外国人技能実習生が来日して1ヶ月の講習期間中に再指導する内容

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選考試験を通過した実習生たちへ様々な約束事や、実習生活での注意点を説明しています。
派遣国国内の教育期間中においても、同様に日本での実習について厳しく教育を受けていますが、来日して1ヶ月は日本語学習を行います。ここで改めて実習生活について指導しています。全部は書ききれないのでざっくりと、常に実習生達に言い聞かせていることを箇条書きにしてみたのでご参考程度に御覧ください^^;

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1.技能実習について

技能実習1号から2号に上がる際、不合格または企業の判断で不適切と判断された者の2号への移行はしない。

企業と労働契約を締結し遵守すること

都道府県別に最低賃金が規定されている。実習実施機関が同じでも工場によって賃金が違ってくる。他社と比較して待遇、給与に不服を申し立てないように。

 

職員とはきちんと挨拶すること

工場では大きな声であいさつすること、相手があいさつを返してくれなくても、あいさつを辞めないこと。いつもこちらからあいさつをすること。絶対にあいさつを忘れないように3年間挨拶をし続けること。

 

残業、夜勤について過剰な要求をしないこと

技能実習生の残業時間については、会社の繁忙、経営状態、個々の能力によって異なる。技能実習生の残業時間が減った。自分の残業時間が他人よりも少ないなどの理由で不服を申し立てない。

  • 例)残業は自分が希望して行うものではなく、会社からの指示・命令で行うものである。自分のラインは残業が少ないが、他のラインでは残業しているからといって、不平不満を訴えない。異議を唱えないこと。また、夜勤についても各部署の仕事量等によって異なる。

残業・夜勤については全て会社からの指示に従うこと。会社の人間に文句を言ったり、集団で抗議行動などはしないこと!!

 

年配者、先輩社員を敬う

年配者はもちろん、みなさんより若くても、職場、日本の生活においては全て皆さんにとって先輩である。まず、素直になって周りの人の話を聞き、従いやってみること。この気持ちを三年間持ち続けること!

 

日本の企業は給与、実習時間、休日がそれぞれ違う

「他社と比べて時給、日給が低い」と集団で企業に抗議などはしないこと。労働条件はすでに通知済みで、みなさんはこの条件を受入、納得し、署名し日本に来ております。

 

いい加減な受け答えをしないこと

わからないのに、「わかりました」「はい」と絶対に答えないこと!また、笑顔でごまかしたりしない。
いい加減な受け答えは事故につながる。誤解を生じ、作業に支障が出る。企業の自分に対する評価が下がる。わからないときは「わかりません」と正直に答える。

  • 実例)パン製造の実習生が、日本人職員の言葉が理解できなかったのに「わかりました」と返事をして、指示に無い商品をラインに流してしまった。そのラインの食材は全て廃棄。数十万円の損失となった。

5Sを常に意識して実習すること

作業場の後片付け、段取り、整理整頓ができないと事故につながる。周囲の人間が気を配るため、あなたと仕事することは非常に周囲の負担となる。自己管理できない人間は他人に管理されることを忘れないように。

  • 実例1)溶接実習生が工具をあたりに散乱させ、他の実習生が工具に躓き転倒。額を切る怪我を負い、3針縫った。
  • 実例2)溶接現場での出来事。扇風機の電源を切らずに扇風機を移動した際、指に怪我を負った。中指の第一関節が動かなくなり後遺障害となった。

 

2.日本語学習について

 

宿題、課題をこなすこと

宿題があることを説明。宿題をさぼらないこと。2年目、3年目に上がる際の判断材料となることを忘れないように。技能試験に受かれば即移行ではなく、日本語レベル、宿題の提出状況なども加味される。

カリキュラムを課す
カリキュラムを説明(作文、問題集、日本語検定習得について等)宿題の未提出、向上の見られない者は実習継続の再検討を行う。

技能実習生の日本語教育。配属後にも日本語学習を継続させよう!

なぜ日本語を学ぶ必要があるのかを説明

技能実習を継続していくうえで不可欠である。
技能移行試験では日本語の筆記問題もある。試験官が実習生と会話をし、日本語能力を確認するケースもある。

日本語は実習生活のライフラインである!

日本語ができないことで様々なトラブルが起こっている。 言葉がわからず指示を聞かなくなる自分の判断で行動し、事故を招く。

  • 例)指示された内容がわからなくて、欠陥のある製品が作られた。
    「どうせ言葉がわからないから」と判断され、仕事を任されず残業時間が減る。他の実習生は残業をしているのになぜ自分だけ少ないのかわからない。

言葉ができないため、人間関係に歪みができる。孤立する。
日本語学習を怠る者、またそれを拒む者は、実習を継続する資格が無いと思ってほしい。

日本人と日本語で積極的に交流する!

