よくある事例ですね。
技能実習生が失踪。
失踪した後は、宿舎に遺留物がないか確認、他の実習生から聞き取りを行い失踪先の情報がないか等を調べます。その後は警察に行方不明届を提出。
技能実習生からなんの連絡もなく、３日、１週間と時間が過ぎていきます。
失踪者を解雇すべきか？と、企業さんから質問をされることがあります。
本来であれば、
消息不明となりいくら無断欠勤を繰り返していたとしても、相手に解雇通知を出さなければなりません。
解雇の意志表示は相手方に必ず伝えなければなりません。伝えなければ有効ではありません。
解雇通知を実習生の本国にいる家族に送付したとしても、家族も行き先を知らないケースが大半です。
しかし、知っているのに知らないふりをしているのがほとんどですが、知らないと言われた以上、解雇の意思表示が本人に到達していないと考えざるをえません。
建築系や農業、その他コンプライアンス無視のDQN企業であれば「逃げた実習生なんて知らねえよ」で済むのですが、普通の企業であれば然るべき手続きを取るはずです。
相手に解雇の意志表示を伝えるためには官報に掲載しないといけませんが、そこはあまり現実的ではないので割愛します。
失踪して解雇通知を出さなくても良い方法とは？
技能実習生の失踪や日本人職員やバイトの「ばっくれ」に備えて就業規則に…
「社員が行方不明となり、一ヶ月以上連絡が取れず、会社に出勤しない場合には、退職扱いとする」
と予め規定しておくと良いでしょう。
このような規定は有効かといいますと、有効です。
豊田自動織機製作所事件（https://www.zenkiren.com/Portals/0/html/jinji/hannrei/shoshi/00420.html）
で「事故欠勤で１ヶ月以上で特別な理由が認められない場合は自然退職なる」という判例があるので、就業規則の規定は有効と言えます。
