上達しなくても外国人技能実習生に日本語学習を継続させるべき

外国人技能実習生たちにはもちろん、受け入れ企業の担当者の方にも実習生たちの日本語学習の大切さを常々話しています。日本語が彼らにとって必要悪であること、仕事や私生活で必要であるばかりではなく、自分を守るためにも必要です。また、これは学歴は他の実習生と同じでも、(生まれながらと言ってもいい)素養が高い人にとっては外国の文化を学び、視野を広げることができる。人生の肥やしとなる体験をするために必須の能力です。最後の視野云々できる実習生は、数の上では非常に少ないですが…兎にも角にも、日本で暮らす上で英語を話せない彼らにとっては日本語は必須能力です。

外国人技能実習生に日本語を学習させることを諦めてしまった企業担当者

外国人技能実習生に継続的に日本語を勉強させるのは、企業担当者や監理団体の担当者にとって骨の折れる作業です。思いつきで宿題を作って配布しても、これを実習生を受け入れいている間ずっと続けていくのは忍耐が必要です。宿題をサボる者、半分しかやってこない者、まったくの空欄で提出してくる者。やっていないにも関わらず、平気な顔でシレッと提出してくるんですよね。

受入人数が10人未満であれば、きちんとやってくる場合が多いのですが、人数が増えてくると宿題をサボる者が多くなってきます。完全に舐めきっている状態です。

では、彼らの仕事ぶりはどうなのか?
概ね悪くありません。それなりに仕事をこなしてくれています。だから、企業担当者も、

「仕事はきちんとやってくれているし、別に日本語が出来なくても困ることはない。だったら日本語、日本語なんてうるさく言う必要もないだろう…」

こうなるわけです。
このような担当者を何人も見てきました。

彼らに宿題を出すのをやめ、日本語についてうるさく言わなくなると、彼らは「ああ、この会社は仕事さえしていればいのだろう」という考えになります(この手のタイプに限って、仕事の手も抜き始めることが多い)。

彼らは増長し始め、日本語なんて知ったことかと、会社のルール、日本のルールさえ守らなくなってきます。特に中国人技能実習生などは、中国人メンタリティ丸出しで生活するようになります。

日本に行く前の中国国内研修、来日して1ヶ月間の講習で叩き込まれた日本のルール、日本人の考え方…。当初はこれらの考えをリスペクトし、中国の個人主義的な部分をいくらか抑えられていました。しかし、中国式の考えで暮らしをしていると、わがままな個人主義的が強くなり、実習生同士些細なことで喧嘩をしたり、ひどい場合は日本人職員とトラブルを起こすようになります。

それでも日本語の勉強をさせる理由

無理やりに日本語を勉強させなくても良い…

宿題をやらなければ、やる側もさせる側も楽です。
しかし、この考えは彼らに対する良くない譲歩であり、及び腰になっている証拠です。上記の通り管理者する側にとっても日本語学習のチェックはしんどいです。無理やりやらせることによって実習生とトラブルになるのではないかなどの心配もあると思います。

やらせる理由:
  • 日本語力を向上させ、現場での意思疎通を確かなものにしていく
  • 日本人と会話することによって日本人の考え方を学んでもらう
  • 病院、銀行での国際送金、外出先で困らないようにする
  • 旅行などで日本をより多く知ってもらう。視野を広げることでモラルが向上する

ここまでは理想的かつ当たり前の理由です。

 

解雇をする時や処罰を与える時の口実にするため

宿題をやらない人は何と言われてもやりません。このような人に対していくら口を酸っぱくしても言うことを聞かないから、宿題をさせなくても良いやという考えに陥りがちです。しかし、宿題はこのような人たちに対してこそ効力を発揮するものです。

この手の人物は会社の言うことを聞かない、他の実習生とトラブルを起こす。勤務態度がよろしくないことが多く、解雇、中途帰国の処分になる可能性が他の人と比べて高いです。

彼らを帰国させる口実として、勤務態度の悪さ、日本語の宿題を一切やっていないことをあげます。他の人はみんな言うことを聴いてやっているのに、お前だけは一度もやった試しがない!日本語と実習を頑張るという約束で来たのに約束を果たしていない。

実習生とのトラブル回避術!外国人技能実習生と採用時に実習生活での約束事を決めておけ!

宿題を与えず自学自習頼みですと、

「家に帰ってから日本語を勉強しています」
「日本語の教科書を読んでいます」

という返答が返ってくるだけで、実際には勉強していませんからね。宿題を与えて、サボった数を記録しておき、帰国させる時の口実の一つにするために必要です。

「俺だって日本語の勉強していますよ!」
「いや、やっていないだろう!これを見ろ!」

外国人技能実習生を解雇、帰国させるのは難しいです。絶対に揉めますし、噛み付いてきます。決定的な理由一つあれば良いのですが、勤務態度の悪さ、サボってばかりいるなどの理由だけでやめさせる場合、なかなか納得してもらえません。

解雇理由をたくさん並びたてること。君はここもダメだ、あれもダメだと何度も言い聞かせ、少しでも彼らに罪悪感を感じてもらうようにする。

その為、入国前にもしっかりと日本語学習については約束させておきます。

  • 宿題をやらなかったら帰国してもらう。
  • 日本語の学習意欲を喪失したら実習継続不可。
  • 日本語検定を受けなかったら実習意欲の喪失とみなす。

しつこく、何度も、こっぴどく言って約束しておくことです。この約束をしたかしないかによって、イザ中途帰国させる時にこちらの説得力が増します。

嫌な言い方ですが、宿題未提出を帰国理由の一つにできるため、日本語力の向上だけでなく、中途帰国させる時のツールとしても使います。

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