技能実習生ブローカーの脅威 企業、監理団体で不正行為が発覚しても彼らは痛くも痒くもない!

技能実習生を受け入れる際に紹介者が絡んでいることも多々あります。
「紹介者」と言っても本当に紹介だけした人だったら問題ありません。

取引先の担当者が、「うちの子会社でも実習生を受け入れたい」とか。
親戚のおじさんの知り合いが会社を経営しているのでそこで実習生を欲しがっている。

厳密には謝礼を渡すのはNGですが、気持ち程度で渡しているケースもあると思います。まあ・・・この辺は難しいですよね。

営利を目的としている機関を介在させてはいけないと法令にあるので、恒常的に実習生を紹介することで利益を得ている人達は完全にNGです。つまり実習生の紹介をほぼ生業としている人たちです。実習生の紹介については、本来の事業のサブ的なもの、片手間的、お小遣い稼ぎ程度でしょう。メインは人材派遣、どこかのメーカーの顧問とか、怪しいビジネスをしている個人事業主、零細企業の社長とか…。

 

ブローカーってなんとなく雰囲気でわかります。
独特な雰囲気なんですよね。

  • 脂ギッシュで目がギラギラ。
  • 大きな声でガハハと笑う。
  • コミュ力が高そう。
  • 明るいキャラを全面に出しているけど、要所要所でドスを効かせる。
  • シャバじゃなさそう

なんかどうでも良い特徴ばかりですね^^;

この仕事について間もない頃は、ブローカーのことをめちゃくちゃリスペクトしていましたよw
すでにいなくなった当時の私の上司がブローカー様様でしたので、この事業は仲介者を介して顧客開拓をして行くものだと思っていました。無知って本当に恐ろしいですねえ…。

 

当時はこのブローカーがガッチリとうちの団体に食い込んでいました。
顧客の紹介のみならず、

  1. 実習可能職種以外で受入を押し込んでくる
  2. 面接で実習生を選抜
  3. 監理団体に黙って勝手に企業訪問
  4. 受入企業への営業。仕事を取ってくる
  5. 企業と密着し過ぎて勝手にルールを作ってしまう。

 

1.実習不可の単純作業でも3年OK!?
完全なるライン作業。その作業は全く実習職種に当てはまらないのに、無理やり3年で入れろと監理団体に圧力をかけてきました。企業はすでに洗脳済なので、我々が違うと指摘しても「ブローカーの●さんは良いって言ったよ」と話になりません。

今でこそ「惣菜」職種があるものの…当時は惣菜パン、ケーキ作りを「パン製造職種」として3年で入れろとか無理な注文をつけられたり、産廃処理業者の仕事を「プラスチック成形」で3年入れろ!と、私の同僚が脅されていました。私が入社当時の頃でしたけどね。
2.実習生の選抜もしてくれる?

選抜してくれるんだから良いじゃない!と思うなかれ。面接でかなり勝手なことを言ってしまうし、実習生と「残業は毎月最低50時間ある」「勤務態度が良ければ(監理団体が)食料品とか差し入れしてくれる」「3年に一度一時帰国しても良い」など勝手なことを口約束してしまいます。

配属後「残業時間は最低50時間ある」と、技能実習生に言われた時はびっくりしましたね。
残業が少なくなり不平不満を漏らし始めた実習生を抑えるのに苦労したのを覚えています。

 

3.企業を勝手に営業訪問、新たな受入話を持ってくる

企業を訪問するだけなら構いませんが、ここでも新たな約束を…。

「実習生にいくらでも残業させてもOK。42時間以上どころか、特別条項のウン十時間も超えたって構わない。割増賃金なんて払わなくてもOKよ~」

と吹き込む始末。
実習生も普通の労働者同様労働関連法に則って処遇すべきと言っても、企業の社長さんはブローカーとべったりです。こちらの言うことは聞いてくれません。

「え?〇〇さん(ブローカー)は良いって言ってたよ?」

社長と口論になることもしばしば…。
ルールなどがあやふやで実習生の受入も綱渡り状態になっているのに、新たな受入の話が。
受入は嬉しいのですが、新たな爆弾を抱える気持ちで複雑でした。

 

4.企業と一緒にルールを作る

上述した月あたり残業50時間、労基法無視など。
実習生が有給をとっていいのは病気などの体調不良の時のみ。外出はとなり町まで。遠出などとんでもない。〇〇したら罰金。ルールを勝手に作られてしまい、中には人権侵害となってしまうような内容も…。
もうすでにウチの団体はブローカーとは一切関わりを持っていません。

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ウチがいくらブローカーに支払っていたのか…全く知りません。ただ、中国側の話によると一人10万円渡していたとのことでした。1名入国すれば10万円の謝礼。その後、2年目3年目といくらかもらえるそうです。

何か問題が起こったら責任は監理団体と企業が取らなければならない。

相場はわかりませんが、何かあっても責任を取らなくても良い。いや、とりようのないブローカー。お金をいくらもらおうと、彼らは責任を取りようが無いのです。まだ研修生制度があった時の話ですが、受入企業さんに入国管理局の臨検がはいり(まあ、この時すでに入管は何かを掴んでいたと思います)、実習生への未払賃金、研修生時代の残業について指摘されました。うちの職員はこれに気づいていたようですが、企業側は聞く耳を持たない。ブローカーが「OK」と言ったら、すべてOKとブローカーだけを信用していました。

入国管理局が臨検に入った時、企業側はブローカーの名前を持ち出して言い訳をしていましたが、そんなのは言い訳にもなりません。ブローカーそのものが論外の存在ですから…ブローカーの名前を出したことが返って逆効果になりました。

ブローカーからウチの団体に連絡が入り、「おたくの担当の〇〇は能力ゼロだっ!他のやつを回せよ!早く解決しろ!」と怒鳴りこんできました…。当時は入社したてだったので、一体何だと思いましたよ…^^;

ブローカーとは絶対に関わりにならないこと。ブローカーに頭の上がらない監理団体は…いつか滅びます。

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