7,8年前でしたら、技能実習生の手取りが12万円でも不満の声はあまり聞こえませんでしたし、あった時は「もうちょっと我慢して頑張ろうよ。残業が増えるかもしれないし」などと実習を満了するように勧めてきました。
しかし…。
いくらデフレで日本経済がめちゃくちゃとはいえ、最低賃金はここ数年20円以上上がっております。残業なしで手取り額が10万円前後、ちょっと残業して12万円でしたら技能実習生も実習継続を諦めてしまいます。
私は手取り14万円ないと新規の受け入れを行わないようにしております。
しかし、長年受け入れ続けて来たけれども、どうしても会社全体の仕事量が減り、実習生のみならず、日本人職員の仕事もない状況であればやむを得ません。
仕事量はどうしても波があるので、毎月毎月一定量の残業があるとは限りません。
それを実習生たちに説明し、理解してもらうように努めても多くの技能実習生はそれでも「残業させろ！夜勤やらせろ！」とわめき始めます。
彼らもお金を稼ぎに来ていますから、事情はよくわかります。
「手取り12万円程度であれば中国で稼いだほうがマシだ！」
という人もいます。
「正直言って君の学歴で中国で月給6000元～8000元稼げるの？」
と聞くと、「稼げる！」と皆さん答えます。
上海や北京で休みなく毎日働き、一日12時間以上の労働をすればなんとかなるかもしれませんけど。実習生のような学歴では、そんな仕事にありつくことも難しい現状であるのがChinaです。
そういう時私は「では、よく考えて会社を辞めるなら早めに私に相談してください。会社とも話をつけます」と回答しています。
彼らに無理をさせたくありません。
お金が稼げないのに、無理やり引き止めるのはあまりにも酷。
日本人で手取り12万円でアパート暮らしだったら貯金ができないどころか、赤字になることもあるでしょう。日本人がまともに暮らせない賃金所得なのに、技能実習生に対して「我慢しろ！」などと言えません。
しかし、私の経験上「手取り額が12万円しかないから帰国した」技能実習生はまだおりません。
最賃が上がり、消費税も８％になりました。そして、今年の10月には消費税が１０％になる見込みです。日本人でも生活が苦しいのに、低賃金の外国人に日本人よりも低い給料で働き続けろなんて言えません。
日本人も寄り付かない企業。だから外国人を入れた。それでも賃金が低いと言って辞めていく。
だったら、賃金上げろよと。福利厚生を良くしろよと言いたいです。
日本人にも外国人にも見向きもされなくなった企業は廃業か、賃金・福利厚生を改めるべきです。
