ベトナム人実習生の失踪が定期的に起こる

 

最近というかずっとベトナム人実習生たちが失踪を続けています。
うちの組合は月に二人は逃げています。以前は集団で失踪することがありましたが、最近は一人ひとり逃げているようです。私はベトナム人企業を未だ監理しておりませんが、一体どうして逃げてばかりいるのか…?

今まで考えられてきた原因は3つです。

  • 低賃金、重労働であること
  • 農業、建築が多い
  • 受入企業の職員の質が低く、いじめ等の行為がある

ベトナム人の失踪が目立つ。建築実習生は失踪の温床?

失踪失踪また失踪。ベトナム人実習生をあーだこーだ言う前にDQN企業を見直すべし

待遇は悪くないのに失踪?

ところが、建築職種の企業でも良心的な企業もありますし、最賃+αを支払い、実習生たちに対する待遇も充実しているにも関わらず、失踪するケースが増えてきました。

  • 3年満期帰国直前に失踪。
  • 『特別活動』で延長が決まっているにも関わらず失踪。

特別活動で延長または再入国する場合、その受入企業の「3年選手」並の賃金がもらえるので、待遇は悪くありません。それでも失踪する人が出てきました。

私はベトナム人の習性や思考方法が全くわからないので、ベトナム人管理をしている日本人、ベトナム人通訳に聞いてみました。

  1. とにかく金を稼ぎたいから
  2. みんなでやれば怖くないという意識が強い。同胞を信じる力が強いから

個人の資質など他の原因も上げていましたが、絞ると主にこの2つです。1番目のお金については、一昔前、二昔前の中国人はガツガツしていましたし、カネ目当てで失踪する人はたくさんいました。また、福島第一原発の事故、復興作業に伴い、現場作業員が不足したことから外国人の不法滞在者だろうがなんだろうが、とにかく人を送っている組織もありますし、東日本大震災直後は、失踪先・就業先が原発付近であるとよく言われていました。

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ベトナム人の同胞意識は中国人よりも強い

うちの組合に関して言えば、ここ数年中国人の失踪は随分減りました。日本で失踪しても儲からない。リスクのほうが大きいので、平穏無事に3年実習を終えて稼げれば良い、そこまでしてまで稼ぎたくはないという人が多くなって来ました。

実習生が失踪した後の対応 逃げられたら淡々と処理

ただし、ベトナム人にとってはまだまだ日本で不法滞在してでも稼ぐメリットの方が大きいようです。なりふり構わずとにかく稼ぎ倒す人も多いのでしょう。なりふり構わない割には、残業や夜勤に対して積極的に動いてくれないし、納期の意識などが中国人実習生と比べて希薄なため、だったら実習先で頑張ってほしいものです。

では、なぜそこまでリスクを犯せるのか?彼らの失踪を支えるのは、失踪を手引する組織の充実です。業界ではすでに常識、ベトナム人の失踪を斡旋する組織が東京や名古屋などの大都市にあり、ネットを通じてベトナム人失踪、就職の斡旋を行っているようです。うちの日本人、ベトナム人職員も「地下組織みたいなのがあるんですよ」とのこと。

その組織は、失踪した実習生たちから当然ある程度手数料等を取っているはずですが、無茶苦茶なピンはね、超悪徳企業への斡旋はあまりないようで、失踪実習生たちからはそれなりに信用されているとのことです。彼らは仲間意識、同胞意識が強く、中国人と違って同国人を平気で騙したり、常に他人に対して疑いしか抱かない国民性ではないようです。だから、悪いことするにして同胞信じてやり抜けるのでしょうね。

失踪の下地として彼らの連帯意識が強いことが挙げられます。中国人は個が強く、他人を信用しないので、失踪する時はよほど信頼できる人間以外にはこのことは漏らさず、黙って消えます。失踪先を決めるにしても、自分が信頼している友人、知人の口コミなどを聞いてから動くパターンが多いです。

ベトナム人の組織のようなモノがあるにしても、一般的に中国人実習生はこの手の組織を信用しません。必ず疑いの目をかけますし、組織も中国人実習生なんて捨て駒程度にしか思っていません。これらを考えると失踪して再就職をするのはものすごいリスキーですよね。だから、中国人実習生の失踪よりもベトナム人実習生の失踪が目立つのでしょう。

新法が設立しても、失踪の現状は変わらないだろうな~。
派遣国の経済発展、民度が向上しない限り続くのでしょう。

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