実習生同士の喧嘩…。
5年くらい受け入れていれば1度や2度は起こる面倒な出来事です。
受入企業(実習実施機関)に中国人スタッフや中国語の話せる日本人が入れば話は違ってくるけれど、大体は監理団体に電話がかかってきます。
「実習生同士が喧嘩している。なんとかしてくれ」
と。
喧嘩の理由なんてバカバカしいものが大半です。
まあ、その方が安心なんですけど。どうでも良い理由なら仲直りもさせやすいし、再発防止もしやすい。喧嘩の理由が恐ろしく真剣なものだったら、逆にゾッとしますよね…解決も難しい気がします。
自分の経験上、喧嘩の理由はこんなものです。
喧嘩の理由
夜中遅くまでゲームをやるため、同室者が眠れません。
ゲームをするのは構わないのですが、彼らのパソコン操作は非常に荒く、キーボードを叩きつけるように押す。マウスを投げる。叩きつけます。イヤホンをしていても音が漏れています。
何よりうるさいのが実習生達の声。ゲームで負けそうになると大きな声で罵り言葉を放ちます。 寝ている人がいたら起きちゃいます。実習生同士で迷惑している分にはまだましなのですが、隣室の日本人居住者に迷惑をかけるのが一番怖いです。
大きく分けるとこんな感じです。
もちろん、仕事中に喧嘩することもあります。手の遅い実習生が先輩の実習生に怒られてばかりいて、切れた挙句に先輩をスパナで殴打。病院送り。
中国人実習生の喧嘩の特徴
実習生は中卒、専門学校(中学校卒業後通う学校)卒が多いです。普通高校卒業の人もいますが、割合で言うとやはり中卒、専門卒の方が多いですね。日本では学歴の高さがその人のモラルの高さに比例する事は殆どないですが、中国人実習生に限っては結構比例します。
殴り合いに発展するのが早い。
日本人同士なら口げんかしているとだんだんエキサイトしてきて、胸ぐらを掴み合います。そのため、周囲に人がいる場合止めやすいのですが、中国人の場合はいきなり鉄拳が飛びます。
凶器の使用
すぐにエキサイトして手を出すケースが多く、手元に凶器となるものが転がっていると流血沙汰へと発展しかねません。私が今まで処理してきた喧嘩で使用された凶器は以下のとおりです。
事案については後ほど一つ一つ紹介していきます。
これらの凶器を見ると、スパナと丼鉢以外は打ちどころによっては一撃必殺のアイテムです。つまり、彼らが本気で怒ったら、
私は実習生らに「どうして凶器を持つのか!」と聞いたところ、実習生らは「凶器を持って相手を威嚇すれば喧嘩にならないと思うからだ」と答えていました。
凶器を持ちだして相手をひるませ、喧嘩の収束を図る…。なるほど…。
でも、怯んでないんですよっ!殴ってるんですよ!
喧嘩は即帰国っ!?
喧嘩をした後の実習生達の処遇です。
私は基本的に喧嘩をした者たちについては、即帰国というスタンスでいます。
しかしながら、企業さんの多くは帰国に反対します。それはそうですよね。わざわざ現地まで行って面接して選んだ実習生が、来日1,2年目で帰国されてしまってはコストも合いませんし、現場の人数が減ってしまっては生産にも悪影響が出ます。
帰国のケース
とはいえ、企業さんがすべての喧嘩を許すわけではありません。厳しい企業さんは、実習生が喧嘩したら「すぐに帰国させろっ!」と言います。
帰国にまで至らないケース
我々監理団体は、実習生全体の統率のために「帰国だっ!」と言えますが、企業さんにとってはプライベートで喧嘩した際「すぐに解雇」はしにくいですよね。警察沙汰にまで発展してしまった場合はともかく、2,3発殴った程度であれば解雇は難しいです。
確かに、日本人従業員が冬休みにスキー場に出かけて、ヤンキーと殴り合いの喧嘩をしたからといって解雇するのは難しいですもんね…。
ひどい場合でなければ帰国には至りません。
喧嘩を防ぐ、再発防止のためには?
喧嘩はいけない。人を傷つけてはいけないことを小学生相手にこんこんと話すように説明します。それだけはなく喧嘩をしたら刑罰が待っていることを伝えましょう。
喧嘩防止で一番効果的なのは?
お金です。
実習生は建前やキレイ事を抜きにして日本にお金を稼ぎにしています。だからより多く貯金したいし、消費は抑えたい。浪費なんてもっての他です。喧嘩をしたら金銭的にどんなデメリットがあるのかを説明します。
刑罰、帰国も彼らにとって恐ろしいことですが、何より嫌なのがお金がかかることです。
「前にいた実習生が喧嘩して○針縫った。○十万円の費用がかかった」など事例を上げて、どれだけお金がかかるのかを説明してあげて下さい。
超例外。絶対にやっちゃダメっ!
クソ団体やクソ企業が「喧嘩したら罰金。〇〇したら罰金」と、罰金ルールを設けることがありますが、これはやっちゃダメです。最近はこんな企業減ってきたと思いますがね。罰金を取られて労基や入管に駆け込まれると面倒ですから。罰金ルールは絶対にやめましょう。
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