技能実習生が病気、事故に遭った時のことをサクッとまとめておきます。実習生受け入れになれた企業さんや組合であっても、病気と聞くとハッとしてしまうものです。私もいまだにドキッとしてしまいます。冷静になって対応しましょう。
技能実習生には基本的に自力で病院へ行ってもらうように指導しています。
風邪、歯痛、関節痛、眼科など。医者は症状を診れば治療方法がわかるので、通訳不要の場合も多々あります。
まずは一人で病院に行っても困らない程度の日本語を身に着けさせたいです。
JITCO作成の資料で大変有用なものがありますので、こちらからダウンロードしてみてください。
医療機関への自己申告表・補助問診票
病気にかかったときの医師との問答例もありますので実習生に配布しましょう。
企業周辺にある、自力で通院可能な病院をピックアップして実習生にあらかじめ配布しておきましょう。
技能実習生が病気になったら
本人から病状を確認し、診察に必要な書類を伝えます。入国前の説明会などですでに説明はしているものの、大体すでに忘れています。
- 在留カード
- 現金
- 社会保険証
症状にもよりますが、自転車で片道30分以内なら自力で行ってもらっています。
最近はポケットWifiを持った技能実習生がいるので、リモートなどで通訳が可能です。症状が重い場合、内臓疾患系は通訳として同行します。
重い病気、複数回の通院が見込まれる場合、必ず、領収書は持って帰るよう伝えておきましょう。

技能実習生総合保険を活用する
私は技能実習生たちにあらかじめ技能実習生総合保険に加入済みであることを伝えておりません。社会保険の3割負担分までカバーできると知られると、大した病気やケガでもないのに通院する人もいます。以前、整骨院にマッサージ代わりに通院した者がおりました。
軽度な病気ですぐに治療を終えた場合なども案内はしません。
何度も通院するような病気の場合、対象の技能実習生をこっそり呼んで保険請求できることを伝えます。領収書を回収し、保険請求を行います。
社会保険の傷病手当金の活用
仕事以外のけがや病気により、長期間の休養が必要になった場合、傷病手当金が社会保険協会などから支給されます。
私の組合での事例
- 組合の実習生が、火傷を負って1週間休んでしまった。
- 外科手術を行い1週間以上休んだ。
この間、有給を使えば100%給与は補填されるものの、中には有給休暇を使い切ってしまった人もいます。また、企業としては自業自得なのですべて有給処理したくないという気持ちもあるでしょう。その場合は傷病手当金の制度をご検討ください。
傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
労災事故に遭った場合
労災事故に関しては、企業が対応いたします。
労災事故は詳細を聞き、企業に対して臨時監査を行います。労災保険給付の請求の写し、経緯、事故の内容、改善防止策が記載された事故報告書の写しを回収。数日間休養する場合は労働者死傷病報告(休業4日以上)を作成してもらい、写しを回収します。
外国人技能実習機構への提出物
- 臨時監査報告書
- 労災保険給付の請求の写し
- 事故報告書(経緯、症状、今後の改善について書かれたもの)
- 4日以上休業する場合は労働者死傷病報告の写し
労災隠しをする企業はまだまだたくさんあります。三か月に1度の定期監査だけでなく、毎月の指導訪問時にも企業だけでなく技能実習生にも労災の有無を確認しましょう。

労災隠しは犯罪です!
労働者死傷病報告の提出義務に違反したときには刑事罰が科されます。 具体的には、労災隠しの刑事罰として、50万円以下の罰金と規定されています。 なお、労災隠しの場合、法人・事業主ともに同様の刑事罰を受ける可能性があります(労働安全衛生法第120条、121条)。
技能実習生に対しては、配属前などにも念押ししておきましょう。
実習中に怪我をしたときは必ず企業と組合に報告するよう、強く伝えてください。