外国人技能実習生の採用、筆記試験、面接試験、実技試験とありますが、彼らの学歴についてはみなさんどう判断されていますか?
国や個人によって違いがあると思いますが、ここでは中国人実習生に関して書いていきます。
候補者の学歴
候補者の学歴は中卒、専門学校卒(中学卒業後通う専門学校)、高校、大専(3年制)、4年制大学があります。4年制大学の学歴で応募してきた人は、算数、知能試験は高かったものの面接試験では自意識過剰、雇用条件以上の賃金を支払うよう要求してきたので不採用としました。
学歴差別に聞こえてしまいますが、中国では学歴がそのまま本人のモラルや素質に直結している部分が多い気がします。大専、高卒、専門卒でもモラルの低い人、マナーに欠ける人はいます。しかし、中卒だと低モラル、学力の面で低い人に当たる確率が他3つの最終学歴と較べて格段に高いです。
ルールを説明してもわからない人が多いです。
会社の規則、入国前の実習に関する説明でいろいろな約束をします。こちらを参照実習生とのトラブル回避術!外国人技能実習生と採用時に実習生活での約束事を決めておけ! 。
- 毎日日本語を勉強するように。
- 技能移行試験に落第したら帰国。
- 上司の指示に従う。
日本に実習に来ると約束を忘れてはいないものの、日本語の勉強が疎かになります。日本語を勉強するように再度指導してもやらなかったり、入国前に誓約したのだから(日本語を学習しないのであれば帰国云々)約束通り勉強するするようにと伝えても、「知りません。そんな約束はしていません」と平気でほざきます。
技能移行試験に落第し、資格変更が不可能、在留期限が迫っているのに「保証金が返ってこないのなら帰国しない」とダダをこねる人。
いくら道理を説明しても絶対に聞き入れないことが多かったです。
出国するのにお金がかかっていることもわかっています。しかし、在留期間の更新が不可能なのにいつまでもゴネる。ゴネ得狙いの行動が多いのも中卒ですね。
筆記試験の問題が理解できない?
採用試験では、筆記試験として知能テスト、算数問題を課しています。
知能テスト(空間把握系)は学歴や学力とは関係なく、その人の知能を測るものです。問題の内容を理解すれば誰にでも解けるのですが、問題についていくら説明しても回答できない人が過去10人ほどおりました。
算数問題は整数の加減乗除、小数点、分数、1次方程式がメインです。20問中5問未満で回答してくる人ばかりでした。溶接、建築関係が多いです。
旋盤、フライス盤などの機械加工は専門学校以上の学歴が多いです。プログラミング、空間把握、図面把握など常に数字、図形とにらめっこしているので、算数が苦手、勉強が苦手な人では務まりません。
中国人技能実習生として日本にやってくる人たちは中国国内ではどんな人たちなのか?
- 農村部出身
- 家が貧しい。生活を改善したい
- 勉強が苦手。したことがない
- 貧しくなくても勉強が嫌で進学しなかった
- 1,2年の契約で工場で働く労働者
地頭が良い人、モラルの高い人、勉強ができる人も中にはいますが、正直少数です。多くは貧しくて進学できなかった。もしくは、勉強が嫌で勉強をしてこなかった。中国の学歴社会での競争を放棄して水が低いところを流れるがごとく安易な道を生きてきた人たちです。
面接の時には話してくれませんが、日本に実習にきて打ち解けてくると、
- 学生時代の成績が悪かった
- 遊んでばかりいた
- 勉強が嫌だから高校に行きたくなかった
と本音を話してくれます。
だから、実習が始まったらまともに日本語を勉強しようとする人は少数派です。
そもそも今までほとんど勉強をしたことがないので、勉強の仕方がわからない。
「日本語を勉強していますか?」
と聞くと「ちゃんと教科書を読んでいます」と答えます。教科書を読んだだけでうまくなるはずがありません。読んだだけで上達したらスピードラーニングもびっくりですよね!
勉強のモチベーションもない。
勉強の仕方もわからない。
こういった人たちが中国人実習生の大半を占めています。
半強制的に日本語を学ばせていく仕組みを、受入企業と協力して作り上げていくことが必要です。罰則を設けたり、日本語の宿題、日本語検定試験の受験…。私も模索中ですが、いくつかの手法を試しつつ彼らに日本語を勉強させたところ、5人に一人はN2を取れるようになってきました。
- 技能実習生の日本語教育。配属後にも日本語学習を継続させよう!
- 外国人技能実習生の日本語能力を向上させるために
早いとこ、実習生の日本語能力向上の仕組み作りを完成させたいです。