技能実習生黎明期~リーマンくらいまでは横柄なJITCO駐在員ってよく見かけましたけど、最近は随分少なくなったはずです。しかし、昨年JITCO巡回ではたいそう横柄な御仁が担当でした。
VS元労働基準監督署署長
JITCO駐在員と行ってもJITCOプロパーではなく、入管、銀行、厚生労働省の天下りなどなど様々な経歴を持つ人が在籍しています。JITCOに来る前は相当な地位についておられた方、まだ自分がその地位にいると思っているのか、受入企業や監理団体に対して非常に横柄な態度を取る輩もおります。
ある企業さんのJITCO巡回に立ち会った時のことでした。
事前に当日立ち会う私に連絡がありました。
「巡回の日だけどさ。悪いけど○○駅まで車で迎えに来てよ」
駅からその企業までちょっと遠いんですよ。私はいつも車で訪問していますが、タクシーだってたくさん転がっているのですぐに捕まるはずです。
「え?でも、その駅ならタクシーもたくさんあるし」
「いいじゃない。あんただって車で行くんだろ。ちょっと乗せてってよ」
あんた・・・?
口の聞き方を知らない爺だなと思いつつも、JITCO巡回の前にことを荒立てたくないので迎えに行くと伝えて切りました。
巡回当日はシトシトと雨が降っていました。
駅で待っていると10分遅れで爺が到着。悪びれもせず、傘についた水滴を落とすこともなく乗車。世間話をポツポツしていましたが、私は適当に相槌を打つ程度でした。どうも上から目線で話す気がおきませんでした。
企業に到着。
専務と部長が対応。
遅れてきたことを謝罪もせずに
「ちゃんと揃えた?面倒なことさせないようにね。頼むよ」
この企業さんは超優良企業です。
36協定もきっちり守られていますし、健康診断、実習記録、賃金台帳等指摘されたことは一切ありません。
賃金台帳の表記の仕方がわかりにくい。別に見にくくないんですけどね。
実習記録に関しても文句お言われました。
「4人共同じ作業をやっているわけではないだろう!あんたこれさあ、コピーペーストでやっているだけだろう」
四人とも同じ作業なんです。後ほど現場にて確認してもらいましたが、本当に同じ仕事をしています。備考欄には実習生に対する評価を記入しろ!実習生各自に実習記録を書かせろ!と命令口調。専務をあんたら呼ばわりです。
嫌味をひとしきり言った後、爺はトイレに。
なんであんなに威張るんですかね~?と、企業に聞いたら、どうやら彼奴めは元労働基準監督署署長。おまけにこの企業の管轄区域の監督署だったんですね。だからこちらもおとなしくなってしまうんですよ。とのこと。
とは言え、あまりに態度が悪すぎます。
人と話す時の姿勢、口調。すべてが輩的です。
最後に、健康診断の結果について指摘されました。
仕事上騒音の激しい職場なので、長期間勤務した職員は難聴になってしまうこともあります。実習生たちは最長でも3年ですから、難聴になる可能性は殆どありませんし、当時在籍していた実習生たちは一人も難聴になっていませんでした。
ところが、
「後遺障害もんだぞ!これ!精密検査は受けさせているのか!障害者だろ。この結果!」
説教がネチネチと続きました。
言っていることは間違いないと思います。ただ、実習生対象の巡回に来ているのに日本人従業員に関して長時間説教するのはいかがなもんなんでしょう。私はフォローを入れましたが、
「実習生とは関係ないんだから!あなたいちいち口出さないでよ。日本人従業員のはなししているんだよ」
と一蹴されました。
いやいやいやいや・・・・ww
日本人従業員ではなく実習生のチェックだろうに…日本人従業員に関する指導は今やることではない!
ようやく終わったかなと思ったら、『改善指導書』(だったかな?)を手渡されました。
日本人従業員の難聴について、賃金台帳が見づらい、実習生一人ひとりに実習記録を書かせていない
これらが記載されていました。
指導書…?確かにJITCOの書式のようですが、書面で指導されるほどのことなのか?1万歩譲って賃金台帳、実習記録云々はまあ実習生のことだ。しかし、日本人従業員の難聴に関して書かれているのはおかしいですよね。
あまりに理不尽なためなにか言ってやろうとしましたが、企業さんはこの爺に頭が上がりません。長い指導が終わりました。JITCO巡回で2時間経過^^;
やはり書面にての指導は行き過ぎだと思い、JITCOへクレームの電話を入れました。
- 日本人従業員のへの指導は対象外である
- 実習記録を実習生各自に書かせる
- 賃金台帳が見づらい
JITCO本部へと赴き指導書を見せると、「確かにやり過ぎだし、日本人従業員への指導は管轄外です」とのことでした。JITCOの駐在員と話をして、この件についてはもう一度相談するとのこと。また、私の方からJITCOの駐在員の態度が非常に悪く、60歳近い専務をあんた呼ばわり。敬語も使わずに、人を見下す態度で終始指導を行われたことも伝えました。本部は深く反省し駐在員にも厳しく伝えておくとのことでした。
その翌日、くだんの駐在員から私に連絡がありました。
謝罪はせずに言い訳ばかり。反省の色なし!
こちらからは、日本人従業員への指導は越権行為ではないか?元監督署の署長のようだが、未だに現役のつもりで指導するな。JITCOの駐在員よりも労基署の肩書で仕事しているつもりか!口の聞き方をもっと勉強しろ!
「わ、私だってJITCO駐在員になって5回も巡回をしているんだ!」
たったの5回で偉そうに言われても…。こちとら20回以上は立ち会っているんだ!あんたのような人間は初めてだと厳しく伝えておきました。とにかく先般のわけの分からん指導書については撤回させました。
もうこの手の「元なんとかの天下りふんぞり返りタイプ」はいないと思っていたんですがね。希少種として存在していました。
JITCO巡回はこれからなくなっていく予定です。確か外国人技能実習生機構という厚生労働省直轄のバリバリの機関が抜き打ちでやってくるそうですから^^;皆さん、ふんどし締めて監理していきましょう!