「仲介者」と聞くとブローカーと比べてやや柔らかな感じがします。「紹介者」と聞くと更に耳障りが悪くなく、お金の臭いが大分薄まりますね。
ブローカーの存在は断固否定しておりますが、仕事をしているとどうしても「紹介者」は必要であると感じることが多々あります。それは、外国人技能実習事業を運営してく上で顧客開拓(組合で言うところの組合員である企業を増やす)は、他の商売と比べて営業がし辛いのです。
営業するのにNGな表現が多すぎるからです。
- 最低賃金で働いてくれますよ!
- 残業、夜勤を好んでしてくれますよ!
- 人手不足を補えますよ!
こんな表現を用いたパンフレットやダイレクトメールを企業に送って販促活動をしたら、完全にアウトです。販促のためには、
- 途上国のために技術を移転する。
- 海外人材の育成
- 日本と途上国の架け橋に
など、最後まで読みたいと思わない、読んでいると眠気を催すような内容しか書けないのです。
そのため、「紹介者」が必要になってきます。
私は技能実習生の受入を拡大していくのであれば、紹介者の存在は必要悪だと考えます。
この紹介者というのは、専業でブローカー稼業をしているのではなく、実際に技能実習生を受け入れている企業の社長や幹部、担当者のことです。ここでは彼らを善意の紹介者とします。この事業では負の人脈ではなく正の人脈を作って拡大していくことが一番安全だと実感しております。
人脈の作り方についてはこちらの本が参考になります。一般書店では販売されていない書籍で、内容も非常に濃いのでぜひお手元に置いてください。
「うちの技能実習生評判が良いからさ、取引先に紹介して上げたよ」
結果的にご紹介いただき、そのお取引先と契約を結ぶことができた…。あるいは自分の同級生の父親が製造業を営んでいて、同級生の伝手で受入が決まった…なんてことはよくあることです。
彼らに対して幾ばくかの報酬を与えたい。謝礼をお渡ししたいと思うのは当然でしょう。
- 法律に則った受入をしている。
- 技能実習生の報酬が良い。
- 家賃、光熱費等が適正である。
- 企業モラルが高い。
- 企業が技能実習制度を理解している。
このような企業であればWin-Winの関係になれるでしょうし、他の企業の見本となれるような受入であれば批判もないでしょう。
紹介者に関しても、見返りを求めない、ブローカー専業ではない、善意であれば、彼らに報酬を渡しても良いと思います。
こうした善意の紹介者を多く作っていくことが、この業界で生き残る一つの方法です。
もちろん、企業を選定する目がないと、組合と組合傘下の企業を地獄へと導くような不良企業と契約させられる羽目に陥りますので、十分注意してください。
紹介者への報酬をどうするか?
報酬に関しては、現金よりも金券、アミューズメントパークの入場券、物品が良いと思います。
もらって一番嬉しいのは現金ですが、受け取った方はどうしても計算してしまうし、商売になるかも?と思ってしまうんですね。
「10人受け入れて、10万円もらった。一人あたり1万円か」
また、多額の謝礼を渡すのもよくありません。10人入れて50万円渡したとしましょう。相手は間違いなくこれは商売になる!と思ってしまいます。今後紹介してくれたとしても、前回以上の報酬を求めるでしょうし、天秤にかけられて他の組合に話を持っていくかもしれません。
こうした事を防ぐためにも、金券等が良いと思います。
金券等のメリットは、紹介者が自分の知人におすそ分けできる(紹介者の知人、友人にお祝いごとがあった時に使える)ことです。ディズニーランドのチケットでも良いでしょう。
あくまで感謝の気持ちを伝えるだけにとどめるためにも、現金以外の報酬が望ましいです。
技能実習生の受け入れ企業を増やすためには販促が必要不可欠です。
でも、制度上思い切った販促ができないために、安易にブローカーの力に頼るのは絶対にいけません。自分の人脈をフルに生かして、営業をかける、紹介者を探すのは良いでしょう。また、このブログですが、自分の経験に基づいてダイレクトメールを活かした外国人技能実習生の受け入れ販促の手法を紹介しておりますので、こちらもご参考ください。
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