現場の廃品を勝手に回収して売りさばく外国人(元技能実習生)犯罪者

もう…4年近く前になりますかのう…。中国人技能実習生が、工場の廃品を横流ししていたのは。

溶接職種で実習生6名を受け入れていた企業がありました。毎年2名ずつ受け入れてくださり、比較的平穏な受け入れでございました。勤務態度も良く会社の評判も大変高かったです。

ところが、会社で処理すべき不良品が日に日に少なくなっていく怪事件が起こりました。私も巡回の時にその話を聴いており、随分おかしな事件だなあと他人事のように聴いておりました。技能実習生たちがまさかそんなことをするわけもないし、そもそもあんな重たい鉄の塊を持ち出すほどアホな事はしないと思っていました。

会社は全社員に対して、怪奇現象を説明し、廃品を持ち出さない、怪しい人物がいたらすぐに報告するよう伝えました。ところが、不良品の持ち出しはあとをたちませんでした。犯人たちは同じルートで会社に侵入しているようでした。古い緑色のフェンスに覆われていたのですが、ある部分だけフェンスがぐにゃりとねじ曲がっており、固いものをぶつけない限り出来ないような傷が出来ておりました。何度か侵入に使われた形跡があり、フェンス周辺にも重い物を落とした時にできるえぐれた痕が地面にできていました。

 

「これは…日本人の犯行ではなく外国人のものでは?」

会社が色々と検証していると、どうも外国人の手口によるものではないかと思ったようです。この会社には中国人技能実習生以外の外国人職員はいませんし、もしかして…技能実習生では?という嫌疑の目が向けられました。

私も彼らを疑いたくありませんでしたが、確かに日本人の犯行の手口ではなさそうでしたし、こんな物を横流ししても大したお金になりません。普通の日本人、いや、日本人の犯罪者であってもハイリスクローリターンでやる気にもならないでしょう。

大した金でなくても、稼げるスキがあるのなら稼いでみせる…。外国人ならありえます。

 

主犯はすでに帰国したはずの元技能実習生!?

会社は監視カメラを設置して、犯人を特定しようとしました。設置から2週間ほど経ってようやく犯人の姿がカメラの中に。

細かく書いてしまうと企業さんが特定されてしまうかもしれませんのでざっくりと書きます。カメラに写っていたのは3名。いずれも中国人で、二人は外部のものでした。一人ははっきりとわかりませんでしたが、その当時受け入れていた中国人技能実習生の一人でした。

この映像を企業の担当者と見ていた時、

担当者「この男、前にうちの会社で働いていなかったか?」
私「え?見覚えがあるんですか?」
担当者「うん、今から5,6年前にうちで働いていた中国人技能実習生だよ」

!?

元技能実習生だと…!?5,6年前と言ったら、当時私がこの組合に入る前の話です。私の知らない中国人技能実習生OB。何度も見ましたが、彼に違いないとのこと。名前と実習期間を聞いてから、組合に戻って資料を漁ってみると、確かにおりました。

写真を見ただけではビデオの人物と同一かは確認できません。

写真を持って企業を訪問。写真を企業担当者に見せると

「おお!こいつだよ!Hさんだ。でも、この人ちゃんと帰国したはずだけどな~。俺も空港まで見送りに行ったし」

何らかの手段で再入国したのでしょう。ビデオに映っていた実習生を事情聴取しました。動画を見せたら自分だと認めました。話を聞くと、Hとは同郷とのことで、この会社の敷地内に入るための侵入経路をHに伝え、廃品の場所などもしっかり伝えていたようです。手薄になった時をHに伝えていたんですね。この実習生はほとんど盗みの現場に入ることはなかったのですが、この時はちらりと映っていました。

当然のことながらしっかりと報酬を受け取っていたのでしょう。

もちろん、翌日すぐに帰国させました。他の実習生もHと内通しているかもしれないと思って聞き込みをしましたが、当然のことながら「はい、私もです」なんていうバカはいません。企業は警察に通報しましたが、流石にビデオだけは見せなかったようです。ビデオを見せたら、帰国した実習生のことを突かれていたでしょうし。

 

鉄の塊を回収か…。

 

私も中国で働いていたことがあるので、中国人って何でもかんでもリサイクルしちゃうんですよね。特に家電や携帯電話を生産している工場は、銅製コイルやその他の金属スクラップの廃品が従業員に寄って公然と運び出されます。しかも、結構良い値で売れるようで取り締まってもあとがたたないんです。日系の企業は、金属探知機や監視カメラで徹底的に予防策をとりますが、それでも持ち出そうとする輩がおりました。

日本人の常識だけで彼らを管理するのってつくづく難しいですなあ。

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