私が担当しているプラスチックブロー職種で中国人技能実習生（女の子）を受入れている企業さん。従業員規模は150人のそこそこの企業で、毎年6～10人を受入れて下さっています。
この企業さんとは5年のお付き合いですが、女性実習生同士の喧嘩が1,2回あった程度で、大事件は発生したことはありませんでした。
ところが、3ヶ月ほど前に、実習生のKさんと技能実習指導員の部長さんが男女の関係であるとの風聞がありました。恋愛はまあ個人の自由でありますが…部長さん自身ご結婚されているし、40代男性と21歳の女の子では釣り合いがイマイチです。中小企業にありがちな一族経営であり、部長さんもは会長さんの甥に当たります。
優しい男性ですし、責任感もあり仕事もできる。部下からも信頼されているようで、従業員から部長さんに関する感情的な悪口を聞いたことがありません。
ただ、女性に対しては少々だらしないのか。あるいは実習生の女の子にのめり込んでしまっているのか。夫婦仲が悪いとの話も聞いたことがありません。部長にとっては技能実習生との恋愛はちょっとしたお痛なのかもしれません。
今回のお話は過去記事のようなDQN日本人がお金大好きの実習生にけちょんけちょんに騙され、悲劇を通り越して喜劇な話ではありません。
中国人実習生と恋愛、結婚。そして、伝説へ…となった受入企業担当者の末路
女性実習生の変化
彼女が来日した頃は当然垢抜けない雰囲気でしたけれども、素地の可愛さを私は見抜いていましたｗ中国人と長年接してきたので、この程度は察知できるようになりました^^
来日して1年半。みるみるうちにきれいになっていき、部長との仲が噂されるようになってからは、見違えてしまいました…。二人の関係は実習生の間では公然の秘密でした。部長さんは彼女たちを時々食事に連れていってくれましたが、彼女との仲が進むに連れ、二人だけのデートが頻繁に。
私も、1ヶ月ほど前に彼女から部長さんと直接お付き合いしていると、告げられました。取り敢えず、部長を部屋の中に入れて同室の実習生に迷惑をかけるな…などの定番の注意をしたのみです。しかし、部長さんとていい大人ですから、そんなことはしません。
- きれいになった。
- 日本語が非常に上達した。
- マナーやモラルが向上。
- 人間的に成長した様子が見受けられる。
- カネ目当てである様子はおくびにも出さない。
部長さんから多少のプレゼントはもらっていますが、ブランド品、衣服などは送っていません。部長さんも周囲の反応を慮ってのことなのでしょう。小さなアクセサリーや現金を贈っているかもしれませんけど。
部長さんからの要望
「彼女の給与を上げたいんだけど」
現在、彼女たちの時給は850円です。それをKさんだけ1000円近くまで上げてほしいと。理由としては、日本語が上手で他の実習生と話す時の通訳になってくれるし、仕事も任せられる。中国のお客さんが現場に来た時にも通訳を勤めてくれます。
時給を上げることに関して、私自身大賛成です。正当な評価だと思いますし、足軽未満の日本語ができない実習生と同じ時給では平等ではあっても不公平です。私は賛成しましたが、心配なのは他の実習生からの嫉妬です。
しかし、嫉妬を恐れていては正当な評価なんて出来ません。優秀な実習生が正当な評価をされたら…実習生の間でどんな化学反応が起こるのか…不安もありましたが、どうなってしまうのか知りたい好奇心も手伝い、部長に対してGOサインを送ってしまいました。
ただ、いきなり上げてしまうよりも、昇給の基準を明示した方がよいと伝えました。
- 日本語検定2級を持っている。
- ◎◎の業務を任せられる人材。
- 何号機を操作でき、新人の指導もできる。
この条件をクリアしているのは彼女1人であります。彼女のための条件だと思われても、仕事の能力、日本語の能力共にそこらの実習生が一朝一夕に身につけられない能力です。日々の研鑽が物を言います。
部長はなるほどと言って昇給の検討に入りました。
数日後、総務課長、製造課長から私に連絡があり、どうか部長のKさんの昇給を止めてくれと。
私は公平なので賛成派ですと答えたものの、日々現場で接する課長さんたちにとっては他の実習生がKさんに嫉妬して喧嘩でもしたらどうしよう…という不安は十分わかります。
「ならば、時給を上げずにボーナスをドンとはずんで上げれば」と進言しました。
課長さんたちはなんとか納得してくれました。
私ではなく、直接部長さんとお話されればいいのに…。現場と上の意見が割れると、必ずと言っていいほど監理組合の担当者が巻き込まれます（笑。
後日…。
部長さんから連絡があり、
「今度中国出張にKさんを通訳として連れていきたいんだけど！駄目かな？」
駄目…！ではありません。
制度的に。良いことだと思いますがね。ただ、二人きりだそうなので…周囲の目を全く憚らない部長。ある意味漢です。
妊娠、あるいは、彼女のご家族にご挨拶…からの今の奥さんと離婚という展開にならないことを心から祈っております。
