厚労省発行の外国人の活用好事例 日本人は外国人のために我慢して優遇しなくてはいけないの?

厚労省が発行している外国人の活用好事例なる冊子をダウンロードしてみました。

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11655000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu-Gaikokujinkoyoutaisakuka/741015kkf0920.pdf

外国人技能実習生の管理に役立つかなと思い手にとってみました。ちょっと読んでいると首を傾げたくなるような内容が多かったです。もちろん、あくまでウォール街を闊歩して歩いているエリート外国人のような人々を対象なのでしょうけど、中小企業に当てはめるのは難しいと思いました。

たまには少し感情的になって感想を書きなぐるのも良いでしょう^^

 

外国人社員様様?

外国人の採用方法、評価方法、生活のケア、言語の問題などなど。とにかく外国人が日本で気持ちよく生活していく、仕事ができる環境を整えることを推進している冊子です。

ここで書かれているのは、「外国人社員」と一括りに書かれています。外国人社員といってしまうと、外国人技能実習生、日本人または外国人定住者の配偶者ビザで滞在している外国人、就労ビザで働いている外国人すべて含まれます。

しかし、この冊子で取り上げているのはおそらく高度人材と呼ばれる外国人、または外国人留学生の新卒者だと感じました。
外国人技能実習生を受入れたい、受入れざる負えない企業はよくわかります。
ただ、とにかく外国人を採用しよう、外国人を採用することは何となく良いという風潮があるような気がします。

このイラストを見ただけでものすごい違和感を感じました。白人はビジネススーツ。ホワイトカラー層は白人。有色人種の多くは作業服にヘルメットをつけた現場作業員。外国人を日本人と平等(というか外国人を偏重、優遇)に扱おうとするメディアや政府ですが、イラストを見ると人種に対する根底的な思いが垣間見られます。

「イッテQ」などの海外ロケ番組を見ていると、白人の日本語訳は太めの声で「おまえ」「~だろ」「~しろ」などと命令口調ですが、アジア系の日本語訳は甲高い声で敬語、もしくはお笑いキャラのような間抜けな声です。欧米白人への畏怖、このイラストを描いた人の感覚もこれと似たようなものでしょう。

公正な評価って何よ?

冊子では外国人社員が納得できる公正な能力評価を構築することが必要と書いてあります。日本的な社員評価では外国人社員が納得しない。だから明確にしようと書いてあります。
私も現在組合で働いております。以前も日本の企業で働いておりました。公正な評価をされたことも、同僚で公正な評価をされている人を見たことがありません。我々日本人だって会社の従業員に対する評価基準なんてさっぱりわかりません。

  • 無能な上司。
  • 超有能でエース級の仕事をする平社員。
  • 首を傾げたくなる人事評価。

そんな中で黙々と仕事ができるのが日本人であり、また、評価基準を明確にしすぎてしまうと、自分の評価を上げるためだけに働いてしまい、業務を遂行していく上で大きな歪みができてしまう気がします。最前線でバリバリと営業をする人たちには当然必要ではあります。しかし、この冊子で書かれている外国人のお仕事は海外部門での折衝などでしょう。外国人に評価基準を説明する前に、日本人に説明してしかるべきです。

 

全社員の職務能力を見える化

これ出来ますかね?「サザエさん」のマスオさんとアナゴ君が勤めている海山商事の営業成績棒グラフぐらいしかしりません。外国人に合わせたルールづくりですが、このルールに従わざる負えない日本人職員の感想を聞いてみたいものです。全社員の2,3%しかいない外国人のために97%の日本人職員が我慢するような環境であってはなりません。

 

外国人が長期休暇を取れるように

外国人社員の母国の風習を勘案して柔軟な休暇制度を…とあります。外国人の前に日本人の休暇を増やしてほしいのですが、まあそれはさておき。

1カ国、2カ国の外国人が2,3人程度ならまだしも、10人、20人、30人といた場合や複数カ国の場合、いちいち勘案してられないでしょう。外国人の休暇が~というのであれば、今まで日系ブラジル人、フィリピン人、その他のアジアの国々からの人間だってたくさん働いてきましたけど、日本の休暇システムに合わせて働いてきたはず。

 

外国人社員だけでなく日本人社員も語学力を向上させよう?

