「質の悪い実習生ばかりがウチに来るんだよ」
「仕事ができない」
「日本語を勉強してくれない」
「専門外の職種のやつ連れて来てどーすんだっ!」
「会社の規則を守らない」
などなど…監理団体の変更または派遣機関を変更したいと思っている実習実施機関(企業さん)は、大体上記と似たような問題を抱え、ご相談されます。
話を聞くとミスマッチや入国前にきちんと約束事を決めていないんですね。
選抜をするにあたり、まずは派遣機関に労働条件等をきちんと伝え募集をかけてもらいます。この際、
- 労働環境(夏は熱いし、冬は寒い。
工場内は〇〇℃に達する。重いものを持つ。クレーンを使用する等)を明確に伝えます。
- 経験者を募集する場合、どんな職歴、経験を有する者を希望しているかを明確に伝える。
溶接の場合、厚板か薄板か。橋梁関係、造船関係か。
機械加工ならNC経験者か。技術学校で勉強した程度で良いのか等。
- 労働条件の通知
これは当然ですが、「残業は毎月50時間以上あります」wなんて煽るのはダメです!残業時間については全く保証できませんし、募集の際に書いてしまうと、期待を持たせてしまい、実際に残業時間が月に30時間あったとしても「話が違うっ!」と騒ぎ立てる輩がいるので、残業時間を書くのはお勧めできません。
「でも、うちの地域は最低賃金が低いから。どうしても残業時間をアピールしたい」
そうですね…じゃあ、賃金アップしてください。
と、言ってしまうのは簡単なのですが事情もあるだろうし元も子もありません。
仮に平均月に30時間の残業時間があったとしても、そのまま30時間と書くのはあまりよろしくありませんし、少なかった場合上記のような文句を垂れるかもしれないので、20時間以下で伝えておけばよろしいのではないでしょうか。
「20時間を下回ることがあったら?」
そしたら揉めるかもしれません^^;
残業時間をアピールすることはリスクがあるんですよ。ここはわかっていただきたいです。
- その他希望年齢、性別等
ひどい派遣機関ですと、専門外の職種の経歴を持つ人達を呼んできます。
以前、溶接で募集したところ、集まってきたのは縫製工、建築工、食品工場でのライン作業、電子機器の組立…過去に少しでも溶接経験があればまだしも、溶接経験ゼロの人間が10人中6人。これでは10択ではなく4択です。
なぜこのような暴挙を…。
企業担当者さんが選抜に立ち会わないと知っての所業。
基本的に企業担当者さんに私が同行して選抜をするのですが、この時は私一人。だから彼らもわかるまいと思って手を抜いたんですね。
「企業担当者さんは行かないけど、実技試験を行うように」
と、言いましたが中国側はなかなか首を縦に振らずいつまでもゴネ続けました。
材料がないだの、技術学校の予約が取れないなど…。それなら受け入れをやめると言ったらすぐに段取りしてくれました。
で、やらせてみたら私のような素人でもわかるくらいの汚さ。
試験前の履歴書の資料では「〇〇鋼鉄結構有限公司」なんて職歴が書いてありましたが、すべてウソ。面接で一人ひとり経験を聞くと溶接なんてしたこと無い人達ばかりでした。試験前に履歴書や口頭で「本当に溶接の経験者か?」と確認したところ、「全員経験者だ」という返答があったので、信じてしまいましたが…、クソみたいな派遣機関にやられましたね。これ以降使っていません。
こういう実務ができないクソ派遣期間に限って接待が手厚いんですよww
飲めや食えやで、食後は女を抱かせにカラオケやマッサージに無理やり連れて行く。実務をまともにやると疲れるので適当にやって、企業担当者や監理団体担当者を接待で骨抜きにして、これらを有耶無耶にしてしまう…。仕事のできない派遣機関にありがちな行為です。
選抜の仕方(筆記試験)
- 筆記テスト
筆記テストを行います。簡単な算数、クレペリン検査を行うと良いでしょう。
フライス、旋盤作業などでは数学的知識も必要ですし、簡単な算数計算ができるかどうかをチェックしておくことも大事です。小数点、分数、ルート、1次方程式、2次方程式を出題させています。
クレペリン検査は性格や仕事の早さをある程度見極められますし、参考になります。
- 試験中の態度
中国人実習生においては、小中高校生の頃、真面目に勉強している人ってそれほど多くありません。そのため、試験の成績が悪かったり、勉強に対しての集中力があまりありません。時々いるのが、試験中にギブアップしてしまう人。算数の問題が難しくて、1問も解かずに「もうできません」とタップアウト。
よそ見を見たり、携帯電話の電源を切っていなかったり、舌打ちをしながらテストを受ける人は要注意です。試験の合否は面接の結果によるところが多いですが、試験中の態度も減点対象にしても良いでしょう。
- 技術試験
溶接。フライス、旋盤などの機械加工に関しては実技試験を行うようにしましょう。
履歴書、面接で「いくら経験があります」とあっても実際に開先溶接をさせたら、溶接した部分がぐちゃぐちゃ、完全にド素人…の有様だとわかります。
技術試験に取り組んでいる姿をチェックするのも大事です。この辺りは試験に来ている企業担当者さんに見極めてもらいましょう。
技術試験の段取りはきちんとしておきましょう!
基本的にこれらの段取りは派遣機関に丸投げなのですが、常に監理団体が目を光らせておきましょう。派遣機関の担当者の多くは日本語はそれなりにできます。かなり上手な方もいらっしゃいます。
しかし、
日本語の上手さ=仕事ができるわけではありません。
日本語が上手でこちらの言うことをきちんと聞いてもらえている。
言ったことはわかってもらえただろうとついつい思ってしまうんですね。日本語で話していますから、日本人と話している気分になってしまう。
しかし、手を抜いたり、詰めが甘かったりすることが多々ありますので、段取りについてはしつこいくらいに確認して下さい。
- 試験会場の予約
- 鉄板などの材料は揃っているか
- 材料の規格、サイズはこちらが要求したものと同じか
- 試験に使う機械の調子は問題ないか
いくらやっても、当日になると機械3台を同時に動かすはずだったのに、1台壊れているので2台しか使えないとか…ってことがあるんです。
長くなったので面接については次回以降ということで…。
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