実習生同士がケンカっ!仲裁は難しいのかな

中国人技能実習生同士の喧嘩。
ケンカの理由にもよりますが、厄介な事この上ありません。私は一人で仲裁に入りますが、同国人同士のケンカですから、基本的に中国人の方に仲裁してもらうのが一番です。

例えば、あなたがケンカをしている時(ケンカ相手は日本人)に、拙い日本語を話す外国人に諭されたとしてもあまり聞く耳を持たないでしょう。説得の仕方も違う、同国人としての気持ちがわからない…など。
ケンカの仲裁と言っても、どつき合いをしているところに割り込んで「やめろ!やめろっ!」と言うわけではありません。監理団体の人間が駆けつける頃にはどつき合いが終わっていて、事務室なり食堂に呼び出された両者がちんまり座っているところです。



今後ケンカをしないように仲直りしてもらう説得するのみ。
帰国するにしても、残留させるにしてもとにかくまた殴り合いを始めさせないよう抑えなければなりません。

ケンカの理由は前回の記事で書いたとおりです。
多くのケンカの理由は些細な事です。性格の不一致や生活習慣、夜中のゲームの騒音…。

中国人技能実習生同士が喧嘩っ!仲裁に入るっ!

ちょっと厄介なのは賭け事などの金銭絡みのケンカです。
金を払った、払わないで揉めてしまうとこちらは仲裁できません。金銭トラブル、しかも宿舎での大立ち回りとなったら、企業さんも帰国させるよう言ってきます。

実際にこのようなトラブルが起こりました。
賭け事で負け続けた実習生が支払いを渋ったのがケンカの発端。勝った相手も悪いやつで、支払いを滞らせた腹いせに利子を請求。何%か忘れましたが、確か利息が十一(といち。10日で一割の金利)以上でした^^;あまりの無茶振り。これはひどいっ!

で、ケンカが勃発。
起きたのは昼休み。宿舎の厨房でのことでした。

支払いを渋った相手を素手で殴り、倒れたところにサッカーボールキックっ!債務者は手元にあった瀬戸物の丼鉢を持って、起き上がりざま反撃っ!頭部への一撃っ!

債権者は頭を抑えて怯みましたが、彼は再び追撃、頭頂部へ重い一撃。
うずくまって倒れたところへ更にもう一撃を加えようとしたところ、周囲の中国人たちが止めたそうです。

これらは周辺に居た中国人実習生たちの証言によるものです。
なんせこの企業さんは20人ほど中国人実習生がいたので、まさにチャイニーズVillage!

立ち上がらなくなるまでケンカを続けますからね。
日本人同士のケンカでも度を越すことはあるけれど、小さい頃ケンカの経験がある人は「これ以上やったら危ない」とわかるし、相手が戦意喪失したらそこでやめになりますが、彼らは徹底して傷めつけるので本当に怖いです。
額から流れ出る大量の血。
しかし、企業さんも慣れたもので、救急車などを呼ばずに応急処置っ!
私が到着した頃には包帯を巻いていました。

私は即刻帰国させる旨を本人、企業に伝えたところ、企業は大喜び。

「是非、帰国させましょう!」

なぜ喜ぶのか?
以前のうちの担当が中国人で、実習生がなにか問題を起こしても実習生ばかりかばっていたので嫌気がさしていたんです。

実習生二人はカネのことをあーだこーだと言いましたが、帰国という結論は変わりません。
お金のやり取りまで我々が介入する必要も無いのですが…。とりあえず賭け事はチャラにして、返すべきかねは返せと伝えました。イカサマだ何だと言っていましたが…カイジの地獄チンチロに出てきた大槻班長じゃあるまいし…。



債務者の言い分:

「こいつをぶん殴ってせいせいしているのは俺だけじゃない!みんなこいつのことを嫌っているんだ」

「こいつはみんなを騙しているんだ!」

「みんなこいつを殺したいほど憎んでいるっ!」
殺したいほど憎んでいる…か。だったらなおのこと帰国させなければなりません!
ケンカだけで十分おなかいっぱいなのに、殺しまで起こってしまったらそれこそ手におえません。
どんぶりでぶん殴った債務者の方は帰国を了承しましたが、債権者は了解せず、説得に次ぐ説得。それでも納得はしてくれませんでした。

・ケンカをしたので懲戒解雇処分
・解雇させられたら会社にいられないどころか宿舎に住めない
・帰国しないのならケンカで流血沙汰になったことを警察に通報する

これらを説得材料にして荷造りだけはさせました。帰国日は翌日。
ささっと済ませて帰さないと彼らは調子に乗りますし、彼らの無茶な要求に耳を傾けないようにしましょう。帰国と決めたら即刻帰国。

帰国当日もゴネましたが、荷造りはしてありましたので、荷物を積ませて空港へ。
その日は私が債権者を車に載せ、企業さんにもう一台車を出していただき債務者を乗せて空港へ。

もちろん搭乗する便は別々です。

セーフティーチェック、出国審査のゲートをくぐってからドンパチやられても困りますからね。

この時も面倒でした。やっぱり本気で怒った中国人を相手にするのは大変です。
中国語でやり取りをするわけですが、エキサイトしているわ、方言はキツイわでわかりません。エキサイトしているのに「悪い、もう一回言ってくれない?聞き取れなかったから」と言いづらかったですよwでも、その間抜け具合が彼らの戦意をいくらか削いだのかもしれませんけど^^

コメント

  1. 高橋 より:

    初めまして。
    最近、才谷様の記事を読ませて頂いている者です。
    本当に目から鱗という内容のものが多く勉強させて頂いてます。
    今回は、外国人技能実習生の騒音についてアドバイスを頂きたくコメントしました。当方の家の向かい側には、技能実習生(中国人)の寮があります。こちらの中国人たちがとにかくうるさく困っています。受け入れ企業に連絡したところ、対応はしたようですが効果なしでした。(企業の総務担当がおとなしい方で…)あまり、何度も企業にクレームを入れると威力業務妨害で反対に訴えられてしまう可能性もあるので、ぜひ管理団体での経験から対策方などを教えて頂けませんでしょうか?
    お忙しいと思いますが、よろしくお願いいたします。

    • 才谷大吾郎 より:

      コメントいただきありがとうございます。以前、まさに同様のコメントを頂きました。

      私の場合技能実習生に1,2回の警告、それでもだめなら必ず帰国させております。
      企業と監理団体の管理能力が低すぎますね。
      マンション管理人も手を売ってくれないようでしたら、次に騒いだら警察に通報しましょう。一般的な企業でしたら警察を呼ばれることを非常に嫌がります。
      「次騒いだら警察を呼ぶ」
      これは企業と実習生本人に伝えたほうが良いと思います。

      • 高橋 より:

        才谷様
        お忙しい中、お返事ありがとうございます。同様のコメントがあったにも関わらずお手数をおかけしました。
        やはり、警察を呼ぶのが効率的なんですね。技能実習生は日本語が分からなそうなため企業に言ってみたいと思います。
        また、才谷様の記事あった外国人技能実習機構に匿名通報などもしてみようと思います。
        今後お時間ありましたら、騒音についての才谷様の考えなどを記事にして頂けると参考になります。
        この度はありがとうございました。

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