技能実習生の新規開拓営業をするのなら一般的なビジネス知識を身に着けよう

外国人技能実習制度を活用して技能実習生、受入企業を監理している監理団体は、他のサービス業とは異なっていて、制度の勉強ばかりに目が向いてしまいます。しかし、実際に受入企業を探す(新規開拓営業)際には一般的なビジネス知識が必要になります。また、企業を監理していくにあたっても労基法をある程度知っておかないと、指導監督ができません。


  • 制度を熟知しているか?
  • 受入企業との契約、技能実習生の選抜から書類作成。
  • 受入後の巡回、監査。
  • 技能実習生のトラブルへの対応。
  • 自分の組合の現状(ペナルティなど負っていないか)。傘下の企業において不正行為に準じそうな行為はないか?

技能実習生を受入れた時のリスクやメリット、良く発生しがちな実習生同士のいざこざを説明できるか。3年、6年、10年と継続して技能実習生を受入れている企業がどのように彼らと向き合っているか。企業の生産現場にどのような形で技能実習生を受け入れれば、生産性向上につながるのか。

財務諸表を読めるようになろう!

また、ターゲットとする企業が見つかったとしても、財政的に健全であるかを見定める必要があります。技能実習生を新規で受け入れる企業が二期連続赤字であると、「今期は黒字展開する見込みがある」ことを外国人着の実習機構やJITCOに文書で説明しなければなりませんし、三期連続赤字となると受入れは絶望的です。

よしんば、受け入れたとしても赤字続きの企業とお付き合いしていくリスクが組合にのしかかってきます。残業代、割増賃金等の未払いが続き、実習生はストレスがたまり喧嘩をする。企業へは巡回の度に「労基法を守れ」と注意指導する。このような企業に限って開き直るので、組合としても非常に労力を費やされ、精神的にもすり減ります。

企業の財政状況を知るには、レントゲンと言われる財務諸表を読めるようになることです。

「何を当たり前な…」

と、思われる方が多いでしょう。でも、読める人って意外と少ないんです。組合の上司や同僚、先輩も読めない人ばかりでした。売上と純利益しかわからないんです。

損益計算書、貸借対照表を読めるようにする。



財務諸表は企業の健全性を示すものであり、健康診断で用いられるレントゲン、心電図、血液検査のようなものです。売上や利益だけでなく、仕入れや設備投資にどれだけお金を書けているか。純損失であったとしても、積極的な投資を行った結果であるのか。仮に純利益であったとしても経常損失を出しており、地代やその他利益、修正等の項目でカバーしているのか…などなど見るべき点はたくさんあります。

別に公認会計士を目指すわけではありません。ここで大切なのは財務知識をしっかり身につけて顧客を判断することです。経営陣にうまく売り込むためには、提供できるビジネ的価値を数字で証明することです。だから、商談の際はビジネスの一般知識が必要になってくるのです。

財務諸表を見られるようになるのは決して難しいことではありません。

  1. 社外のセミナーなどで財務諸表の読み方講座を受講する。
  2. 関連書籍を読む。実際に練習問題を解いてみる。
  3. 経理担当者に教えてもらう。
  4. 簿記3級資格取得を目指す。

どれが一番近道で、覚えやすく、いつまでも記憶と体に残る方法でしょうか?それは4番目の資格取得を目指すことです。確かに1~3の方法でも十分なのですが、お金を投じてテキストを買い、試験料を払って勉強すると知識は一生ものです。

私は簿記3級試験を取得しました。簿記3級は複式簿記の基礎知識、財務諸表は基本中の基本と言われる個人商店のものです。でも、基礎が凝縮されており3級の知識だけでも企業の財務諸表の大まかな内容はつかめます。

受入れ企業にふさわしいかの診断。
企業と話をする上である程度数字を読めないとなめられますので、ぜひとも財務諸表を見られるようになってください。これは他業種に移ってからも有益です。

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