トラブルをいかに処理するかも大事ですが、一番大事なのはトラブルが起こらないように、実習生に事前教育を行い、ルールを守らせ、日々の巡回で実習生たちの生活態度や勤務態度を律していくことが大事です。
それでもトラブルが起こってしまった場合は、適切に対応するしかありません。
トラブル処理を上手にこなして、褒められる職員がいます。
実習生がケンカした、企業が労基署から是正勧告を受けた後の対応についてです。
自分の監理している企業でしょっちゅうトラブルが起こり、しかも似たようなトラブルが頻発しているとします。その度に担当が出張って解決する。一見、監理団体の上司からも、企業担当者からも感謝されそうです。
しかし、トラブルが起こってから動くのは当然のこと。
トラブルが起こらないように企業を監理していくことが大事なのです。
私の上司も職員を評価するときに、トラブル処理の多寡を参考にします。
この企業の担当はトラブル処理に走り回っています。
「大変そうだなあ」
「あいつほとんど出張で事務所に来ないなあ」
「仕事がんばっているなあ」
「火消しばかりやって、偉いなあ」
いやいや…。
トラブルが頻発するのは、普段からきちんと監理していないから起こるわけです。
担当している企業にトラブルが起こらず、平和に順調に巡回ができている状態が最高なんです。
「あいつ暇そうだな」
「ルーチンワークしかしてないな」
そう思っているクソ上司もいるんですわ^^;。
監理がずさんな奴、学習能力のない奴、自分の上司にも同僚にもいます…。問題を芽のうちに潰せずに、以下のように放置しています。
建築にありがちなのですが、移動時間が含まれないため、契約額を下回ることがあります。実習生募集時に実情を説明し、それでも了承してくれる人の中から選抜すれば良いのにそれをしない。ストライキまがいのことが、受け入れて間もなく必ず起こる。
誰と誰が仲が悪いなどを把握していない。
実習生に対するインタビューが甘い。
36協定の特別条項をオーバーしている等。
監理団体として指摘せず。というか実情すら知らない。労基が臨検に来て初めて現実を知るパターン。
普段やるべきことをやらないで、「さあ大変!トラブルが起こったぞ!」と走り回っているのはできる監理職員ではありません。
雇用条件と実情をきちんと伝えていれば起こりえない問題です。
説明しないのは完全なる怠慢。ストライキだけでなく失踪者すら出かねません。
しょっちゅう口喧嘩をしている状態であれば、対策がとれます。二人から事情を聞き、こちらが仲裁に入る、諭す。それでもケンカが絶えない場合は、部屋替えをする等。
実情を知らずに漫然と巡回している人は異変に気づきません。
寝耳に水では済まない問題です。監査で分かった時点で注意をする。聞き入れてもらえない場合は、文書で指導をする。それでも逆ギレするようなDQN企業が過去ありましたが、こちらから入管に報告してやりました。
上記対策をしてもトラブルが起こってしまうのは事故です。
その際は粛々と処理を行いましょう。
企業にも実習生にも問題がないのが理想です。ただ、毎月巡回していると、小さな芽がありますから。漢方で言うところの未病ってやつです^^。
企業「またあの担当者が来た。別に用もないのに来てもらってもねえ…」
実習生「毎月別に来なくてもいいのに」
これくらいが安定ですねw
問題はないから別に来なくてもいいのに…と、思われるくらいがちょうどよいです。そう思われてももちろん巡回は行います。義務ですからね!
嫌な仕事、損な仕事をしたくありません。だったら普段の仕事をきちんと行うことです。
企業に言いづらいこと、お願いすべきことをしない。残業時間が多すぎる、クレーン教育を行っていないなどわかっているのに注意しない。実習生の日本語レベルが低いのに、勉強をするように指導していない。日本語ができない状態で日本で暮らすことの危機感を抱かせてない。
これじゃあダメです。
きちんと管理したいのなら、トラブルなく受入を行っていくためには言いづらいことも伝えていく。
実習生に日本語を継続的に勉強させるのは至難の業です。彼らの中には絶対に勉強しない奴もいますし、こちらも根気よく説教しながら学習を促すのもものすごく疲れます。しかし、日本語ができる実習生が一人、二人と増えてくるとものすごく管理が楽になります。企業と実習生の意思疎通が容易になります。日本人との関係が良くなるし、仲良くなるとトラブルも減ります。乱暴な言い方ですが、自分が楽したいのなら、常日頃の管理を厳しくすることです!⇒外国人研修・技能実習生支援マニュアル