組合員が企業を巡回するときのチェックリスト参考例 マニュアルを作ろう!

企業巡回時に何をしていいのかわからない。
受入れた当時は色々と話すこと、やることがあったけど、慣れてくるとチェックが甘くなってくる。担当者独自のやり方で巡回をしてしまい、企業に変に遠慮してしまいチェック漏れが発生することもあります。三月に一度の監査のようにやるべき項目を予め決めておき、組合職員の間でお互いにチェックをするように務めましょう。



巡回チェック項目

  1. 租税条約締結国出身者がいる場合、租税条約を結んでいるか。
  2. 技能実習の場所が変わっていないか。
  3. 技能実習記録は規定通りに書かれているか。現場責任者、実習指導員に変更はないか。
  4. 実習生の勤務態度に問題はないか。
  5. 企業担当者から実習生へ連絡事項はないか。
  6. 日本人職員と会話をしているか。
  7. 企業から実習生に不満はないか。
  8. 実習生から直接不平不満を言われたか。
  9. 実習生たちが理由もなく遅刻、早退、サボりなどをしていないか。
  10. 挨拶をきちんとしているか。

日本語の学習意欲

  1. 宿題をきちんとやっているか。
  2. 日本人職員に日本語について質問したりしているか。
  3. 日本語検定試験の準備をしているか。
  4. 巡回時に日本語で話しかけてくるか。
  5. 日本語は上達しているか。
  6. 自治体などの日本語教室に通っているか(受講については事前に企業の許可をもらっておく)

生活面での指導

  1. 仲違い、実習生同士の関係がギクシャクしていないか
  2. 夜更かししている人はいないか。夜遅くまでネットサーフィン、オンラインゲームをして翌日の勤務に影響が出るのはNG。
  3. 仲間はずれになっている人はいないか。
  4. 地域の行事に実習生が参加できないか。参加できるようであれば参加するよう促す。
  5. 近隣住民とのトラブルがないか。苦情はないか。
  6. 近隣住民ときちんと挨拶をしているか。
  7. ゴミの分別はできているか。
  8. 宿舎内は清潔、整理整頓が行き届いているか
  9. 異臭、悪臭はしていないか。
  10. 女性の実習生の場合、下着を外に干さないように指導する。下着泥棒に気をつけるよう指導しておく。
  11. 不審者、マナーの悪い近隣住民から嫌な目に合わされていないか。
  12. 電気、ガス、水道の無駄遣いをしていないか。
  13. キャッシュカード、預金通帳、在留カード、パスポートを自分で監理しているか。
  14. 宗教(邪教)を信じていないか。
  15. 他社の実習生を勝手に宿舎に入れていないか。宿泊させていないか。
  16. 頻繁に異性の従業員、友人や恋人を宿舎に入れて同室の者に迷惑をかけていないか。
  17. 外泊、外出する際に届けを会社に出しているか。
  18. 門限を守っているか。
  19. 寂しいことはないか。母国にいる家族と連絡をきちんととっているか。
  20. ホームシックにかかっていないか。
  21. 家族は健康化。
  22. 食欲はあるか。
  23. 夜よく眠れているか。
  24. 掃除を当番制で行っているか。
  25. 布団は干しているか。

宗教の勧誘については注意が必要です。某宗教(海外の邪教)を熱心に信じてしまい、挙句の果てに失踪してしまった実習生がいました。エホバの証人、創価学会、統一教会、ものみの塔など…が実習生の宿舎にやってきて勧誘することが時折あります。私は入国前、入国後にも「宗教の勧誘があっても相手にしないよう」注意はしています。そのため、実習生たちは「日本語わからない。いらない」と勧誘を断っていますが、これでは終わりません。中国語なりベトナム語なりの使い手を連れて再び訪問してきます!聖書の外国語版なども配布してくるし、随分しつこく勧誘してくる地域もあります。この手の宗教を信じてしまうとお金がかかりますからなあ…。



現場の確認

基本的に監査項目と同じで問題ありませんが、実習生が実習職種の必須作業、周辺作業、関連作業以外の仕事をやらされていないか、飛ばしがあるか等は毎月現場で確認すべきです。特にDQN企業においては順法精神が希薄なので、当たり前にやるべきことすら出来ていないこともままあります。

  1. 作業服、安全帽、安全靴などをきちんと着用しているか。
  2. 指導員からパワハラ、暴力を受けていないか。
  3. 指導員にゆとりがあるか。

せかせかしたり、大声を出しながらいっぱいいっぱいに鳴っている指導員はちょっと問題ありです。言葉の通じない実習生相手なので、面倒な仕事であることは確かでしょう。だからと言って、使えない社員や嫌われ者の社員を指導員にしてしまう経営者がいるのも確かです。問題がある場合、責任者に事情を伝えて変更すべきであることをやんわりと伝えましょう^^;

  1. 労災事故が発生していないか。
  2. 発生した場合、きちんと労災処理を行っているか。
  3. 玉掛、クレーン、溶接の資格を取得しているか。特別教育等を受けたか。
  4. 実習生のみでの残業、夜勤をさせていないか。

労災隠し!!労災保険で処理する件を健康保険で処理するDQN企業とその片棒担ぎをした監理団体

実習生の肉体面、精神面

  1. 実習に疲れすぎていないか。眠そう、疲労が顔に出ていないか。
  2. 総務、労務管理をしている指導員からも実習生の様子を確認する
  3. 指導員の指示に従うか。
  4. 仕事の内容を理解しているか。
  5. 残業、夜勤をさせろと迫って来ているか。
  6. 作業中に実習生同士、日本人職員と口論していないか。
  7. 私語が多いか。
  8. 会社の備品を勝手に使用していないか。
  9. 休憩中どのように過ごしているか。
  10. 最近態度が変わってきたことはないか。

企業担当者の口調一つでその企業における外国人技能実習生の地位がわかる

当たり前のことかもしれませんが、巡回に慣れてきたり、企業担当者との付き合いが長くなってくるとついつい疎かになることが多いです。その為、組合で巡回マニュアルを作成し、どの職員が巡回しても基本はぶれないようにしておくこと。仮に組合担当者が変更になってもすぐに引き継げるようにし、「担当が変わったから巡回内容が大幅に(悪い方に)変わったな」と企業担当者に思われることは避けるべきです。

組合の巡回基準を統一しておくことで、受入れ企業からの信頼度も上がります。

次回は実習生の宿舎を訪問した際のチェック項目です。


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