頭が痛い問題でした。
以前監理していた食品関係の企業さんで起こったお話。
その工場は実習生（当時は研修生）を受け入れていて、彼女たちの満期は１年間でした。１年間なので問題を起こすことも少ないので、割りと管理しやすいなあ～と、思っていた矢先にことが起こりました。
研修生が８人在籍しており、日本人男性受けしそうな可愛い子が３名ほどいました。可愛い子に限ってコミュニケーション能力が高く、日本語も一生懸命なんですよね^^;
研修して７ヶ月も経った頃。企業担当者（女性）から連絡があり、
「才谷さん…実習生のAさんがうちの従業員と恋愛関係になって困っているです…」
とのこと。
まあ・・・ね。国籍は違えども男女ですから恋愛はするでしょう。派遣機関では「絶対に恋愛は禁止だっ！」と刷り込んでいるのですが、日本ではそれを言っちゃいけなんですよね。恋愛は自由ですし、極度に制限するのは人権侵害。私はするなとは言いませんが、
「恋愛して周りに迷惑をかけることもあるのでよく考えて…」
と、生ぬるいことしか言っていません。
日本人と恋愛する人なんて極稀ですからね。中国人同士では割りきったセフレを作る人はそれなりにいますが…。
妊娠発覚！不倫！技能実習生の恋愛はどう対処している？
今回はそんな遊びの付き合いではなく真剣な恋愛です。
隠したりせずにオープンな付き合いだそうです。相手は正社員で短大卒業後勤続年数２年の２２歳。実習生も２０歳なので年齢的にもピッタリ。
電話のあった翌日が巡回日だったので訪問すると、非番の実習せたちが２名がアパートにいたので、それとなく質問しようと思っていたら、
「Aが日本人と付き合っているよ！それは良いんだけど…度々彼氏を家に連れて来ているし、夜遅くまでいることもある」
とのこと。
「社外の人間は宿舎（ここは民間アパート）に入れてはならない」決まりごとはありませんが、社内の人間についてはノーガードです。更に聞き込むと、夕食も頻繁にここで食べていく。休日の昼間も彼氏が来るので、くつろげないそうな。
会社訪問時に他の実習生と面談してもほぼ同様の事を伝えてきました。
口が少し悪い人妻実習生は、
「部屋でイチャイチャしているし、あの子だけ非番の日に私が忘れ物を部屋に取りに帰ったら、服が随分乱れていたし…やってたんじゃないの！」
ひぎい！？
宿舎でするとは問題ですな。
日本にはそれ用のホテルがきちんとありますし、日本人男性ならわかっているはず…節約のためなのか、その方が興奮するのか…。
日本人従業員に対しては、企業担当者が説得をするというので、「才谷さんは実習生を説得して、諦めさせて下さい！」とのご指示。
この担当者ですが、４５歳で独身。恋愛とは無縁という雰囲気を全身から発散させており、パッサパサで色香のかけらもありません。恋心の機微、男女の間についてはどうも理解していないんですよね。仕事の延長線だと思ってすっぱり切ろうとしていますが、一筋縄ではいきません。外野がストップをかければ燃え上がるのが恋心です。
実習生本人を呼びつけてトーク。
神妙な態度で上目遣い。私を見つめてきました。もう何を言われるかわかっている感じでした。
「恋愛のことでしょ…？」
まあそうなんですけどね。決して恋愛しちゃダメ！とは言いませんでした。盛り上がっている時は見境がつかなくなるし、周りへの配慮にかけてしまう。私も中国留学中に恋愛したことがあり、遅くまで宿舎に戻らなかったり、同室の人に迷惑をかけた話をしました。
彼女の表情は引きつっていましたが、徐々に笑顔に。
とにかく下記事項を守るよう厳しく伝えました。
- 宿舎で一緒に食事をしない
- 他の実習生が不在の時でも彼氏を家に入れない。
- 夜遅くまで外出しないこと。みんなが心配する。
- 他人様に迷惑をかけないことが第一。
私「例えば、私がAさんに『Bさんと恋愛するな！連絡を取り合うな！』と言ったら、ますますBさんに会いたくなるでしょう？」
A「はい…」
私「恋愛するなとは言わない。だけど他人に迷惑をかけたら実習の継続も難しい。もし実習生のDさんが彼氏を家に泊めたり、食事をさせていたらどう思う？」
A「嫌です」
私「そうだよね。だから絶対に迷惑をかけてはいけない。あなた達の仲が悪くなって喧嘩でもしたら、連帯責任で処罰を受けるかもしれない。今の実習生同士の人間関係、会社からの信用を失わないように」
と指導。
その後恋愛は続きましたが、残りの任期中に大きなトラブルは起こりませんでした。日本人従業員の方はぎゅうぎゅうに絞られたようで…確かにあの男を知らなそうな担当者だったら、キツイこと平気で言ったんだろうな…^^;
実習生の失踪…金ではなく愛に生きようとした女！
恋愛の問題は解決が難しいですよね。
たまたまこの娘は聞き分けがよく、一度の指導で無茶はしませんでしたが、他の実習生ではいうことを聞かずに頻繁に会い続け「門限破り」「週末遠出して帰宅が遅れ、翌日の仕事を休む」こともあったのでただ叱るだけでは返って火に油を注いでしまいます。
