実習実施者(受入企業)に在籍している海外駐在経験者を味方にしよう!

受入企業の待遇、実習生の資質が良かったとしても、受入企業の担当者がきちんと管理できなければ、徐々に実習の質が下がってきます。一期生の場合、日本人と日本語で直接やりとする機会が多いため、日本語はそれなりに上達していきます。勤務態度も良好で公私共に問題なく3年間をやり遂げることが多いです。

二期生に関しては一期性のように日本語は上達しませんが、一期生の背中を見ながら仕事をしているので、悪さをするような輩は多くありません。

一期生、二期生が在籍している時期は現場も安定し、受け入れ側も関心が高いので「日本語を教えてあげよう」「日本で良い思い出を作って欲しい」と考えているため教育熱心です。また、技能実習生のためにレクリエーションを開いたり、土日を利用して実習生を連れたって釣りに行ったり、買い物に行ったりしています。

しかし、三期生、四期生となってくると日本語レベルが低下、仕事をサボるものまで出てきます。日本語を一切勉強しない割には残業させろ、宿舎の環境を良くしろと要求ばかり突きつけてきます。わがままを言ってきた時に、企業側が無茶な要望に対して断固として叱りつけてやればよいのですが、一つでも譲歩したり、話を聞いてあげたような素振りを見せると、特に隣国の技能実習生たちはつけこんできます。

親切にしすぎるとつけあがる技能実習生

問題が増えてくるのは3期生、4期生以降です。4期生になると確実に質が変わってきます。彼らが少数のうちは良いのですが、態度の悪いものが二人、三人と増えてきて5人、6人となった場合、やりたい放題です。まともな技能実習生も悪影響を受けてしまいます。

  • 企業側も1期生、二期生の頃はうまくいっていた。
  • 大した面倒を見なかったけれどもみんな頑張ってくれたし。

と思って何もしてこなかったのでしょう。組合の監理にも大きな問題があります。仮に組合が一生懸命躾けたとしても、企業側が彼らの好き放題にさせていたとしたらまとまるものもまとまりません。

挙句の果てに「ああ、一期生のあいつらは良かったなあ…今の奴等はなあ…」と愚痴をこぼすだけで何もやりません。

これじゃあダメなんです。
彼らの良い面だけでなく、負の面にも目を向け、場合によっては彼らと衝突も覚悟で真正面からぶつからなければなりません。問題があったらすぐに対応するのはもちろん、監理団体の担当者と相談する。監理団体であれば派遣国の人間の習慣、クセ、国情、人情をある程度理解していますから、問題を未然に防ぐための方法を一緒に講じるようにしましょう。

現場や人事課に海外駐在経験者が居ない、実習生の母国に駐在経験を持った人がいるとは限りません。この場合、監理団体はしっかりと受入企業の担当者に彼らの母国の習慣等、思考法を伝え、啓発していくべきなのです。

もし、海外駐在経験者がいた場合

非常に心強いです。海外駐在経験者が居たとしても、技能実習生の管理担当者でなければ意味がありませんね。中規模の受入企業であれば、大抵海外駐在経験者がおります。Chinaでも東南アジアでも良い。この人を引っ張り出しましょう。

このような方と面談するチャンスがあれば、ぜひ説得して生活指導員、あるいは技能実習責任者に就いてもらうよう勧めましょう。海外駐在経験者は若い方もおりますが、中規模の受入企業ですと、大企業から移ってきた方が殆どで50~60歳くらいです。大抵、部長クラスですので権限があります。

・海外での経験があれば、海外で生活することの苦しさを知っている
・彼らの行動、思考法を知っているため、アメとムチをきちんと使いこなせる
・技能実習生の手綱をうまく取ってくれるため、彼らの数が増えようともきちんと管理できる

私の監理している企業でも、Chinaで長期駐在していた方がおりまして、China人の行動様式、文化、習慣を熟知しているため管理がしっかり行き届いております。彼らにきちんとした待遇を与えて、賞罰をはっきり分ける。わがままを行ってきたらピシャリとはねのける。叱る時は叱る。問題が起こっても曖昧な解決をしない、早期解決をする。

海外生活の苦労を知っている方なので、技能実習生の宿舎環境を整えてくれましたし、お互いWin-Winの関係で受け入れを継続しています。最初は4人でしたが、ここはすでに30人在籍しており、実習生全員その方に敬意を払っておりまとまっております。おかげで、私の存在が思い切り霞んでいるという状態です(笑。でも、企業にとって良い状態であれば大歓迎です。

受入企業に海外駐在経験者がいる場合、何が何でも前面に出てもらいましょう。貴方様しかいないんです!という気迫を持って説得し、技能実習生をきちんと管理していくことで一定の質を保ち、秩序を維持していくことができます。トラブルも減ります。

監理団体の担当者は自分一人で悩まず、「あの領域は受入企業」「この領域は監理団体」と明確に分けるよりも(場合によっては必要ですが)、基本的には受入企業と連携して実習生の受入環境を整備していきましょう。

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