外国人技能実習生はお金のために来日しているので、残業・夜勤も積極的にやるのですが、有給休暇制度を悪用して、自分の意のままに休暇を取ろうとする輩もいます。
日本人にとって有給休暇とは病気の時に休んだり、家族の都合、冠婚葬祭などに使われることが多いです。ただ、これは意識としてであって本来は、疲れた心身を休ませるため。家族と一緒に旅行に行ったり、ゆっくり家で休むのも良し。欧米と比べると休暇のとり方が下手で、有休を使うと周りに迷惑をかけると考えてしまいがちです。
有給休暇は労働者の権利ではありますが、いつ休むかを決める権限は企業にあります。「10日休みたいんですけど」と言われても、「この日は忙しいので15日にしてくれない?」と言われればそれまで。もしその日に休みたければ、他の人に代わりに出てもらうなどの交渉が必要になってきます。
突然休む
「Aさん、頭痛い。今日休む」
同室のBさんが実習指導員に告げる。こっちはシフトを組んでいて、急に休まれても困る。製造工程に一人欠けてしまうと、補充しなければなりません。本来休暇の人に出勤をお願いするケースもあります。
- 頭痛い
- お腹痛い
- 風邪引いた
これらを理由に有給休暇をうまく使い切ろうという知恵がついてきます。受け入れ人数が少ないうちはこのような行動をとらないのですが、人数が増えてくると平気でするようになる輩が出てきます。人数=力と思い込んでいる中国人技能実習生に特に多いケースです。自分の都合で平気で休む。
上記3つの理由で当日いきなり休むのは大抵仮病です。行きたくないから、家でゲームをしたいからが主な理由です。一回二回なら本当かな?と思いますが、この手の輩は何度も同じことを繰り返します。当日休んでそれでいて1日分の給与が保証される…中国の企業だったらこんなケースはあり得ません。特に最下層の契約労働者に対しては、突然の解雇、不当解雇などまさに捨て駒のような扱いです。
一人二人がこのような形で有休(本来は欠勤扱いとしてもいいとり方)をすると、後輩たちが真似し始めます。半年勤務したら10日の有給休暇が付与されますが、それまでは有給休暇はありません。この間はよほどのことがない限り有休を使うことはありません。
有給休暇が付与されると手のひらを返したように濫用する。
対策
- 精勤賞、皆勤賞を与える
- 体調不良で休んだ場合、必ず医者に診てもらい、医療費の領収書等を提出してもらう。
本来、「今日頭痛いんで休みます」と休んだ場合、欠勤にしてやっても良いと思うのですが、企業によっては体調不良で休んでいるのに無碍に欠勤にできない事情もあります。そこをついてくるから悪用なんですよね。ですので、欠勤扱いにするのは効果的かもしれませんが、現実的ではありません。
医療費の領収書などを提出してもらう
本当に体調が悪いのなら、医者に診てもらうべきです。月に1,2回体調不良で休むということは自己管理が出来ていないことに加え、何らかの病気があるってことですよね。医者に行って治療してもらう必要があります。
医者に行かず一日休んで完全回復して翌日ガンガン残業しているっておかしいですよね。
彼らにとって治療費もさることながら、日本の医者にかかることがそもそもの大冒険。非常に面倒です。医者に行かず休んだ場合は欠勤扱いになるとなったら、医者に行くか、ズル休みしないで出勤するしかありません。当然、後者を選ぶ人が多いはずです。
精勤賞、皆勤賞の付与
企業さんには負担が増えてしまいますが、ズル休みまがいの有休を認め、1日あたり7000円以上の賃金を持っていかれるのは癪に障るでしょう。皆勤賞などを付与することで、逆にこういった損失を防ぐことができます。
私が監理している企業では「皆勤手当」を導入し、それ以降「ズル休み」が減りました。皆勤手当は6000円です。5000~10000円の間だと効果があります。3000円くらいだと効果はそれほど望めません。逆に高すぎると諸刃の剣になります⇒有給休暇を実習生に取らせない企業への対応
有給休暇の買い取りはどうか?
労働関連法によると有給休暇の買い取りは原則禁止です。違法…まではいかないのでしょうけど、うちの組合はおすすめしていません。以前監理していた企業で有給休暇の買い取りを行うことで、有給休暇を取りにくくさせていました。ところが、有休を買い取ってもらえると、本当に体調が悪く、病院に行くべき状態にもかかわらず頑張ってしまうケースが多く見られました。
実習生の有給休暇消化…有給休暇って買い取って上げても良いの?
就業中、あまりにも体調の悪そうな実習生を見かねて、
「午後は病院に行ってきなさい。有休になるから」
と、言われたので有休をとったのに、
「会社が休めと言ったから休んだんだっ!この分は有給休暇にカウントするな!」
無茶苦茶ですw説明してあげてすぐに訳の分からない要求(ダメ元要求)を引っ込めさせましたが、企業にとっては気分が悪い出来事です。有給休暇の買い取りは絶対におすすめしません。