とくに日本人社員と交流すると実習が楽しくなる。わからないことが分かるようになる。悩みを聞いてもらえる。楽しいこと、面白いことを日本人社員と分かち合える。だから日本語を勉強し、日本人社員と交流しなさい。

 

 

3.生活面に関する注意事項

犯罪に関する説明

他人の物を盗まない。万引きは絶対にしてはならない。店の人にはわからないと思うのは大間違い。買い物客の服装をした警備員(女性)が、いつも店内を見回っている。必ず万引きは見つかる。そして、警察に捕まり、母国へ強制送還となる。

  • 放置してある自転車を拾うことは犯罪である。山林や田畑、家の庭に生えている野菜や果物を取ってはならない。
  • 池の中にいる魚を取らない。海・川の禁漁区域で魚を取って食べない。公園にいるカモやハト、蛇、犬猫を食べないこと。
  • 無断での外泊、遠出はしないこと。必ず生活指導員に相談、報告すること。
  • 技能実習生同士または日本人職員から金を貸し借りしない。かけごとをしない。

金銭トラブルは友情、人間関係を破壊する。円満な3年間を過ごすため絶対に金銭の貸し借りはしないように。

実例)実習生Aが実習生Bから借金をしていた。Aが急遽帰国したために、借金を返済してもらえなかった。

 

健康について

風邪や水虫、皮膚病などは自分で病院に行くこと、軽度の病では社員、組合の人間は同行しない。内臓疾患、重症、複雑な病状である場合のみ通訳を行う。

毎日を健康に過ごすため、食費は極端に切り詰めないこと。

実例)カップめんばかりを食べていた実習生が、皮膚病、栄養失調で作業中に倒れた者がいる。

 

身分証、貴重品の保管について

在留カードを毎日、出社、買い物を問わず外出時に必ず身につけていること。

例)不所持で外出し、警察に職質された際拘留された例がある。警察から会社に連絡が行き、大変な迷惑となる。生活態度が悪いと判断され、解雇された例がある。

パスポートは各自責任を持って保管すること。紛失した場合、再発行手数料とともに交通費、同行者の交通費を負担する。

 

戸締まり、防犯について

現金・通帳、その他貴重品は責任を持って保管すること。日本は比較的治安のいい国だが、置き引きなどがある。

実例1)アパートの鍵を閉めず外出。現金25万円、ノートパソコンなどが盗まれた。
実例2)食品の入った買い物袋をバス停に放置、数分後、戻ったらなくなっていた。

 

痴漢行為

痴漢行為は犯罪である。自分にその気がなくても、電車が揺れたりしてとっさに手が女性に当たっても痴漢と間違えられる。

 

アルバイト・内職の禁止

技能実習生の活動は制限されており、アルバイト、内職は禁止されている。
アルバイトは不正行為となり、即帰国となる。

  • 実例1)実習生が実習終了後(午後5時に終了)、農家で作物の選別、収穫作業を行っていた。監理団体と企業の担当者が現場を押さえ翌日強制帰国させた。
  • 実例2)内職していた。知人から紹介された内職をしていたのがバレた。
  • 実例3)企業が内職をさせていた。

※もし、企業が定時後に「内職」という扱いで作業をさせ、残業代を支払わないなどの問題があったらすぐに監理団体に報告すること。

 

4.宿舎生活、自己管理

火の元を確認すること。
ごみの分別、収集日を確認すること。

  • 実例1)ごみの分別の仕方、収集日がわからず、近隣住民から苦情があった。住民から企業にも苦情が行き、企業担当者が住民にお詫びをした。企業にも迷惑がかかる。

当番を決め整理整頓、清掃に努めること。特にトイレは念入りに清掃すること。巡回の時に掃除ができているか、整頓ができているかチェックする。

作業服は日々清潔なものを着用し、風呂・シャワーは毎日浴びるようにすること。

  • 例)山東省出身の女性実習生の体臭がきつく、現場職員から苦情があった。
    従業員から苦情が出たが、日本語がほとんど分からなかったため、険悪な雰囲気になった。

身なり、部屋の整頓・衛生を保つことによって自己管理能力が高まる。
自己管理能力が高まると職場での段取り、整頓ができるようになり、安全に作業を行うことができる。

 

自己管理

睡眠をきちんととること。
例)夜中までインターネット、ゲーム、映画鑑賞をしたため、翌日寝不足のまま出勤。仕事のミスも起こりやすく、怪我もしやすい。

 

5.帰国及び不正行為等による帰国

けがや病気等で実習継続が不可能となり、監理団体、企業が帰国と判断した場合はそれに従う。
生活態度、技能実習が不良の場合、企業もしくは監理団体の判断により中途帰国させる。その際、異議申し立てはしない。

受け入れ企業が日本政府から「不正行為」等の認定を受け、実習継続が不可能となった場合実習生は監理団体の指示に従う。再就職先の斡旋は行うようにするが、希望がかなわないこともあるので、その際は帰国となる。
企業が倒産し、あるいは倒産の恐れがある場合、技能実習生は監理団体を仲介として法律に従い処遇について話し合う。

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