入管から不信感を抱かれる実習生職種工業包装!入国申請しても入管から質問攻めに遭う

工業包装職種で実習生を受け入れていますかっ?
作業内容を見てみると、どの現場にもありそうな作業なのでハードルが低そうに見えますよね。しかし、工業包装職種の受け入れは、JITCO、入管ともに目を光らせている職種なのです。



商業包装と工業包装の違いとは?

ダイジェスト版に書いてあるとおりです。

工業包装作業は、物品を輸送、保管することを主目的として施す作業であり、内装及び外装作業をいう。
商業包装は、小売りを主とする商取引に、商品の一部として、又は商品をまとめて取り扱うために施す包装であり、個装にあたり、工業包装作業に該当しない。

参照元:http://www.jitco.or.jp/new_system/100122/pdf/d07-industrial-p-01.pdf

 

要は輸送に耐えうる梱包でなければならない。

ここの解釈が難しいのです。おまけに「段ボール箱による包装作業」なんて書いてあるものだから「おっ!この職種ならどこの企業でもいける!」なんて思ってしまう人が多いんですよね。木箱や鋼鉄製容器による包装はまさに工業包装という感じです。
定義に関してはJITCOに何度も確認しましたが、質問の度に回答が異なり、

「一体どれが本当なんだ!」

と、JITCO担当者に問い詰めたことがあります。

その結果、導き出された結論としては、

  1. 重量がそこそこあり、物品保護を目的とした包装。美観を目的とした包装ではない。
  2. 物品を保護するために固定、防湿、防水対策が施され、緩衝材をきちんと使用しているか。
  3. ダンボール箱包装は、箱に物品と緩衝材を入れる。
  4. 3.のダンボールをパレットに山積みにして崩れないよう固定、防水加工を施す。

一番ハードルが低そうなダンボール包装を小狡い企業や監理団体が狙ってきますので、JITCOの迎撃体制も大分整ってきたようです。

現場の写真、資材、製品、必須機器。
現場の実習生のサポート体制。三期の売上、純損益がどうなのか…。

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入管とのやりとり

これら以外にも、受け入れ経緯や理由を入管から問いつめられます。下記は私が入管あてに提出した作成書類の抜粋です。

入管からの第一報に対する回答

経緯

当方よりより上記企業へ技能実習生の受入に関するパンフレットを配布。



理由

上記企業が中国での事業展開を考えており、人的交流の面で技能実習生を採用し、将来の中国進出の際の足がかかりにしたいと考えていた。
平成〇〇年●月に当組合職員が訪問し、技能実習生制度について説明。
別添のとおり、中国の製造メーカーにおける商品の包装は日本に比べると安全性が低い。
日本で技能実習を通じ工業包装のノウハウを身につけてもらい、包装技術の底上げを行い物流面での安全性を高めたい。

これでは終わりませんでした。
続いてもっと詳しく書け!きちんと企業に説明したのか?という問い合わせの文書がやって来ましたので返報。

 

入管からの第二報への回答

受入経緯及び理由

  1. 中国メーカーの包装・梱包技術が日本に比べて低く、大都市以外は道路事情が悪い。そのため安全性の高い包装が求められ、技術移転が必要である。
  2. 日本の企業が技能実習生へ技能等の移転を図り、その国の経済発展を担う人材を育成できること、国際貢献に協力できることを当組合のパンフレットを通じて知り、上記企業の考えと当該制度の目的が合致していたので受入れを決定した。
  3. 医薬品メーカーで梱包を行っていた人たちを技能実習生として受け入れ、帰国後、派遣元企業に戻り日本で学んだ包装・梱包の技術を生かし中国全体の包装技術の底上げに貢献したい。

組合から企業への説明と対応

技能移転を目的として受け入れなければならない旨は十分説明した。

  1. 技能実習生は低賃金労働者ではないこと。
  2. 技能移転を行うにあたり、各業界・職種でどのような貢献につながるのかを認識した上で、受入を行っていかなければならない旨を説明。
  3. 企業側は中国全体の梱包・包装作業の向上を望んでおり、企業側の要望と技能実習生制度の内容・目的が合致していた。
  4. 職種に関しても現場を視察し、写真撮影・作業内容をまとめ、Jitco東京とも5回にわたりこの企業が受入企業としてふさわしいか相談をした。

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しかし、工業包装は…穴場の職種ではありません。
受け入れを希望する企業があるのに、適合する職種がないので一か八かにかけてみる。
ハードル低そうと思い込んで申請しても、JITCOは鵜の目鷹の目で申請書類を抉るように見つめてくるでしょう。無事、JITCO能力開発部のハードルを超えたとしても、入管からの問い合わせがきます。

入管の重箱の隅をつつくような質問、同じ質問内容なのに、角度を変えて何度も繰り返してきます。これらすべての質問に的確かつスピーディーに回答できないと、職種と作業が適合していても難癖をつけられることがあります。

工業包装の申請は慎重に!そして…無理はやめよう。


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