年末年始休暇は企業により6~8日間のおやすみでした。日曜日だけしか定休日がない企業さんは年末年始休暇かが他の企業さんより少し長いですね。
中国人、ベトナム人は太陽暦の新年にはお祭り騒ぎをせず、旧暦のお正月を過ごします。だから日本で1週間ほど休暇をもらっても、別にやることもなく、旅行するにもお金がかかるから宿舎でじっとしていることが多いですね。
ところが、今年は一時帰国した実習生が6名ほどおりました。
特別、実習生の家族に不幸があったわけでも、冠婚葬祭があったわけでもありません。
「家族に会いたいから」
というのが、主な理由です。
以前でしたら、私はよほどのことがない限り実習生の一時帰国は反対でしたし、許可しませんでした。一時帰国したら二度と戻ってこないという心配があったからです。
しかし、止む終えない事情で一時帰国した実習生たちの99%は日本に戻ってきました。大昔に一人二人戻って来なかった人もいましたが、ほとんど問題ありません。
また、昨今の中国人実習生も変わってきました。モラルも徐々に向上し、ルールも守る人も増えてきました。よほどのことがない限り馬鹿なことはしなくなったような気がします。あくまで、私の担当している企業の実習生のみですけど。
一時帰国を希望してきた実習生たちは、みんな勤務態度も良かったしマジメな性格なので、一時帰国させたとしても万が一のようなことは起こらないだろうと判断しました。奥さんや子供と会ってリフレッシュすれば残りの実習にも身が入るだろうし、やっぱり3年間一度も帰国しないで実習を続けるのはきついですよ。
お金を貯めるのが第一目標ですが、家族に会う、気分をリフレッシュしたいという気持ちを優先してお金を使うことは悪くないですね。
私も中国駐在時代は1度だけ一時帰国したことがあります。一時帰国すると、リフレッシュできるだけでなく、中国の良い部分や悪い部分を客観的に見られるし、中国でやりたいこと、勉強したいことが整理できたのでとても有意義でした。中国語をもっと頑張ろうと思ったのも一時帰国をしてからでした。
今回帰国させることができたのは、受入企業のご協力があったからにほかなりません。数年前の中国人実習生と違い、ある程度心に余裕があると言うか、精神面でリラックスしたいという人が増えてきました。そこで、企業に対して一時帰国の許可願いがあったら、できるだけ却下せずに受け入れてほしいとお願いしました。
というルールを設けました。
しかし、いざ、帰国の話が出ると、万が一のことを考えすぐに許可はしてくれませんでした。現場責任者や生活指導員の方の一存では許可してくれません。やっぱり部長クラスの許可が必要になってきます。
私は最初現場クラスと折衝していたのですが、返事をはぐらかされてしまいましたので、直接部長とお話させていただきました。
中規模企業の幹部となると、大体大手企業から出向して来た人、移籍した人が多いため海外駐在のご経験があります。多くはアジア系での駐在経験があり、外国暮らしの酸いも甘いも知っています。
「まあ、3年間日本に居続けるってのも辛いよねえ」
「部長も長いことあちらで駐在されていたので、気持ちはわかると思います。一時帰国すると逆にまたやる気が出るんですよね」
「そうそう、リフレッシュって大切だよ。いいよ。どうせ年末年始休暇を利用して買えるんでしょ?許可しますよ」
OKをもらいました。
帰国した実習生は6名。企業数は3社です。3社とも海外勤務の経験のある部長クラスの方が許可を出してくれました。
ありがたいことです。
それと、外国人技能実習機構が設立されるので、休暇の過ごし方に制限を加えるとあとで厄介なことになりますし^^;人権人権うるさいですからなあ…。
一時帰国した実習生は全員無事に帰国。
これからこういうケースが増えてくると思います。
とは言え…野放図に帰国要請を受け入れるよりも実習生の実習態度ありきで決めた方が良さそうです。