日本に来た外国人が日本語を学ぶのは当たり前ですが、日本人も彼らの母国語や英語を学んで、彼らに歩み寄ろうよって話です。決して悪いことではないと思います。

ただ、全社員数の1%にも満たない外国人のために○●語会話教室を開いたり、みんなで勉強しましょうよという雰囲気を会社内に充満させるのはいかがなものでしょうか。業務が忙しくて勉強なんてできない。そもそも外国語の勉強には興味がないって人も多くいるでしょう。みんなと一緒に勉強しないといけない雰囲気となっていき、同調圧力に負けて渋々『勉強会』に出席。

多くの受講者はやる気がそれほどないため、1,2ヶ月で受講者はほとんどいなくなります。

私が監理している受入企業さんにも似たようなことがありました。中国人技能実習生が来るという物珍しさだけで、外部から中国人講師を呼んで日本人向けの中国語会話教室を開きました。

ところがわずか2ヶ月で受講者がゼロになりました。

結局続かないんですよね。中国語で中国人技能実習生と話すどころか、日本語でも話しかける人はごく僅かでした。

実習生たちはこの現象に対して、ありがたくもなく、また閉講になったことについて残念そうにはしていませんでしたが、この冊子で取り上げている外国人はおそらく高度人材です。

「フランス人が入社したからフランス語教室を開こう!」

と、言ってすぐに閉講してしまったら、フランス人はどう思うのでしょうね?中途半端な事しやがって、結局は形だけだと思うかもしれません。決して気分は良くないはずです。

生活面における宗教や文化の違いに配慮?

最近はイスラム圏の人々のために

  • 礼拝を行える環境を整える、就業時間でも礼拝を行えるようにする。
  • 日本人社員にも彼らの文化習慣、ひいては宗教を勉強する機会を設けるようにする。

ソフトイスラムではない、ガッチガチのイスラム教徒の人間なんてそもそも日本では馴染めないでしょう。日本のどこかの小学校で、イスラム教の生徒の親が「豚肉の入っていない給食を作れ」とのこと。

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呆れて物が言えません。イスラムの人は安心して過ごせるのでしょうけど、豚汁がなくなった給食、ほっかむりした人が社内をうろつき、忙殺されている時に地面に座ってお祈りばかりしているのを、多くの日本人が我慢しなくちゃいけないのでしょうか?

 

外国人だからと誰でも彼でも優遇する必要はない

この冊子はウオール街で働いているような超エリートの白人向けの冊子なんだろうと強く改めて思いました。

大変有能で、経験豊富。ぜひとも日本に来ていただいて我が社で働いてほしいという人材に対してなら、十分な待遇でもって迎えるのはわかります。例えば、インドネシア技能実習生を受け入れる際、彼らはイスラム教徒であるし、ハラールや礼拝の習慣がある。それでも、受入企業はインドネシア人を雇用したい、来てもらいたいのであれば整備する必要があるでしょう。イスラム教徒が嫌なら、中国やベトナムを選択すればいいわけですし。

しかし、自分の意思で日本に留学、就労に来て「雇ってください」となるはずなのに、「外国人様が来たぞ!さあ、手厚くもてなしてください!」これじゃあ、多文化共生ならぬ他文化強制ですよ。

日本の企業に就職しようとする外国人留学生の多くは、日本語をしっかり勉強してきているし日常会話レベル以上の語学力を思っています。日本で勉強したいから、働きたいから日本語を勉強しているわけです。日本に合わせて日本の土俵で働いている人が大半です。

オリンピックを控えているから、小池都知事が数千人の移民を受け入れることを決めたからか、とにかくメディアも国も外国人ようこそと騒ぎすぎです。

 

この手の冊子通りに外国人技能実習生を待遇するのは…?

上述したようにこの「日本人の待遇はさておき外国人に至れり尽くせりの環境を整えましょう」冊子は、ウオール街で働いているような白人、高モラル人材でしょう。外国人技能実習生の多くはただでさえ日本語学習意欲が低く、出稼ぎ労働者気分で日本に来ています。そのため、日本の文化や風習を学ぶ姿勢はゼロ、波風なく3年間適当に仕事をしてお金を稼げれば良いと考えています。

彼らとエリート外国人を一緒くたにして、変に優遇してしまうと要望がエスカレートするだけです。きちんと会社のルール、日本社会のルールを何度も説明してあげる。日本語がそれなりにでき、仕事もきちんとする。日本や会社に馴染もうと努力する姿を見せることで、日本人社員から信頼を勝ち取ることができるのです。アレもこれもと優遇することが必ずしも良いとは限りません。

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