言うケースは腐るほどありますね。
彼らの肩を持つわけではありませんが、セクハラしようとか、触って得しようなどという下心はこれっぽっちもありません。ちょっと親しいと思った相手に対しては、このようなスキンシップをします。肩を寄せ合いながら話す、肩を組んだまま話をする。あちらでは当たり前です。
私は文化の違いについて現場の方数人とお話をしました。上記の話をしたところ、
「話はわかったけど、触られるのはあまり良い気がしない」
もちろんです。その後、実習生全員と面談して日本とChinaのスキンシップについて違いが有ることを説明しました。セクハラと言ってしまうとちょっと犯罪行為のように聞こえてしまいますし、彼らに与える刺激も大きい。
誤解を与えないようにスキンシップは控えるように伝えました。
China人のパーソナルスペースは非常に狭いです。
PCやスマホを一緒に見るときも思い切り体を寄せてきますし、顔も間近まで近づけてきます。
私の組合にもChina人女性のスタッフがおりますが、
「ちょっとこの画面見てくれる?」
と、頼まれて私が画面を見てみると、彼女が顔を思い切り私のそばに近づけてきます。ほとんどの女性がそうです。別に誘っているとか、気があるからではありません。習慣なんです。もともと距離が近いだけです。
混乱を避けるためにも、入国前、配属前に技能実習生たちに対して日本人のパーソナルスペースやスキンシップについて予め説明しておくこと。
企業のスタッフにも彼らのスキンシップについて説明しておくべきです。