ネットバンキングの不正送金。聞いただけで振り込め詐欺を想像してしまいます。
振り込め詐欺でもネットバンキングは使われることもあるかもしれませんが、外国人技能実習生を利用した詐欺が広まっているようです。
先日、受入企業から連絡が入り「地元の県警が実習生に注意喚起をしたいから、才谷さん通訳に来てくれる？」とのことで、通訳に行って来ました。県警なんだから中国語を話せる警官なんてゴロゴロいるだろうに…。わざわざこのために行くのも非常に面倒。この前巡回に行ったばかりなのに突然の呼び出し。来月の巡回に含めたくなりますな。
某県警の担当者が３名。
サイバー犯罪を担当する部署の人間たちで、多くの中国人実習生が犯罪に加担しているとのことで注意喚起をしてくださいました。詐欺の内容も聞いたことがなく、一体何のことかわからなかったので、通訳の前に詐欺の手法について説明してもらいました。
手口の流れ：
- 犯罪組織が誰かのネットバンクの情報（ID、パスワード）を盗む
- 犯罪組織が外国人技能実習生の口座（リアル店舗の銀行または郵便貯金）を手に入れる。※実習生から売ってもらう事が多い。
- 盗みだした１．の口座から実習生の口座へカネを不正送金する。
- だし子が実習生の口座からお金を引き出す。
…。
８４％のが外国人技能実習生の口座。
悪用口座名義の８割が技能実習生であり、大半が中国人とのことでした。
警察が実習生たちに説明していましたが、扱いは完全に犯罪予備軍。彼らに語りかける際の口調はひどいものでした。
「あなた方中国人技能実習生が犯罪を犯しているんですよ！」
「８４％の中の殆どは中国人実習生なの！わかってる！？」
「誰かに通帳を売っていませんか？給与口座以外に通帳を作っていませんか？」
実習生５人はおとなしく聞いていましたが、説明終了後、日本語の上手な実習生が軽く切れていましたね。何もしていないのに犯人扱い。ひどいもんです。
実習生の通帳を買い取る業者はネットでも「あなたの通帳を買います」の広告を出しているそうで、微信、QQなどのSNSでこのような広告を見かけた場合でも、絶対に口座を販売しないようにとのことでした。
更に警察は、企業や監理団体についても実習生の銀行口座を徹底管理し、給与口座以外の通帳を作らせるなとのたまわっておりました。
「その前にさあ…」と私は言いたい。
給与口座以外の口座をどうやって管理するんだｗｗ
そんなのは企業や監理団体の責任外でしょう！
外国人技能実習生が失踪した時、パスポートコピー、在留カードのコピー、通帳のコピーを警察に届け出ました。彼らだって通帳を販売してしまう可能性が高いです。本人以外は解約できないのはわかっていますが…これだけの情報を得ているのだったら、公権力で超法規的に彼らの銀行口座を解約させるとかすればいいのに。
外国人技能実習生が勝手に通帳を作って販売したら困るから、企業と監理団体で管理してね！って…話の筋が違いすぎるでしょ！
石川県警にも同様の注意喚起をしておりました。
【技能実習生の方にご指導いただきたいこと】(1) 上記のような行為は犯罪であること。(2) 「犯罪だとは知らなかった」という考えは通用しないこと。(3) おかしいなと思ったり、自分では断れないような誘いを受けた時は相談すること。(4) 友人に誘われたら、誘いに乗らず、友人にもやめるよう説得すること。【企業の方にご配意いただきたいこと】◆ 帰国時には、金融機関口座の解約を済ませたかどうか必ず確認してください。→穴を開けた通帳を見せてもらう、解約の際には金融機関に同行する など◆ わからないことがあった時は、警察や担当機関の窓口などにご相談ください。→石川県警察本部生活環境課サイバー犯罪対策室 076−225−0110（内線 3494）石川県警察本部
リンク元：http://urx3.nu/um7y
「外国人技能実習生の犯罪を抑えるために、母国で保証金を取るようにすれば犯罪を起こさなくなる」by某県警警官談
それは…入管法違反だからだめだっ！
と、伝えました。もっと勉強してこいよ…。
