保守系のジャーナリスト、言論人は外国人技能実習生は低賃金で雇われており、奴隷扱いしていると言っております。確かにその側面が強く、建設、縫製等のブラック職場では賃金をちょろまかしたりするケースが多く、その場合は明らかな奴隷。未来の徴用工と言っても良いでしょう。
しかし、ここ3年は毎年20円以上最低賃金が上昇しており実習生の賃金も上がっています。特に首都圏では、東京985円、さいたま898円、千葉県895円と上がっており、コンビニやスーパー、100円ショップのアルバイトの時給が最低賃金と同じお店を多く見かけます。
工場内での勤務も1000円近く程度で、最賃に追いつかれそうになっております。
技能実習生を雇うと言っても最低賃金＋監理団体や派遣機関に収める監理費、雑費がかかります。アルバイトを雇うよりも高くなっております。
では、日本人と同等であるから「安くない」「奴隷ではない」と言い切れるかと言うとそうではない。
日本人の賃金がそもそも安すぎるんです。
遊ぶ金欲しさにアルバイトをしている学生はともかく、家族を養うためにやむにやまれてアルバイトをせざる負えない人たちが、時給1000円で雇われていたら生活もままなりません。最近聞かれなくなったワーキングプアですよ。
ニートが70万人もいる。
と、言われています。働かない彼らに大きな問題があるのは確かです。しかし、働いても生活が苦しい、普通の暮らしもままならないというのであれば、親に寄生していた方が良いと考えてしまうのも無理のないことかもしれません。
賃金を上げてやれば働く人はたくさんいるでしょう。
できるだけ安く労働力を得たい＝奴隷がほしい。
技能実習生を雇う方がアルバイトを雇うよりもちょっと高くつくかもしれないが、3年間は必ずやってくれる。外国人特有のトラブルはあるけれども、日本人のようにデリケートな問題を提起することもない。大人しく働いてくれるし、残業も夜勤も厭わないというのであれば外国人労働者を選ぶでしょう。
日本人にとって最低賃金が上がって、今までの時給に追いついてきたからと言って焼け石に水。100円単位で上がらないと意味がありません。
日本人はデフレになれきってしまい、何でもかんでもとにかく安く。働いている方も低賃金なのに「こんなものだろう」と思ってしまっています。
先日、80年代前半のアニメ「Dr.スランプ」アラレちゃんをちらっと見たら自動販売機のジュースが100円でしたし、70年代の子供の絵本では牛乳パック１０００ｍｌが200円で売られていました。
物価が何十年も変わっていないどころか、グローバル化してしまったので物価も下がり賃金も上がっていない状況です。ちょっとゾットするような状況です。これで特定技能の低賃金労働者がやってきたら…日本人はますます働けなくなり、生活が苦しくなってしまいます。
外国人を受け入れようとする企業が悪いという人もいます。我々監理団体とてその批判を浴びています。それももちろんですが、このような風潮を作り出した経団連、金儲けしか考えない政治家たちの力が大きかったと思います。特に竹中平蔵…。
- それとともに企業のモラルが低下し、とにかく安く！外国人でも何でも良い！
- 人件費の高い日本人は大量リストラ！
暴論なのはわかっておりますが、政府は強制的に全国の最低賃金を数百円上げて見ろと。そうすれば日本人は働きます。企業が内部留保している資金を労働者に回せと。経済界から反発を食らうのを恐れて、経団連はじめ銭ゲバ企業のご機嫌ばかり取っていた政治家たち。そろそろ、そのツケを払うべきではないでしょうか。
外国人労働者受け入れには、声なき声ですが多くの国民が反発しています。
財界よりも国民のために働く国会議員が一人くらいいてほしいものです。
