技能実習生は実習終了後帰国した後、海外で学んだ技術を母国で活かすことが…この制度の趣旨です。
技能実習生が帰国後、日本で学んだ技術を活かして就職するのは職種によっては可能です。可能どころかあっさりと見つかることが多いです。日本でライン作業や単純作業などの仕事では難しいでしょう。
しかし、溶接、機械加工、金型などの仕事であれば再就職は難しくはありません。溶接などは中国でも人材が不足しているようですし、日本で経験を積んだ実習生は割りと高級で働いています。溶接実習生の多くはあまり日本語の上手い人は居ませんでしたが、帰国後はそこそこの給与がもらえる職場で働いています。溶接技術は日本に来る前と比べてかなり上達したので、中国の企業からも高評価をもらえるのでしょう。
機械加工の実習生
機械加工の旋盤を学んでいた実習生は帰国後、受入企業と取引のある会社に就職。もちろん給与も良く、製造現場だけでなく、今では生産管理全般を任せられているようです。
例え、日本で学んだ職種を活かせなくても本人たちにとって良い進路を歩んでいった事例もあります。
金型仕上げの実習生
正直この企業さんの実習生のレベルはあまり高くなく、日本語の学習意欲が低く、実習を行うにも日本語レベルが低すぎてクレームが来たことすらありました。そんな状況を打破してくれたのが彼でした。
悪貨は良貨を駆逐するではありませんが、日本語、実習に対するモチベーションが低い人達に囲まれていると、真面目でそこそこ学力があり、学習意欲がっても、彼らの程度に合わせてしまい、結局鳴かず飛ばずで3年間が終ってしまうケースが多いです。
しかし、彼は周囲の環境をもろともせずに時間があれば日本語を勉強していました。決してガリ勉ではなく、日本のドラマを視たり、家に帰ったらNHKの「ニュース9」を視たり。日本語検定N2も取得しました。
日本語だけでなくコミュニケーション能力、3年間で人間的なレベルアップを果たした彼は、彼を派遣した中国派遣機関に就職しました。
実習終了後に留学した実習生
日本で3年間の実習を経た後、日本に留学。
彼は18歳の頃来日し、帰国時は21歳になっていましたが、1年間中国で過ごした後留学ビザを取得して来日。
1年は日本語学校に通い、アルバイトと日本語学習、更に大学入試のため受験勉強に励み、4年制大学に合格。
4年生になってからは普通の日本人学生と同じ土俵で就職活動に奔走。何十社も受験してようやく勝ち取った就職先。中国と取引を盛んに行っているので、彼の活躍がすぐに回ってきそうです。この前は初の中国出張でかなりはしゃいでいました。
女性の実習生も日本に留学。
日本語学校を出てから短大へ進学。就職後、日本人と結婚。今では兼業主婦で仕事に主婦業に頑張っています。
上記のような優秀な実習生は本当に一握りです。
ですが、このような実習生が少しでも出てくると仕事にやりがいを感じますし、自分に対しても自信が持てます。
良い人材を選び、実習生の質を向上させようとしてくれる企業さんですと、良い実習生が育ちます。
それと、このサイトでも何度も書いていますが、日本語教育は本当に大事です。入国前の説明会で私から様々な注意事項、心構えを話しますが、一番強調するのは日本語の学習です。
技能実習生の日本語教育。配属後にも日本語学習を継続させよう!
- 中国の国内研修、日本の1ヶ月の講習期間中だけ勉強するのではない。
- 配属後も学習し続けること。
- 宿題をきちんとやること。
- 日本語能力試験を受験すること。
無理やりですが約束させます。
嫌々ながらも日本語に触れさせていけば、日本語に興味を持つ者も現れます。前回も書きましたが、多くの実習生は日本語を積極的に学ぼうとしません。出稼ぎの感覚で日本に来ています。
しかし、こちらはめげずに日本語の学習を強く勧めていきましょう。
いわば彼らとの根比べです。
実習生事業はマスコミによく叩かれていますが、企業にとっても、本人たちにとってもメリットがあるし、良い人材が育てば大きな貢献と言えるでしょう。
実習生とのトラブル回避術!外国人技能実習生と採用時に実習生活での約束事を決めておけ!