技能実習生がアルバイト!ど田舎で周りが田畑だらけだとちょいと危険だ!

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外国人技能実習生がプライベートな時間を利用してアルバイト。副業。
これはアウトです。外国人技能実習生が入国できるのは、決められた実習実施機関(受入企業)、決められた実習場所(〇〇株式会社 ▲△工場等)、決められた職種が限定されているからです。その資格以外で収入を得てはならないのです。

いわゆる資格外活動ですな。

外国人留学生ですと時間制限はありますが、資格外活動として一定時間アルバイトをすることが可能です。最近はわかりませんが、私が学生の頃、中国人留学生は資格外活動の許可をもらってからはそんな時間制限を無視して工場等で日本語学習そっちのけでバイトばかりしていました。近頃の中国人留学生はお金持ちが多く、三流私大に通って放蕩暮らしをしていると聞き及びました。



農家でアルバイトをしていた人物を強制帰国!

その点、実習生はハングリーです。ハングリーすぎて困る実習生が多いのも確かです。
問題になったのは中国人実習生が近隣の農家で野菜の収穫をしていたことです。

受入企業は残業はそれなりにありましたが、土日は完全に休みで休日出勤は全くありませんでした。普段から日本人と会話することもないし、日本語学習の意欲のない彼らは日用品を買い出しに行く以外特にやることがなく、暇を持て余しています。そこで目についたのが農家だったのでしょう。これは実習生たちから自白させたのですが、近隣の農家を歩いて回って「仕事をくれとお願いした」とのこと。やがて、実習生たちが最近の日本の若者が嫌がる農作業を積極的に手伝ってくれることが知れ渡り、実習生の方から農家に足を運ばなくても、農家の人が実習生の寮を訪ねる事態へと発展しました。

実習生が住んでいる社宅には日本人従業員も居住しています。
現場の担当者が実習生達の異変を感じ始めました。仕事に集中していない。常にあくびをしている。昼休みになるとものすごい勢いで飯をかっこみ、うつ伏せになって睡眠。今まで残業やらせろと言っていた彼らが全く残業の「ざ」の字も言わなくなったこと…。

  • 社宅の玄関には監視カメラがついていたので録画。
  • 土日になるとこぞってぞろぞろと出て行く実習生。
  • 日が落ちた後に揃って帰宅。
  • 社宅の土間が泥だらけ。

怪しいと思った企業担当者は農家でアルバイトをしていると予想。
確かに、農家では人手不足ですし、JITCOの担当者からも『茨城、長野などでは農業以外の職種で入国し、休日を利用して農家でアルバイトをしている実習生がいるらしいので、注意して欲しい』と言われたのを思い出し、企業担当者と協力して裏付け調査を行うことに。

 

近隣の農家にインタビュー

技能実習生が職種以外の活動で収入を得ることは不正行為です。下手をすると企業や監理団体の責任も問われかねませんし、とにかく恥です。近隣の農家を周り「中国人技能実習生にアルバイトさせないよう」お願いに回りました。

もちろん、裏は取れていませんので、

「農家さんの中には外国人技能実習生をアルバイトに雇っているところがありますので、もし、実習生がアルバイトをさせて欲しいとお願いに上がっても、絶対に断って下さい。技能実習生は本業があり、アルバイトをすると法律違反で強制送還されてしまうんです」

ということをわかりやすく説明し注意喚起にとどめました。



実習生に対しても改めてアルバイトは法律違反。見つけ次第帰国させることを厳しく伝えました。

10人ほど実習生が在籍していましたが、そのうちの半分くらいは週末外出しなくなりました。しかし、監視カメラを見ると半分ほどは外出(おそらくアルバイト)しており、一定の効果があったものの、1人でもアルバイトをしている者がいたら成功とは言えません。

企業担当者はその後もチェックを続け、アルバイトに頻繁に通っている実習生を3名に絞りました。監視カメラを証拠に責めるわけには行きませんので、3名を特別に呼び出し、一般論としてアルバイトは禁止されていることを再度警告しました。

その後、同社の別の職員が「週末実習生の●さんと△さんのような人が農家で人参の収穫をしていたのを見かけた」と報告があったので、両名を呼び出し事実確認。彼らは認めるわけがありません。ターゲットは絞れたので、週末に企業担当者とともに心当たりの農家周辺に張り込むことを計画しました。

その日から2週間後に張り込みを決行することに。その間、現場の担当者から実習生が農作業していたとの報告が2件入りました。1件は現場担当者の姿を見た途端蜘蛛の子を散らすように逃げ去った(3名)とのことでした。

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張り込み当日

農家の庭で仕分け作業をしている実習生を発見。こっそり忍び寄って現逮(現行犯逮捕)です…。抵抗される可能性があったので、『週刊少年ジャンプ』をお腹に詰めて行ったなあ…。

農家さんに事情を説明しましたが、農家の奥様は泣きながら「彼を連れて行かないで~!」と懇願。法律違反であることを伝えましたが、「私が悪かったので私を連行して下さい!この子は悪くありません!!」それでも頑として農家の懇願を振り切った企業担当者…近所付き合いもあるはずなのに、クールに対応されていました。

私からも技能実習生はアルバイトをしてはいけないこと。法律違反であることを説明しました。奥様は実習生に「ごめんね…ごめんね…」詫びを入れていました。この時は流石にやるせなかったです。

逃亡することはありませんでしたが、実習生宿舎に戻ってすぐに荷造りをさせました。同時に残った実習生に対して警告。強引ですが見せしめです。中途帰国させる事になった実習生、流石に仲間は売りませんでしたね。残った実習生たちは「俺たちはやってねえ!」とのこと。

この日は遅かったので翌日のフライトを予約して、空港付近のホテルに前泊。私の同僚を応援に呼んでホテルに泊まりこみました。失踪の恐れもあったためです。が、本人はすでに帰国する気まんまんでした^^;

「ねえ、このホテルってネット出来るんでしょ?パスワード教えて。家族に出迎えに来てもらうから♪」

と、ニコニコw

切り替えが早いというかなんというか…。

食事をしながら彼と話をしましたが、彼は先輩の農家を引き継いだとのこと。
尚、引き継ぐにあたって先輩の紹介料を支払っていたようです。先輩が帰国した後、後輩に自分の「職場」を紹介。その時に万単位で手数料を払ったそうです。まあ、上手く行けば十分元は取れますけれど、元を取るまで必死になってアルバイトしていたんだろうな…。だから、こちらが警告しようがなりふり構わず農家に通っていたんでしょう…。

実習生は無事に帰国させました。

その後、近隣農家に対して、絶対に外国人技能実習生をアルバイトとして雇ってはいけないと再度周知しました。この一件があってから、農家の人間が社宅にやってきてアルバイトをお願いすることもなくなりました。

厳しい処置でしたが、技能実習生を管理していくためには時には見せしめ的なことも必要なんですよね…当時はヒヤヒヤして本当に疲れました。アルバイトは駄目だと言う約束は入国前にもきちんとしておきましょう⇒実習生とのトラブル回避術!外国人技能実習生と採用時に実習生活での約束事を決めておけ!


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