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外国人技能実習生制度の存在意義自体が、マスコミや有識者たちの間で問われています。
メディアは実習生制度を現代の奴隷制度と伝えたり、ニュースも実習生制度に関する悪いことばかりを報道しています。
過労死、人権侵害、賃金不払い、失踪、殺人事件、実習職種と現場作業との齟齬…格好のニュースネタです。良い部分もあるのだけれど一切報道しない。
NHKの討論番組でも、実習生制度について批判的な討論が行われていましたが、研修生と実習生をごっちゃに論じていたので呆れて物が言えませんでした。
以前、まだ研修生制度・実習生制度の時代だった頃、私が担当していた企業さんに某大手左翼新聞から取材の依頼がありました。私は前の職場でマスコミ連中と接触があり、何度か彼らに裏切られたことがありました。信用ならない連中なので、私は「取材は受けない方が良い」と組合の理事に話したのですが、
「いいじゃない!取材内容は『友好的』なものだよお」
確かこんな感じのテーマでした。
私も渋々取材に立ち会いました。
その企業さんは1年の研修生を受入れていて、現在でしたら惣菜職種で3年実習可能ですが、当時は惣菜職種がなかったので一年の研修のみ。
実習生を温泉に連れて行ったり、ディズニーランドへ連れて行ったり、会社負担で地域の日本語教室に通わせてあげたり。実習生たちの日本語もすぐに上達していきました。終始和やかな雰囲気だったのですが、新聞に掲載された内容は全く違うものでした。
企業も私も怒りましたね。マスコミなんてこんなものです。
そもそも研修生時代は残業をさせてはいけませんし、研修手当として8万円。もちろん非課税です。
必要悪の制度と言い切ってしまうと悲しい物がありますが、現状の日本の労働現場を見る限り言い当て妙としか言いようがありません。批判はありますが、外国人労働者の力が必要なのは現状を見ての通りです。
マスコミが、
「外国人技能実習生制度は悪い制度だっ!無くしてしまえ!」
と言ったらそれが正しいのでしょうか?
では、不足した労働力を日本人だけで補えるのでしょうか?
仮に制度を廃止し、国が言う移民制度を実施したとして、外国人がたくさん入ってきたとします。
手放しで受けいれたら…国も自治体も、人材派遣会社も、雇用主も管理しきれませんよ。
現在、日本の製造業では働き手が不足しています。
本来労働力確保のために外国人技能実習生を受け入れるのは誤りです。建前上は実習(現場作業)を通じて技能を習得してもらうこと。外国人に伝えられる技能がある会社で、実習を通じて技能を伝えれば良いわけです。労働力確保目的で受入れたけど、結果的に技能もしっかり伝えられた。これは結果オーライではないのか?
技能が先か、労働力確保が先かの違いです。だからどの企業も建前は前者を取るわけです。
外国人技能実習生に頼らざる負えない状況が生産現場で続いています。
とは言え、外国人技能実習生を受入れていると、時折マスコミが上述のような報道をする。人が集まらない企業にとっては「日本人が集まらないからだっ!どーすりゃいいんだ!」と叫びたいところでしょう。
現場スタッフの正社員登用、待遇を厚くすれば良いのでしょうけど、多くの企業ではそこまで負担できません。法律でガチガチに決めてしまうか、労働制度上革新的なことが起こらない限り、いわゆる3K職場の日本人の登用は困難を極め続けることでしょう。
外国人労働者とは嫌でも関わらざる負えない状況がやって来ている!
しないでしょうね…。実習生制度のように監理団体、入管、JITCO、外国人技能実習生機構の目が光っていませんから。現場労働者として移民をガンガン入れてしまったら…。
日本のモラル、文化等を一切学んでいないが故に起こるトラブルは無数にあります。
現在、地元警察、入国管理局が協力して、不法滞在者、実習先から失踪して不法就労している元実習生を取り締まっているものの、手が回らない状況です。
失踪した元外国人技能実習生と入管、警察のイタチごっこは終わらない
これが移民だったらもっと大変ですよ。
その点、外国人技能実習生制度は1~3年の時限付きです。
3年以上は日本に滞在することは出来ません。ずっと居座り続ける移民と比べたらよほど安心です。それと、転職もめまぐるしいです。溶接等の作業者は、派遣社員として外国人を雇うことが多いですが、他の会社の時給が50円高いからと言ってすぐに移ってしまうことなんてざらにあります。
しかし、だからと言って何でもかんでも受け入れてはいけません。
相応しい企業、相応しい職種で技能実習を行わなければなりません。
上記6点は最低限確保して欲しいです。
算盤勘定、安かろうだけで受け入れる。日本人がドンドン離職していく企業。ファミリー企業で身内以外は人扱いしない企業はNGです。まあ、この当たりは受入れてみないとわからないことなんですけどね…。
上記6点に加えて、どうして技能実習生を受けれるかをよく検討してみましょう。
人材不足を補う目的だとした場合、どうして自分の会社には日本人が定着しないのか?ファミリー企業で身内びいきで一般の職員を低賃金で扱っていないか。嫌な仕事ばかりやらせていないか。有給を取らせないなどの問題はないのか。
実習生に良好な住環境を与え、賃金等の待遇面を充実させることができるのか。
受入れ前に自社の行い、現状を振り返り、受入れをする必要があるか?受入れをする前に改善すべきことは何かを検討して下さい。よ~く考えてから受入れを決めることです。
派遣機関については長くなりますので、こちらをご参照ください。
派遣機関の選定は慎重に。どんな派遣機関がおすすめですか?
私も数々のブラック企業、DQN経営者と接してきました。
法律を守らない連中は切ってきました。新規の受入れを依頼されても頑として断ってきました。
「他の組合に当たってみてはと言いたいのですが、御社は受入れの資格はありませんよ」
心を鬼にして(売り言葉に買い言葉で言っちゃったこともあるけど…)彼らには伝えてきました。それでも、是正してくれた企業も多くありました。
中には言ってもわからん連中もありましたが、言わなきゃ監理団体として監理不行き届きで罰せられてしまいます。法律を守る。職種の必須作業をきちんと行う。払うものはしっかり払う。技能実習生の待遇を良くしてあげる。彼らとコミュニケーションを取る。
外国人技能実習生制度はきちんと運営できれば、アメリカが行ってきた移民受け入れなんかよりも全然良い制度だと思うんですけどね。アメリカだって、移民を単純作業でこき使ってきたり、ちょっとした犯罪でも刑務所にぶち込んで、東南アジア未満の低賃金で働かせているんだから、奴隷制度呼ばわりする資格は無いはず。
監理団体、受入企業が法律を守ってと運用できれば、マスコミやアメリカに四の五の言われる筋合いはありません!
みんなできっちり運用すればとても良い制度なのです!