「み、みんな友達だぉ!!」
かつて日本人女性の職員がおりましたが、とにかく実習生とお友達になってしまえばトラブルが防げる、なんでも相談してくれる、喧嘩なんておこらない、言うことを聞いてくれる…と本気で思っていました。
技能実習生の財布が盗まれました。
周囲の状況、時間帯を考えると実習生Aがとても怪しい。怪しいどころかA自身も自分が犯人であるという雰囲気も醸し出しておりました。
「みんな友達でしょ!盗みなんてするはずないでしょう!疑っちゃだめ!」
事情聴取をする前にいきなりこんなことを言ったものだから、周囲が猛反発。
さらにもう一件盗難事件が起こり、これまたAが怪しいということに。
総スカンを喰らって事務所で泣いていました。
実習生とお友達になれば良いというものではない。
彼女は当時27歳。実習生たちと年齢が近いということで、とにかく親しくなれば良いと考えていました。
実習生が週末買い物に行きたいと思ったら、土日を削ってお買い物。
プライベートで行くのであればともかく、土日出勤扱いにして残業代を稼いでいたのでそれは違うでしょ!
巡回訪問した際、技能実習生に手料理をふるまってもらえた回数を自慢げに話していました。
「実習生と仲良くなるのが大事ですよ~。私なんか毎日水餃子とか作ってもらっているし!」
残業をやりたいと言えば、企業に掛け合って強引に残業をさせ。実習生から要望があったことを伝えるのは構わないのですが、強引にねじ込むのはいけませんね。
https://gaikokujinginoujishu.com/?p=2154
技能実習生と勝手にお出かけ
入国後講習期間「技能実習生に日本文化を体験させたい!」と言いはじめました。日本語学校のカリキュラムもあるし、何より技能実習生たちはお金を節約したい時期です。
学校側の許可をもらわず、技能実習生たちをちょっとした観光地に連れ出してしまいました。交通費や入場料は技能実習生個人負担。お金を節約したいのだけれど、監理団体の職員の意向には逆らえなかったのでしょう。
配属後、「無駄な金を使わされた」と言ってきました。
当然、日本語学校からもクレームがありました。
「技能実習生思いなのはわかりますけど、こちらは法律で決められたカリキュラムもありますし…」
彼女のあふれんばかりの実習生思いは見上げたものだな…と呆れていました。
トラブルはこちらにぶん投げ
技能実習生同士の喧嘩。
現場のリーダーの指示に従わない実習生。
企業が労働関連法に違反した行動をとった。
厳しく指導すべきですが、彼女には全く無理。
「才谷さん、どうすればいいですか~?」
と聞いておきながら、結局こちらに丸投げ。
「私女だから舐められちゃって…。このようなトラブルは男性が対処すべきだと思います!」
すぐに女性であることを理由にトラブルから逃げる。
しかしですよ…。
普段この女性は、
「女性は自立すべき!男と同じ仕事ができます!専業主婦は悪!自立しない女はだめ!」
と、まさにテンプレな方でした。
意識高い系を意識
自分がどれだけ意識が高いか?についてもかなりいっちょ前な口を叩いておりました。書店のエンドコーナーで山積みされている自己啓発本、ビジネス書籍、営業本を読むのが好きな女性でした。
組合会員企業をいかに拡大するか?という組合全体にとって大事な課題に取り組んでいたころ、彼女が言うのはいかにもビジネス本に書いてあることばかり。
「この本にこう書いてあります!泥臭い営業では成果が出ません!」
きれいごとばかり。
意識高い系な格言、物言いですけど、決して「高くない」んですよ。

なぜなら…基礎的な学習を嫌うタイプで、労基法、入管法に関して全く学ぼうとしない。意識が高かったら、この辺をきちっと勉強していて当然ですから^^;
伝えるべきことは伝える
基礎をなおざりにして上っ面だけで仕事をする。きれいごとだけで技能実習生と接する。企業には厳しいことを言えない。
技能実習生の御用聞きで終わってしまった彼女。
企業にも実習生にも良いものは良い、悪いことは悪いと忖度なく伝えなければ、技能実習制度を活用することはできません。旧制度のように企業と組合がなあなあに付き合っていれば、受け入れが継続すると思ったら大間違いです。少しの違反も見逃さないよう少し厳しすぎるくらいの態度で企業に接しなければ、組合も企業も生き残れません。