技能実習生に対する賃金未払い問題がありました。
賃金台帳を見ると問題はない。
ところが、技能実習生から「残業時間をカウントしてくれない」とクレームがありました。タイムカードを見ると確かに残業をしているが、賃金台帳の「残業時間」の欄には記載がない。
技能実習指導員に確認したところ、
「俺(技能実習指導員)は残業しろと命じていない。実習生Aが勝手に残業をしていたんだ」
とのこと。原則として、会社は、業務命令にもとづかない業務は労働時間として扱う必要がないので、勝手に残業をしているのであれば・・・とも思いましたが、実習生から事情聴取をすると、
・納期が迫っており、残業しないと終わらない
・現場の日本人職員(新卒平社員)には残業することを伝えている
業務命令を明示していなくても、受注をさばくのに時間が足らず、まさに直接業務に関連するものであり、事業場として行き詰っている事情がありました。実習生から見ても、客観的に見ても必要のある業務であり、会社は残業時間として扱わなければなりません。
実習責任者はAが残業していることを認識していましたし、労務管理をする立場なのですから、管理責任があるはずです。労働時間と追認し、後日残業時間を再計算して訴求して残業代を支払ってもらいました。
この手の企業は過去数社ありました。
「やるべきことが終わっていないのだから、残業とは認めない」
「ノルマをこなさずに時間だけが経っている。それは残業ではない」
それは通じません。