ど田舎に留学生を大量に受け入れて地域を活性化させる?

『東洋経済』のコラムで外国人移民ネタを取り上げている中で、私が最も注目した記事は「留学生で町おこし」の幻想です。留学生を受け入れて地域を活性化させようとしているのは、先日の記事でご紹介した新移民社会でしりました。ただ、そこは地方都市とは言え福岡市であり、産業もあり、仕事もあります。

 



しかし、今回の記事の舞台は岡山県瀬戸内市です。
執筆者はジャーナリストの出井康博氏。留学生を大量に受け入れて地方を活性化させるのは危険だと訴えています。

瀬戸内市は人口38,000人弱。人口は減少の一途を辿っています。農業、漁業が盛んで特産品はカキ。市内は公立高校があるだけで、私学、専門学校、大学はない。そんな市に専門学校をぶっ建てて外国人留学生を入校させる計画をたてました。

その名は「日本ITビジネスカレッジ」
1学年80名。ビジネス学科農水産IT専攻。

授業は午前中中心で、学校は小売や食品関連の工場、近隣の農家でのアルバイトを斡旋してくれるそうです。筆者は偽装留学生になってしまうと懸念しております。外国人が留学生VISAを取得するに際して、アルバイトなしでも自活できる経費支弁能力を証明する必要があります。ところが、留学生の出身国内ではこんな書類いくらでも偽装でき、日本の入管も偽装を見抜くために時間をかけられないのが現状です。

更に懸念されるのは、就労目的の留学生が日本語学校から進学してくることです。
日本語学校の在籍期間は最長2年です。大学にも進学できない偽装留学生たちは手っ取り早く入学できる専門学校へ進学しようとします。進学先でアルバイトが可能であるかは、留学生たちにとって死活問題です。上記の専門学校のように、バイト、生活面まで宣伝していれば、偽装留学生たちはこぞってやってくるに違いありません。

今回学校運営を担うのは留学生の就職斡旋などを手がける「アジアマーケティング」です。同社社長の田中氏は「出稼目的の留学生は入れない」ってwこのセリフ何処かで聴いたことありますね?

そう、コンビニ業界です。現在、技能実習職種として申請中のコンビニ。「人手不足対策ではない」と強調している代表の姿ともろかぶりです。



制度の闇の一端があらわになったのに…介護、コンビニも危険!

記事では留学生がアルバイトを掛け持ちして法律違反をしている現状を紹介していました。

では、田中氏はどうするのか?

「アルバイトはITプログラミングなどを推奨していく。初心者には難しいが半年間は徹底的に教え込む」

空いた口が塞がらない・・・。でまかせと断定はできませんが、人材関連の業者って平気な顔で嘘をついたり、簡単に約束して、平気な顔して約束を破る輩が非常に多い気がします。あくまで私の経験上ですけどね。ブローカーまがいの組合職員、本職ブローカーの悪どさ、派遣機関の人間の「人間は金で転ぶ」という歪んだ信念・・・。田中氏からもやや同じ匂いを感じ取れるのですが・・・気のせいであってほしいものです。

留学生で町おこしが全国的に広まる危険性が

瀬戸内市内にもすでにベトナム人技能実習生だけで200人以上在籍しており、水産業、農業で働いています。日本ITビジネスカレッジの運営にもカキ養殖業者が関わっている時点で、この専門学校が何のために設立されるのか、誰が見ても明らかでしょう。

岡山県瀬戸内市の出来事ではありますが、もし、この専門学校の定員が満員御礼。80名全員が喜々として放課後のアルバイトに勤しむ姿を確認できたとしたら・・・それが繁栄なのでしょうか?賑わいなのでしょうか?当面の労働力確保としては苦肉の策なのかもしれませんが、就労目的の留学生という矛盾した現象をさらにさらに日本全国に拡大させかねません。

違法ではないけれども脱法に近いかたちです。法整備をして脱法から違法に持っていくことも大事です。それと同時に留学生30万人受け入れ計画の見直し、日本の産業の人手不足解消のために政府が何をできるのか?

  1. 企業が人材に投資できるよう環境を整備する。
  2. 企業の意識を変えるような啓発をしていく。

でないと、脱法受け入れに歯止めはかからないでしょう。瀬戸内市をモデルケースにする地方自治体が急増する可能性だってありますからね。

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