「大吾郎、お前んとこの組合、外国人技能実習生やってんだろ?うちにも安く入れてくれよ!」
叔父貴と従兄から言われました。叔父貴は現在会長職に就いてはいるものの半ば隠居状態。実質的な経営は社長である従兄が行っています。従業員数は事務員を含めても12人。外装工事の零細企業としては、まあまあの規模らしいです。
小学5年生の頃、叔父に駆り出されて夏休みにアルバイトをしたことがありました。2週間くらい勤めましたかね。当時はミニ四駆にハマっていて、稼いだお金でスポンジタイヤなどのパーツを買っていました。当時の日給は800円!戦後とかじゃないですよ!90年代です!
今の御時世にこんなことしたら児童労働、不当労働行為で訴えられます。当時の自分はこんなにくれるの?!と、喜んで働いていましたわい…。恐ろしい。 その後も、中学、高校、大学に入ってからも夏休みには駆り出されました。ブロック運び、土方、モルタル捏ねなどの雑用がメインでした。当時の社長の甥っ子であるにも関わらず、従業員からの当たりはきつかったです。
今でこそ、有給、社会保険等は加入していますが、当時は酷いものでした。だから、従業員を募集してもすぐに辞められたり、入社した人間もろくに使い物にならない、仕事の物覚えが悪い、段取りが悪い。訳ありの人などなど。離職率は以上に高かったです。
だから人が育たないんです。
長くても2,3年でしたね。
私が夏休みの度に叔父の会社を手伝っていた時、従業員のメンツが変わっていることがほとんど。仕事はきついし、指導者もいない(いても指導できない)。労務管理も無茶苦茶でした。
私も従業員からの嫌がらせに遭い、指をブロック塀に潰されたことがあります。ブロック塀を解体している時のことでした。大事には至らず回復しましたが、これでも労災扱いせず、自分の国民保険で治療。叔父や従兄に「あ、あいつがわざとやったんだ!」とチクるのも嫌でしたし泣き寝入りしました。
すみません長くなりました。
まあ、こんなDQN企業で外国人技能実習生の受入れを検討しているのです。従業員が定着しない、安い労働力がほしい、これらが受け入れの理由です。もちろん、こんな動機で受入れをしてもまともに管理できるわけがありません。
受入れをする場合、賃金は最賃とのこと。幸い、移動時間も勤務時間に含まれますが、近所の現場が多いので大抵片道30分未満です。有給は制度としてあるけれど、体調不良、自己都合による有給は欠勤扱い。有給システムを享受できるのは、社長一族だけです(笑。
専務とか常務みたいなのもいるのですが、これまた社長一族。
本来現場での指導的役割をはたすのですが、
「あいつは仕事が遅い。いくら教えてもむだ」
「他の社員にやらせても遅いから、俺がやった方が手っ取り早い」
これらが口癖です。
仕事の能力や上手い下手は社員本人たちに責任があるけれども、組織として従業員を育成していくことは管理職の任務。納期に間に合わせるために、お客さんから信頼されるためにも部下をきちんと育成して、成績をあげていくこと、従業員を監理していくことが管理職の役割。
でも、こんなこと露程にも感じていませんからね…。
「従業員の能力頼み、従業員を指導して管理していくことが管理職でしょ!」
と、親戚の集まりで私も何度彼らに言ったかわかりません。一笑に付されたり、そんなことは従業員本人たちの問題だ!で片付けられてしまいました。
外国人技能実習生はそれよりも手のかかる人達です。
これらを諄諄と話しましたが、なかなか諦めてくれません(笑。
そもそも、管理者たちが日本人従業員たちに仕事をまともに教えられない。後進の育成が出来ていないのに、いきなり外国人を受け入れて仕事を教えられるのか?
「色々な面でキャパが足りないから、受入れは辞めたほうが良い」
ズバリ伝えました。
もう嫌なんですよね…この規模のドカチン企業で起こるトラブルなんてだいたい予想がついています。受入れても、賃金が安い、従業員から嫌な目に遭わされる。社長に相談しても助けてくれない。挙句の果てに失踪や中途帰国…。
私が学生の時にアルバイトした時も、
「今日はどこの現場ですか?」
「現場だよ!」※答えになってねえ…。
「○○のやり方がわからないので、教えてください」
「しらねーよ。自分でやれ」
こんなやり取りばかりですからね…。
受入れを断って良かったです。
親戚には甘くするよりも厳しくしなくちゃね。